盗撮増加 巧妙化する“カメレオンカメラ”の実態と対処法 子どもも被害に「違和感こそがキーワード」【THE TIME,】【追っかけTIME】

盗撮の検挙件数が、近年増加しています。警察庁によると、2021年には5019件だった検挙件数が、2025年には9237件と約1.8倍になっているのです。
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この背景には、カメラの小型化と巧妙化があります。日常生活に溶け込み、一目見ただけではカメラとは到底わからない“カメレオンカメラ”による被害が広がっており、子どもたちが標的になるケースも相次いでいます。
日常に潜む盗撮の危険、その実態と対策を取材しました。
「まさか… 」職場の男子トイレ、見慣れない芳香剤の中に
2026年10月6日、横浜市は放課後キッズクラブに勤務していた男性職員が、トイレで盗撮したとみられる男子児童の動画や画像を所持していたと発表しました。この事件では、40人以上の児童が被害にあった疑いがあります。
また、10月2日には福岡市で、中学校の男性教諭が生徒を盗撮しようとしたとして懲戒免職処分となりました。このケースでは、トイレットペーパーホルダーに小型カメラがテープで固定されているのを生徒が発見したということです。
別の事例では、日用品に偽装されたカメラが見つかっています。
スーパーの従業員として働いていた女性は、備品の確認のため男子トイレに入ったところ、普段は置いていない芳香剤が小便器の間に置かれていることに気づきました。
「『あれ?おかしいなこれ何だろう』と思って持ち上げたら、ちょっと違和感があったんです」
不審に思い芳香剤の蓋を開けてみると、親指の爪先ほどの大きさのカメラらしきものが中にガムテープで固定されていたといいます。「まさかそういうのがあるとは思ってなかったので」と、巧妙に隠されたカメラに衝撃を受けた様子でした。
日用品に偽装 超小型化する「カメレオンカメラ」
愛知医科大学の大橋渉准教授は盗撮被害が増加する一因を、「秘匿型カメラの高性能化が一番大きいと思っております。軽量コンパクトになってきた」と分析します。
原因の一つは、大きさだけではありません。置き時計、ライター、車のカギ、電卓といったごく普通の生活用品。しかし、これらはすべてカメラだといいます。
例えば、一見普通のライターに見える物も、後ろには小さなレンズが隠されており、探さないとカメラの存在には気づけません。
日用品に紛れ、風景に溶け込むカメラを、大橋准教授は「カメレオンカメラ」と呼んで警戒を促しています。
被害に遭わないために…どこをチェックする?
盗撮などの調査を行う株式会社エヴァーブルーの川瀬毅己氏は、「小型のカメラを先に仕掛けておいて、また後で回収に行く形が増えてます」と話します。
実際に、川瀬氏がカメラを1つ仕掛けたというトイレの個室。一見しただけでは、カメラを設置できるような場所は見当たりません。
カメラが仕掛けられていたのは、壁に貼られた注意書きのプレートでした。
「このネジにカメラのレンズが入ってます」プレートを固定しているネジの一つが、カメラになっていたのです。本物のネジと見比べても全く違和感がありません。
川瀬氏によると、ほかにも壁に付いているフックや電化製品のアダプターなど、目に見えているものすべてにカメラが仕掛けられている可能性があるといいます。
さらに、掃除が行き届いていないトイレは特に注意が必要だと指摘します。「ごみが置きっぱなしにされている場合に、ごみをカモフラージュとして、その中にカメラを仕込んでいることもありえます」
「違和感こそがキーワード」もしカメラを見つけたら?絶対にやってはいけないこと
日常に溶け込む“カメレオンカメラ”。気づくためにはどうすればよいのでしょうか。
大橋准教授は「違和感こそがキーワードだと思います」と語ります。トイレなどに入った際には「10秒間、周りに変なものがないか、あった場合にそこに穴がないかをチェックする」ことを推奨しています。
もし不審なカメラを見つけた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。大橋准教授は、絶対にやってはいけないことがあるといいます。
「発見した場合ですけど、基本的にはのぞき込まないでください。カメラの向こう側でリアルタイムで加害者が見ている可能性があります」
さらに、犯人の指紋を消さないためにも、カメラには直接触れず、速やかに警察に通報することが大切だということです。
手口が巧妙化し、私たちのすぐそばに潜む盗撮の危険。日頃から「何かおかしい」という違和感を大切にし、もしもの際には冷静に対応することが求められています。