「一斉に殴りかかってきた」パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で相次ぐ暴力 イスラエル27日総選挙 暴力のない日常は…行方見つめるパレスチナ人たち【現地取材】
イスラエルではあす総選挙が行われますが、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ではユダヤ人入植者による暴力が相次いでいます。選挙で状況は変わるのか、取材しました。
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オリーブの収穫期を迎えたヨルダン川西岸。しかし、木々には収穫されないままの実が多く残されています。
「誰も収穫に来ることができないんだよ」
幼い時からこの地に暮らすパレスチナ人のムーサ・アビサイフさん。
21日、17歳の息子とともに収穫作業をしていたところ、突然、10人ほどのユダヤ人に取り囲まれたといいます。ムーサさんは、当時の様子を語ってくれました。
10人のユダヤ人に囲まれた、ヨルダン川西岸に住むパレスチナ人のムーサさん。
パレスチナ人 ムーサ・アビサイフさん
「1人はピストルを持ち、別の人はパイプを持ち、先端にくぎを打ち込んだ棍棒を持った人もいました。私を囲み、一斉に殴りかかってきました」
今も体には、生々しい傷跡が…。
襲撃したのは、近くの集落に暮らす入植者たちでした。
イスラエルの占領が続くヨルダン川西岸では、ユダヤ人が住宅を建てて住み着く、国際法違反の「入植」が進んでいます。
サメル・アブユニスさん。自宅の周囲には、入植者の襲撃から家族を守るため高いフェンスが張り巡らされ、防犯カメラも設置されています。
サメル・アブユニスさん
「このフェンスがなければ、10分おきに彼らが押し入って破壊行為をします」
しかし、守り切れなかったものもあります。
サメルさんは、およそ200頭の羊を飼育していましたが、入植者による妨害で水や電気が使えなくなり、すべての羊を手放したのです。
サメル・アブユニスさん
「絶望、後悔、挫折を感じています。収入源が完全に絶たれました」
国連によりますと、今月12日までのわずか2週間で、死傷者や物的被害を伴う入植者による襲撃は244件にのぼっています。
一方、ネタニヤフ首相は先月、暴力を起こしているのは「ごく一部の若者だ」と主張。入植拡大を掲げる極右政党と連立を組んでいます。
ネタニヤフ首相に対抗する野党『ヤシャル』のアイゼンコット氏は…
野党『ヤシャル』 アイゼンコット氏
「ヨルダン川西岸で起きているのは、イスラエル政府の庇護のもとで行われるユダヤ人によるテロだ」
入植そのものには賛成の立場をとりつつも、無認可の入植拠点への対応や、入植者による暴力の取り締まりを強化する考えを示しています。
ただ、イスラエルの人権団体は、政権が交代しても根本的な問題は解決しない可能性を指摘します。
『ベツェレム』広報担当 イエル・ドヴィール
「今回の選挙で期待できるのは政策の表面的な変化だけかもしれません」
サメル・アブユニスさん
「新しい政府が公正をもたらし、安全と平和をもたらすことを切に願っています」
暴力のない日常は戻ってくるのか。パレスチナ人たちは選挙の行方を見つめています。