福田康夫元総理 死去(90)「戦争を起こさない方策を日々考えていなければいけない」戦争体験者として語った「戦争を起こさない責任」とは

福田康夫元総理大臣が亡くなりました。90歳でした。
戦争体験者として「政治家自身が、戦争を起こさない方策を日々考えていなければいけない」と話していた福田康夫元総理。
親子二代にわたって中国に向き合い、一貫して「戦略的互恵関係」の深化や首脳対話、民間交流の重要性を訴え続けてきました。
2025年、戦後80年プロジェクト「つなぐ、つながる」でのインタビューで、「戦争を起こさない責任」について語っていました。
9歳で終戦 政治家としての歩みの原点は疎開先での戦争体験
9歳で終戦を迎えた元内閣総理大臣・福田康夫氏。
福田康夫元総理
「あんなね、惨たらしい戦争を」
政治家としての歩みの原点は、疎開先・群馬での戦争体験でした。
福田康夫元総理
「いつパラシュートで敵軍が来るかもしれない。そしたら竹槍で突こうじゃないかと、子ども心に考えたんです。小学校、5回か6回変わりました。疎開するとか。ある意味において戦争被害者じゃないかなと思っています」
中国とのパイプ 外交・環境問題への取り組み
父の福田赳夫氏は、総理在任中の1978年に中国との間で『日中平和友好条約』を締結。
当時、秘書官だった康夫氏は、父の『アジア重視の外交姿勢』を受け継ぎました。
自身が総理になった際には、10年ぶりとなる中国の国家主席の来日を実現させました。
総理就任後には、環境問題について中国に協力を呼びかけていました。
ーーー総理時代に腐心したのは?
福田康夫元総理
「当時、中国が遅れていたのは『エネルギー消費効率』でした。非常に遅れていたので、それについてはこちらから指摘をし、向こうも気づいてくれた。効率化のために日本がどう協力できるか相談に乗り、中国側も日本の協力姿勢を非常に良く理解してくれました。胡錦濤国家主席も『日本が善意を持ってやってくれている』という気持ちを、その通り受け止めてくれたと思います」
ーーーそのようなやり取りを中国側とできたのは何が良かったと?
福田康夫元総理
「それは人間と人間の信頼関係です。それは国家と国家の信頼関係です」
ーーー今はそういうパイプというのがなかなか築けていない?
福田康夫元総理
「残念ながらそういう印象はあります。これは日本側にも問題があるかもしれないし、中国側にも問題があるんだろうと思います。
双方で努力して国家関係を改善しようとしなければいけない。また国民同士が改善する意欲を持つように仕向けなければいけない。これは日本の外交の仕事だと思います」
戦争を起こさないために政治家は何をすべきか?
福田康夫元総理
「国と国が対立すると、国民の間にそれが広まっていくんですよね。時間が経てば経つほど、それが大きな輪になってしまうと、なかなかこれを修正するのが難しい。戦争なんかさせてはいけない、国民にね、というような思いを、その思いを政治家がしっかり受け止めて、政治家自身が戦争を起こさない方策を日々考えていなければいけない。そういう責任があるんじゃないでしょうか」