サイバー攻撃の影に中国系のAIエージェント「ARTEX」 止まらない情報漏えいの被害は警察や国の事業でも【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-10-21 12:15

後を絶たない個人情報漏えいの被害が、警察組織や国の事業にも及んでいます。その影に浮上したのが中国の技術者が公開したAIエージェント“ARTEX”の存在です。たった3行の指示で“メールアドレスもパスワードも抜き取る”その性能にGoogleでサイバー攻撃を分析するチーム責任者も警鐘を鳴らしています。

【写真で見る】日本企業およそ80社を攻撃か“中国系AI” ARTEXとは

被害は警察組織や国の事業にも…

後を絶たない“個人情報の漏えい”。その被害は、犯罪を取り締まる警察組織にまで及んでいます。

情報流出の可能性があるのは埼玉・神奈川・愛知・福岡などの各県警。

中には、1万人以上の警察官や職員の氏名・所属・メールアドレスといったデータが流出した可能性がある県警もあります。

いずれも、システムの運営を委託していた防災情報配信サービス会社が不正アクセスを受けた影響だということです。

さらに、サイバー攻撃の被害は中央省庁の事業にも…

国交省によると、住宅の省エネ改修などに補助金を交付する「住宅省エネ2024キャンペーン」の事務局に不正アクセスがあり、約2万4000人の個人情報が流出した可能性があるということです。

そのほか、「ふるさとチョイス」の運営会社は、約445万件の個人情報が流出したと発表。

流出が確認されたのは氏名、住所などのほか、寄附控除試算額だということです。

相次ぐサイバー攻撃の影に“中国系AI”

日本各地でサイバー攻撃が相次ぐ中、ある“AIエージェント”の存在が浮上しました。

「GMOインターネットグループ」の子会社が調査したところ、一部の攻撃で「ARTEX」という中国の技術者が公開したAIエージェントが使用されたとみられることが分かりました。

一体、どんなものなのか。

都内にあるサイバーセキュリティの会社で、ARTEXを使ったサイバー攻撃をシミュレーションしてもらいました。

画面には中国語が並んでいますが…

S&J株式会社 三輪信雄 社長
「日本語で攻撃をするターゲットに対して『こういったことをやって』とたった3行指示。指示をすると攻撃を始めています」

ARTEXの最大の特徴は、他のAIに相談して解決策を教わりながら、最も適した攻撃方法を見つけること。

『ARTEX』
「順調に進行中です。良好です」

人間が手を動かすことなく、自動で作業は進み、3分ほどで終わりました。

S&J株式会社 三輪信雄 社長
「実際に持ってきたファイルを開いてみると、メールアドレス・パスワード、人間が手でやるには、まぁ時間がかかります」

日本企業約80社への攻撃に使われたか、韓国でも…

このAIエージェントは、日本企業約80社に対する攻撃に使われた可能性があるといいます。

また、韓国でも9月から相次いだ金融機関へのサイバー攻撃で使用されたとみられていて、あわせて6万人以上の個人情報が漏えいしたということです。

これは始まり…「近い将来、大規模な攻撃に直面」

Googleでサイバー攻撃を分析するチームの責任者ジョン・ハルトキスト氏も、このAIエージェント・ARTEXの脅威をこう指摘します。

Google・脅威分析チーム責任者 ジョン・ハルトキスト氏
「最近かなり頻繁に見かけるようになったツールだ。最終的には、これらのツールが組み合わさることで、あらゆるタイプの攻撃者がオペレーションレベルを向上させることが容易になる。それは近い将来、高速で大規模な攻撃に直面することを意味している」

その上でハルトキスト氏は、アメリカではサイバー攻撃の数が頭打ちにあると指摘。

 攻撃者が新たな標的を探す中で、AIによって言語を自在に操れるようになったことから日本など、英語圏以外への脅威が拡大していると話します。

Google・脅威分析チーム責任者 ジョン・ハルトキスト氏
「日本人を標的として攻撃するための『フィッシングキット』を数多く確認している。その詐欺ツールの多くが、中国語圏のアンダーグラウンドからたくさん出回っていて、その動きは活発化する傾向にある」

サイバー対策の脆弱性が指摘される日本企業について、こう警鐘を鳴らします。

Google・脅威分析チーム責任者 ジョン・ハルトキスト氏
「いまこの事態と向き合っていることは幸運とも言える。なぜならこれはまだ始まりに過ぎず、今後さらに深刻化する脅威に先手を打つことができるからだ」

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