簗農林水産大臣が辞表を提出「これ以上迷惑をかけるわけにはいかない」自ら決断…問われる高市総理の任命責任【Nスタ解説】
簗和生農林水産大臣は、14日の夕方、国会審議や行政への影響を理由に、辞表を提出。高市総理との面会内容は「控えさせていただきたい」と述べるにとどめました。
簗大臣が辞表を提出 総理とのやり取り「控えたい」
井上貴博キャスター:
簗大臣が、国会審議への影響、農林水産業に関してこれ以上迷惑をかけられないということで、辞表を提出し、辞意を総理に伝えたということです。
公職選挙法違反の問題はもちろんですが、より深刻なのは“予算カット発言”だと思います。本来は、この発言があった段階で、判断を下すことができたのではないでしょうか。
出水麻衣キャスター:
総理との会話の内容については差し控えるということでした。数分で会見を打ち切ったようにも見える簗大臣の態度というのは、どのようにご覧になりましたか?
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
詳しい話については、記者の質問もありましたが、最後は立ち去るような形で終わりました。
総理とのやり取りについても、簗大臣の方からは控えたいということで、辞意を伝えたことに対して、高市総理がどのような話をしたのか、どういう反応だったのかというのはまだ分からない状況です。
説明責任果たせず…高市総理の任命責任追及につながるか
井上キャスター:
記者から「決定打は何だったのか」という質問もありましたが、あくまでも国会審議への影響、農林水産業にこれ以上迷惑をかけられないという発言がありました。
この報道が出てから国会審議でも追及があり、高市総理としては「説明責任を果たすべきだけれど仕事をやって欲しい」と押し通してきた。
本来、国会審議で非常に重要な課題を話し合うべきところが、この問題に時間が割かれました。この辞表を提出するという判断は、早く出来なかったものかと感じてしまいます。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
高市総理は当初、「説明責任を果たした上で人一倍働いて欲しい」としていました。
高市総理からすると簗大臣については、「農林水産行政について非常に詳しいので、大臣としての仕事を果たして欲しい」という強い思いがあったからこそ大臣に選び、だからこそ「説明責任を果たし続けて欲しい」という考えだったのでしょう。
ただ、結局のところ説明責任を果たすことができない状況だった。
高市総理としては、何とか乗り越えて欲しかったということなのでしょうが、結果的に時間を費やした。この状況ですから、その時間を費やしたということ自体、この対応でよかったのかと。高市総理の判断はどうだったのかというのも、このあと追及されることになると思います。
高市総理「今の現状が私は残念でならない」答弁も…高市政権の信頼回復は?
出水キャスター:
各社の世論調査ですと、世論調査の数字に関する跳ね返りというのは限定的だったと思いますが、数字に表れていない政治不信は国民の中にも広がるかと思います。どのように挽回していけばいいのでしょうか?
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
最初のいわゆる“予算カット発言”。国民の皆さんから集めた税金をどうやって公平に、みんなが納得する形で使うかというところが、本当に国会にとっても一番大事なところのひとつです。そこに対して何かおかしいことがあったのかどうか。
大臣は「働きかけはしていない、間違ったことを言ってしまった」と、いわば「嘘を言ってしまった」と言いましたが、いずれにしても政治に対して、「日本国の政治・行政は公平に行われているのか」というところに非常に疑問を持たせてしまいました。
そうした中で次々と新しい問題も起き、行政それから政治全体に対し、「高市政権は本当に大丈夫なのか」というところで、今の状況に至っているので、ここから信頼をどうやって回復していくのかということが必要です。
井上キャスター:
高市総理が簗大臣を頼りにしていたことは分かります。しかし、問題の根幹として“予算カット発言”というのは、大臣よりも議員としての資格が問われることだと思います。大臣の職を辞するだけでは終わりです、とはならない問題。なぜ、あのような発言をしたのか、追及すべきところだと思います。
一方で、本来、消費税など本当に議論すべきところは与野党関係なく国会でしっかりと議論する。この両輪は大切なのではないでしょうか。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
この問題だけにいつまでも時間を費やし、国会が過ぎていっていいのか、という問題もあります。ただ、辞めたからこれで一切終わりかというと、そういうわけにもいきません。国民がある程度納得できないと、収まりがつかないと思います。
また、高市総理が今回この大臣を選ぶ時に、自民党のほぼ全ての衆議院議員にアンケートをとり、何をやりたいか・どのようなことをしたいかをじっくり読み込み総理が選んだという、非常に異例の形での内閣発足でした。
その結果、まだ発足して間もない中で大臣が辞任してしまった。この高市総理の組閣のあり方自体、本当にそれでよかったのか、というところも合わせて検証していくことが必要かもしれません。
井上キャスター:
高市総理は14日、「(簗大臣が)なかなか皆様の納得をいただけない説明しかできていない」と答弁しました。「皆さんが納得できるか」というよりも、「高市総理自身が納得しているのか」というのも気になります。
そして「今の現状が私は残念でなりません」とも答弁しています。こういうことに至ったことに関して、国民の多くが残念でならない気持ちになっているのではないでしょうか。
そのため、高市総理が今回のことを今後どのように説明するのか、しっかりと見ていく必要があると思います。
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<プロフィール>
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当