「長期休み・奨学金肩代わり・豪華まかない」深刻な“人手不足”立ち向かう企業の対策…人件費高騰で倒産件数は過去最多に【Nスタ解説】
10月5日、人手不足による企業の倒産が2026年4月~9月の上半期、過去最多になったことが分かりました。一番の要因「人件費の高騰」。
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埼玉にあるラーメン店では人手不足によって、“通常営業”さえままならない事態となっていました。
人手不足が企業を直撃 人件費高騰などで倒産件数が過去最多に
井上貴博キャスター:
人手不足が原因で倒産した企業の件数は、4月~9月の件数を各年ごとに並べると、上昇傾向にあります。2026年の上半期は240件と、調査を開始した2013年以降過去最多になりました。(※東京商工リサーチ)
なぜ人手不足に陥ったのでしょうか。
人手不足で倒産した240件のうち、
▼求人を出しても人が集まらない「求人難」が43件
▼「従業員退職」が67件
▼「人件費高騰」は130件と前年比1.7倍でした。
賃上げ圧力が中小企業の資金繰り悪化に拍車をかけたということです。
では、どの業種で人手不足倒産が顕著なのでしょうか。
産業別に見てみると、サービス業(飲食・娯楽)などが91件、建設業が55件と、この2つの産業で6割を占めています。
企業が置かれている現状について、経営評論家の坂口孝則さんによると、
▼原材料・エネルギー高騰が続くこと
▼金利が増え、負債に対する支払いが増えること
▼人件費高騰が続くこと
以上から、現状、緩和する要因が見られないといいます。
人手不足に企業が“あの手この手” 建設現場では「長期の夏休み」導入
井上キャスター:
人手不足にどう立ち向かうのか、企業はあの手この手で対策をしています。
まず、建設会社の「鴻池組」です。
鴻池組の建設現場での熱中症の件数は、2024年が30~40件だったのに対し、2025年は70件に増加しました。
「建設現場の安心・安全を確保することで人材確保につながる」と考え、2026年から7~9月に「夏季連続休暇(各月9日間・計27日の連続休暇)」を試験的に導入しました。
担当者は「新規の働き手確保だけでなく、離職を防ぐことにつながれば」と話していました。
熱中症のリスクが高まる夏に休暇をまとめて取得する施策であり、他の時期の休日を夏に振り替える形となるため、年間の休日数はほとんど変わらないそうです。
このような施策を通じて、厳しい状況にある建設業界の立て直しを図っています。
最大120万円を肩代わり 奨学金返済支援で人材確保
井上キャスター:
人材サービス業などを行う「アプティ」では、新卒社員の奨学金を肩代わりして人材確保をしています。ほぼ全額、代理返還です。(日本学生支援機構の奨学金のみ 月2万円で最大120万円)
導入のきっかけは、新卒採用の面接を行った時、奨学金返済を気にする学生が多かったということ。これまでに10人ほどが利用しています。
担当者は「この制度に関する質問も多く、学生の関心は大変高い。新卒社員の定着にも一役買っている」と話しています。
給料が高い会社はもちろん目に付きやすいですが、奨学金を肩代わりしてくれるということが学生にとって大きな面だと思います。
「豪華なまかない」で人手不足を解消した企業も
井上キャスター:
豪華な「まかない」で人材確保をした企業もあります。
東京・小金井市にある中華料理店「俵飯」では、過去に人手不足でアルバイトの募集広告に週5万円を支払っていましたが、働いている人のほとんどが「まかない目当て」で働いているということに目を付け、見事、人材不足を解消しました。今はもう広告を出していません。
どんな「まかない」になっているのかというと…
▼ボリューミー:茶碗4杯ぶんのご飯
▼リクエスト可:好きな物を注文できる
▼テイクアウト可:好きな時間に食事できてタイパ
先々はAI社会を見据えなければいけませんが、今を生きるにはどうすればいいのかも、企業、特に小規模事業者は頭を悩ましていますよね。
会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
これから少子化は進みますから、働き手が増えるということは多分しばらくないわけですよね。
出水キャスター:
飲食店で多少待つことに対して、私たちも少し寛容になっていった方がいいのかなと思います。
日本はすごくおもてなしが行き届いているので、「人がいないから少し待とう」といったようなおおらかさを持ちたいなと思いました。
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<プロフィール>
池澤摩耶さん
元外資系投資銀行のトレーダー
2児の母で会社経営者・投資家