【独自インタビュー】VIVANT 別班員・廣瀬瑞樹 演じる珠城りょう「誰にも気づかれなかった」特殊メイク秘話 感情は〝無〟拷問シーンの苦労明かす

拷問を受ける仲間を前に、怒りも悲しみも奥歯で噛みしめ、あえて「無」を貫く。日曜劇場「VIVANT」で別班員・廣瀬瑞樹を演じる珠城りょうさんは、その裏で胃がキュッとなるほどの感情と戦っていたといいます。
【写真を見る】【独自インタビュー】VIVANT 別班員・廣瀬瑞樹 演じる珠城りょう「誰にも気づかれなかった」特殊メイク秘話 感情は〝無〟拷問シーンの苦労明かす
特殊メイクは、監督の要望で「誰か分からないくらい」の仕上がりに。
独占インタビュー第13弾となる今回は、救出シーンの舞台裏から、特殊メイクの苦労、共演者への思い、そして珠城さんにとっての「VIVANT」まで、じっくり伺いました。
Q:ついに救出シーンが放送されました。乃木さんが来た瞬間、どう思われましたか?
「やっと来てくれた」という思いもありますし、「来てくれると信じていた」という気持ちと、実際に放送された映像も見たのですが、すごく感動しました。
Q:撮影時はどのような様子でしたか?
手錠や足枷はとても重く、リアルな金属でしっかり作られたものを使っていました。それで長時間座ったり横になったりするのは、意外と大変でした。手や歯も汚しをかけた状態で撮影していたので、お芝居と分かっていても、助けが来たときは感動的で、自分としても一つ安堵するところがありました。
Q:平山祐介さん(別班・和田貢役)は、20話を見て「えずくぐらい泣いた」とおっしゃっていました。
私は、(司令部が)私たちの奪還を諦めるとなったあとに、乃木さんが1人残るシーンでボロ泣きしました。別班員としての気持ちと、乃木さん個人の感情とで、すごく戦っているのが見えたんです。それ以降も、別班をどう助けるかを考えながら行動しているのを見ていての20話だったので、かなり胸に来るものがありました。
Q:別班員・廣瀬瑞樹を、どのように演じていますか?
最初はアクションなどを求められるのかなと思ったのですが、意外とそうではありませんでした。ただ戦うだけではない魅せ方を求められているのだと感じました。大きなアクションやたくさんのセリフがなくても、みんなが助けに来た気配だけでパッと気づくなど、ちょっとしたところで、かなり訓練を受けてきた人だと表現できたらいいなと、第1シーズンから意識して作っています。
第1シーズンから乃木さんたちの近くで行動している女性別班員は私だけ。そこに女性がいる意味はあまり描かれていませんが、救出されたところで、女性らしい弱さや、頑張って耐えて鉄壁ではなく、1人の人間であるということを見せられたらと思いました。20話と21話の撮影にはそう考えて臨んだので、そのあたりに注目していただけたらうれしいです。
Q:やはり目を引くのが特殊メイクです。
実はあれは3段階くらいあるんです。一番ひどいはりつけの状態で約2時間。奪還作戦で救出に来られたときは真ん中くらいで、傷が癒えてきている状態で、それでも1時間半ほどかかっています。21話でもまた別の特殊メイクが出てきます。
プライベートで会う人には「元気そうで良かった」と言われます。最近ずっとボコボコの顔ばかり見ているから、という感じで。これがテレビの力だなと思いますし、見ている方も錯覚するほど影響力があるのだと、この作品に出演して実感しています。
以前は宝塚ファンの方などが応援してくださることが多かったのですが、「VIVANT」に出演してからは、作品やドラマが好きな方など、男女や年齢を問わずいろんな方が自分を認知してくださっているのを感じます。そういう作品に出られているのは、とても幸せなことです。
Q:特殊メイク中に食事をされることはあるのですか?
メイク中にも休憩時間はあるので、お水を飲んだり食事を取ったりはします。ただ、口元にシリコンの傷を貼っているので、濡れたり食べたりするとぷよぷよしてきて、剥がれてしまうんです。なるべく反対側で噛むようにしていました。結構大変でしたね。
Q:隠れた苦労もあるのですね。
そうですね。あの顔でウロウロしているので、撮影隊の人は分かっていても、スタジオの廊下で会う方や、アゼルバイジャンの現地でたまたまいらした方は、「何の集団だろう」「ゾンビ映画なのかな」というリアクションでした。「ですよね」と思いながら、笑顔で「ごめんなさい、撮影です」とお伝えしていました。
普通は俳優さんの顔が分かる状態で傷を施してほしいというオーダーが多い中、今回は監督からの要望で「誰か分からないくらいの顔にしてほしい」と言われたそうです。それくらいひどい状況を作りたいというオーダーで、特殊メイク班の方も初めてだったようです。貴重な体験をさせてもらいました。
Q:友達などから「あれ、珠城さんなの」と言われることもあるのでは?
皆さん、いろんな俳優の方が「第2シーズンで認知度が上がった」「街で声をかけられる」とおっしゃるのですが、私は基本がボコボコの顔なので(笑)。日本橋でやっている体験型イベントにサインを書きに行ったときも、関係者パスを付けて自分の衣装のところへ行ったりしたのですが、誰にも気づかれませんでした。普通にオフショットを撮って、サインと写真を撮って帰ってきました。
Q:拷問を受けている最中も、感情を「無」に。その難しさはいかがでしたか?
本当に難しかったです。和田さんが拷問を受けているシーンを見ていると、怒りもこみ上げますし、悲しいし、やるせない。何もできず、自分たちは耐えることしかできない。心の中ではすごい感情が渦巻いています。でも、感情が揺れ動いていることを見せるのは、マイナスになるんです。
そういう弱さを見せてはいけないのが難しくて。この距離に(シンシーの)周がいて、その先にはりつけになった和田さんがいて、胃がキュッとなるほどでした。奥歯を噛みしめながら、あえて「無」に見えるように頑張りました。心の中は感情でいっぱいだったので、辛いシーンでした。
Q:だからこそ、乃木さんが来たときのほっとした感じがあったのでしょうか?
そうですね。来てくれたということと、自分たちが別班としてちゃんと誇りを貫いたということ。2つの感情が押し寄せてきた感じがありました。
Q:堺さんは、台詞を間違えない、疲れを見せないなど、いろんな方がおっしゃっています。珠城さんから見た堺さんは、どんな方でしたか?
もちろんそういった部分もそうなのですが、モンゴルやアゼルバイジャンなど、普段の環境とは全然違う土地に行くじゃないですか。食事も違います。でも堺さんは、それを率先して楽しんでいる。現地のものが出ても、ばーっと率先して食べて、「これおいしいね」と。
スタッフさんが「ちょっと難しいかもしれません」というご飯でも「僕は全然大丈夫だけど」とおっしゃったり、現地のお菓子も食べていた。カメラが回っていないところでも、主演の堺さんがワクワクしながら楽しんでいる姿を率先して見せてくださいました。無意識かもしれませんが、周りも自然と「自分たちもそうあるべきだよね」と背中を押していただけるような環境を作ってくださっていました。とてもすてきな方だなと思います。いつも明るかったです。
Q:最後の質問 珠城りょうさんにとって「VIVANT」とは。
本当に挑戦の場でした。自分自身にとっても、「VIVANT」は冒険だなという感じがあります。社会現象になるくらい、いろんな方が見て注目してくださっているドラマで、自分もそれで知ってもらえました。第1シーズン、第2シーズンと参加できて、本当に素晴らしい時間を過ごさせてもらっています。
【担当:芸能情報ステーション】