「日常が幸せ満タン」父親が伝える感謝 ダウン症の息子と30年…不幸だと思っていた価値観が一変 日常の尊さを実感
福岡市で暮らす30歳の男性。ダウン症があり、病気の影響で声を出すこともできませんが、家族と充実した日々を送っています。男性の父親は今、「幸せ満タン」という思いを伝える活動を続けています。
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福岡市に住む田中彰悟さん(30)。この日は父・伸一さん(56)と一緒に自宅近くの福祉施設にやってきました。
ダウン症と知的障害のある彰悟さん。部屋に新聞を敷き詰めて始めたのは…彰悟さんは絵を描くことが大好き。毎月、この施設に通い、思うままに筆を走らせます。
彰悟さんは今年30歳となりました。
彰悟さんの父 田中伸一さん
「かわいいでしょう」
1996年6月、田中家の第二子として生まれた彰悟さん。生まれて間もなく、ダウン症と診断されました。
彰悟さんの父 田中伸一さん
「将来どうなるんだろうとそれまで思っていたんですけど、一緒に暮らし始めると、そういう思いが吹き飛んでいった」
しかしその後、彰悟さんの様子が急変。肺炎を発症しました。
気道がふさがり、口から呼吸ができなくなってしまった彰悟さん。声帯もふさがってしまい、声を出すことができなくなりました。
彰悟さんが生まれてから不安を抱えていた伸一さんですが、我が子と過ごす楽しい日々の中で、気持ちが大きく変わったといいます。
彰悟さんの父 田中伸一さん
「障害があることが不幸なことだと私は思っていたから。不幸だと思ったら不幸だけど、そのおかげでこれができる、だからこそこうだと、見方を変えると、大体のことが幸せにつながっていく。自分の価値観を見直させてくれた彰悟との人生」
そして、彰悟さんから学んだことをたくさんの人に伝えたいという思いが芽生えました。伸一さんは講演会を開くなどして、彰悟さんとの30年間で感じたことを自らの言葉で伝えます。
彰悟さんの父 田中伸一さん
「私と妻と娘が『乾杯』ってしたらですね、息子が初めて自分から主体的にグラスを持って、私たちのコップにくっつける、『乾杯』って。息子が乾杯できるとは思っていなかったから、乾杯してくれたことがめっちゃくちゃうれしくて」
そして何より伝えたいのは、彰悟さんから学んだ価値観と感謝の気持ちです。
彰悟さんの父 田中伸一さん
「同じ状況でも、それが不幸と思うこともあれば、そのおかげで幸せだと思うこともあるので。そういうことを息子が生まれてくれたおかげで感じたり、体験したりすることができて、本当にありがたいなと思っています」
講演を聞いた人
「子どもさんの笑顔見ながら、先生(伸一さん)も喜んでいらして、奥さんも大変だっただろうけど、温かい家族を感じました」
伸一さんも講演を通して、今の日常の尊さを改めて実感しています。
彰悟さんの父 田中伸一さん
「息子のおかげで幸せなんだというのを話すのが楽しかったし、伝える価値があると思って。幸せ満タン。これで十分、これがずっと続けばいいと思います」