【スペイン列車事故】死者68人・けが180人超、名簿に日本人2人 時速40キロ指示なく200キロで激突か…システム不具合の謎【Nスタ解説】
スペイン中部で高速鉄道の列車同士が衝突し、少なくとも68人が死亡した事故。乗客名簿に日本人2人の氏名があったことがわかりました。
【写真で見る】名簿に日本人2人の氏名“スペイン列車事故” 現場の様子
スペインで列車衝突 名簿に日本人2人の氏名
井上貴博キャスター:
日本の新幹線システムだと考えづらい事故が、スペインで実際に起きました。
海外メディアによると、スペイン高速鉄道は1992年、セビリア万博に合わせて開業しました。総延長が約4000キロで、日本の新幹線の総延長3200キロよりも長い鉄道です。
総延長は世界で見ると1位が中国、2位がスペインで、スペインは高速鉄道をかなり長く走らせていることがわかります。
2025年の乗客数は4450万人で、1日あたり約12万人ということです。
この高速鉄道はマドリードからセビリアまで通っていますが、その間の、マドリードから150キロくらい離れたウルダという場所で、今回の事故が起こりました。
現地予約サイトによると、首都マドリードからセビリアまでは1日約28便出ています。追突現場の写真からは、後続車両が相当なスピードでぶつかったことが推察でき、国鉄・民間列車ともに少なくとも3両は脱線していて、大きな被害が広がったことがわかります。
最新の情報では、68人死亡で180人以上けが。日本人2人の氏名が乗客名簿にあったということです。
自動で止まるはずが…システム故障か、人為的な事故か
井上キャスター:
事故はなぜ起きたのでしょうか。まだ調査中ですが、現時点でわかっていることをまとめます。
海外メディアによると、28日午前8時30分、安全システムに不具合が検出され、少なくとも6本の列車が停止しました。そして、その6分後の8時36分ごろ、指令センターが後続の列車を再発進させました。
なぜ再発進させたのかは現時点でわかっておらず、再発進させたとしても、基本的には自動列車停止装置により、近づいたら止まるはずです。しかし止まらなかったので、このシステムも故障していたのか、それとも人為的に何かがあったのか。このあたりもまだわかっていません。
なお、この2つの列車の距離は25キロで、東京駅~市川駅くらいの相当な距離だったということです。時速200キロほど出ていたのではないかといわれていますが、相当な衝撃だということがわかると思います。
国鉄「レンフェ」8両編成には378人、民間列車「イリョ」基本編成8両には152人が乗っていました。
日本の新幹線システムでは、まずこのような事故は起きないと専門家も話します。なぜこのようなことが起きたのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
ATS(自動列車停止装置)は万国共通で、ある程度の距離が近づいたら止まるというシステムです。おそらくシステムが作動しなかったのか、そのシステム自体を切っていたのかのどちらかではないでしょうか。
スペインはデジタル化が相当進んでいますが、アナログ的な部分に落とし穴があったのかどうかです。
出水麻衣キャスター:
2026年1月にも事故があって多くの方が亡くなっているので、そのような事故があったうえで点検体制に問題がなかったのか、疑問が残ります。
井上キャスター:
素人目からはサイバー攻撃などの可能性はどうかと思ってしまいますが、外からハッキングするのはなかなか考えられないようです。
なぜ事故に? スペインの運輸大臣がコメント
海外メディアによると、プエンテ運輸大臣は次のように話しています。
プエンテ運輸大臣
「列車の指令センターは障害物に遭遇した際停止できるよう、常に時速40キロ以下の『目視運転』を求めるべきだったが、指示しなかった」
二重、三重に落ち度があったのかもしれません。
スペインにおける高速鉄道は大動脈で人命に関わることなので、その安全性についてまとめました。
【スペインの列車の脱線や衝突など事故件数】(海外メディアによると)
▼2025年:69件
▼2024年:57件
▼2016年:45件
【スペイン高速鉄道網の予算】(海外メディアによると)
▼2018年~22年:平均15億ユーロ/年(約2625億円)
→うち保守・取り換え約16%
こういった事故件数をどう考えるのか、そして整備の予算などをどう増やしていくのかということなのかもしれません。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
スペインの高速鉄道は、日本の新幹線みたいに完全に別建てにはなっておらず、民間も国鉄も両方通っています。そういう意味では交差しているので、危険性は高いのかもしれません。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ福島県出身