猫が突然死してしまう『心筋症』ってどんな病気?原因や症状から早期発見の重要性も解説

2026-11-07 17:00

猫は見た目には元気そうでも、気づかないうちに心臓の病気が進行していることがあります。なかでも「心筋症」は、重症化すると心不全や血栓塞栓症などを引き起こし、突然命に関わる状態になることもある病気です。今回は、猫の心筋症がどのような病気なのか、原因や症状、早期発見の重要性について解説します。

猫の『心筋症』ってどんな病気?

眠っている猫

心筋症とは、心臓の筋肉である「心筋」に異常が起こり、心臓の構造や働きに影響が出る病気の総称です。

猫ではいくつかのタイプがみられますが、代表的なのが「肥大型心筋症(HCM)」です。主に左心室の筋肉が厚くなることで心臓が十分に広がりにくくなり、血液を取り込みにくくなります。

病気が進行すると心臓内の圧力が高まり、肺水腫や胸水などを伴う心不全につながることがあります。また、心臓内で血液が滞ることで血栓ができ、それが血管を詰まらせる「動脈血栓塞栓症」を起こす場合も。

ただし、肥大型心筋症と診断された猫がすべて重症化するわけではありません。症状がほとんどないまま長期間過ごす猫もいるため、病気の程度を検査で把握することが重要です。

猫が心筋症になる原因

メインクーン

猫の肥大型心筋症では、はっきりした原因を特定できないことも少なくありません。一方で、遺伝的な要因が関係するケースがあり、一部の猫種では発症との関連が知られている遺伝子変異も確認されています。メインクーンやラグドールは、その代表的な猫種です。

そのほかの純血種や雑種でも発症するため、「特定の猫種だけの病気」と考えることはできません。

また、甲状腺機能亢進症や高血圧などによって、心臓の筋肉が厚くなることもあります。そのため、心筋の肥厚が見つかった場合は、背景に別の病気がないか確認することも大切です。

猫の心筋症でみられる症状

口呼吸する猫

猫の心筋症は、初期には目立った症状がみられないことがあります。普段どおりに食べたり遊んだりしていても、心臓に異常が隠れていることも。病気が進行すると、次のような変化がみられることがあります。

  • 安静時でも呼吸が速い
  • 呼吸が苦しそう
  • 元気がなく、動きたがらない
  • 食欲が低下する
  • 隠れて過ごす時間が増える
  • ふらつく、失神する
  • 後ろ足が突然動かなくなる

ただし、これらは心筋症だけにみられる症状ではありません。症状だけで病気を判断することはできないため、異変があれば獣医師による診察が必要です。

特に、口を開けて呼吸している、明らかに息苦しそう、突然後ろ足を動かせなくなったといった場合は緊急性があります。様子を見ず、速やかに動物病院へ連絡してください。

猫の心筋症は早期発見が重要

聴診を受ける猫

心筋症は、症状が現れる前に健康診断などで見つかることがあります。早い段階で把握できれば、心臓の状態を定期的に確認し、必要に応じた管理につなげられます。

定期的な健康診断を受ける

動物病院の聴診では、心雑音や不整脈などが見つかることがあります。ただし、心筋症があっても聴診上は明らかな異常がみられないケースがあります。

心筋症が疑われる場合に重要となる検査のひとつが、心臓超音波検査です。心筋の厚さや心臓内部の大きさ、血液の流れなどを確認でき、心筋症の診断や状態の評価に役立ちます。

血縁の猫に心筋症がいる場合や、心筋症との関連が知られている猫種では、検査を受けるタイミングについて獣医師へ相談するとよいでしょう。

自宅で安静時の呼吸を確認する

自宅でできる健康チェックとして、眠っているときや十分にリラックスしているときの呼吸を観察する方法があります。

胸やお腹の上下を見ながら呼吸数を記録しておくと、「いつもより明らかに速い」といった変化に気づきやすくなります。大切なのは、その猫自身の普段の状態を知っておくことです。

呼吸がいつもより速い状態が続く、胸やお腹を大きく使って苦しそうに呼吸するなどの変化があれば、早めに動物病院へ相談してください。

早期発見を適切な管理につなげる

肥大型心筋症は、状態によって経過や必要な治療が大きく異なります。症状がなく心臓の変化も軽度であれば、定期的な検査で経過を観察する場合があります。一方、心不全や血栓塞栓症のリスクが高いと判断されれば、治療が必要になることもあるでしょう。

心筋症と診断されたからといって、すべての猫に同じ薬や治療が必要になるわけではありません。検査結果をもとに、獣医師と相談しながらその猫に合った管理を続けることが大切です。

まとめ

くつろぐ猫

猫の心筋症は心臓の筋肉に異常が起こる病気で、なかでも肥大型心筋症は代表的なタイプです。初期にはほとんど症状がみられないこともありますが、進行すると心不全や動脈血栓塞栓症などを引き起こし、突然命に関わる状態になる場合があります。

特に、口を開けて呼吸する、明らかに息苦しそうにしている、後ろ足が突然動かなくなったといった症状は緊急性が高いため、すぐに動物病院へ連絡してください。

一方で、心筋症と診断された猫がすべて重症化するわけではありません。定期的な健康診断を受け、普段の呼吸や行動を観察しておくことが、異変の早期発見につながります。

気になる変化があれば自己判断で様子を見続けず、獣医師へ相談して適切な検査や管理につなげましょう。

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