「新じゃが」と聞くと、限られた時期にしか収穫できない作物に思えます。
実際のところ、新じゃがが採れる時期は長いものです。
北海道や九州といった気候の違う地域で栽培されているため、長期に渡って新じゃがは収穫されているのです。
そこで今回は、地域ごとに異なる新じゃがの収穫時期について解説します。
地域によって新じゃがの採れる時期は違う!
![](https://fundo.jp/wp-content/uploads/2021/04/sinjaga2.jpg)
じゃがいもというと北海道のイメージが強くあるかもしれませんが、九州でも栽培されています。
そして、この「新じゃが」は九州と北海道で収穫時期が異なってきます。
九州における新じゃがの採れる時期
一般的に「新じゃが」と言われるのは、九州やその周辺地域でとれたものを指します。
特に、長崎県や鹿児島県のものが多いとされています。
これらの地域では、冬の間にじゃがいもの作付けを行い、3月~6月にかけて収穫します。
新じゃがと呼ばれるのは、この時期に収穫されるじゃがいもの事になります。
ちなみに、初秋に植えて晩秋に収穫する秋作もあります。
他にも10月以降に植えて冬に収穫する冬作もあります。
九州は温暖な地域のため、二期作・三期作が可能です。
なお、九州の新じゃがは小ぶりで瑞々しく新鮮とされています。
北海道での新じゃがの採れる時期
一年を通して市場に流通している「じゃがいも」というと、北海道のものが多いです。
実際、日本で流通しているじゃがいもの75%以上北海道で生産されています。
その北海道産じゃがいもの中でも、4月~5月に作付けして7月に収穫するものが「新じゃが」になります。
雪が積もる北海道は、基本的に一基作となります。
九州のように、年に何度も作付けすることはできません。
全国で作られているじゃがいもですが、実は寒い場所を好む野菜です。
そのため、北海道の環境は非常に適しており、だからこそ収穫量のほとんどを北海道産のものが占めているのです。
普通のじゃがいもと新じゃがは何が違う?
![](https://fundo.jp/wp-content/uploads/2021/04/sinjaga3.jpg)
では、新じゃがと普通のじゃがいもは何が違うのでしょうか?
ここからは両者の違いについてまとめます。
出荷までの期間の違い
一年を通して食べられる「じゃがいも」は、収穫したてのものを出荷しているわけではありません。
じゃがいもは、保存が効く作物なので、貯蔵しておき随時出荷されるのです。
しかし、「新じゃが」は違います。
新じゃがは貯蔵されず、すぐに出荷されます。
この違いは、「新じゃが」が完熟させていない状態で収穫しているためです。
新じゃがは水分が多いので、保存が効きません。
また、皮も薄いので保水能力も低いのです。
そのため、収穫されたものはすぐに出荷されます。
ちなみに、通常のじゃがいもが保存が効くのは完熟しているためです。
完熟し、皮も厚くなった状態で収穫したじゃがいもは、適切な環境においておけば保存の効く野菜となるのです。
食感や味わいの違い
新じゃがは、普通のじゃがいもに比べて皮が薄いです。
そのため、皮ごと食べてしまっても問題はありません。
皮には、野菜の栄養がふんだんに含まれています。
新じゃがは水分も多いため、素材そのままの食感が楽しめます。
普通のじゃがいもは逆にほくほくとした食感が強いです。
煮物などにしても煮崩れしづらく、深い味わいも感じられます。
どちらも美味しいことには変わりませんが、まるで違う食材の様です!
新じゃがの保存には気を付けて!
![](https://fundo.jp/wp-content/uploads/2021/04/sinjaga4.jpg)
新じゃがは、普通のじゃがいもと比べて長期保存できません。
ここからはそんな新じゃがの保存について見ていきましょう。
普通のじゃがいもほど長期保存に向かない
新じゃがは、水分が多くて発芽しやすい特性があります。
そのため、普通のじゃがいもほど長期保存には向いていません。
できれば、購入後にすぐ食べてしまうのがおすすめです。
短期間の保存の場合は、冷暗所に置くのが最適とされています。
発芽していたら要注意!
新じゃがに限らず、じゃがいもが発芽していたら注意が必要です。
そのまま食べると、ピリピリとした刺激を感じるかもしれません。
特に喉に違和感を覚える方が多いとされています。
これはじゃがいもの芽に含まれる「ソラニン」という成分の影響です。
ソラニンは、芽に含まれる毒です。
実際に芽を取らずに食べて、食中毒を起こした事例もあります。
もし発芽していた場合は、必ず芽取り作業をしていてください。
発芽していなくても、皮の色が緑がかっていたら要注意です。
また、日光に当たると発芽しやすくなります。
だからと言って、冷蔵庫で保存するのもおすすめできません。
冷蔵庫の中というのは、意外かもしれませんが乾燥しています。
そうすると、新じゃがの豊富な水分が失われてしまいます。
もしどうしても保存しなければならない場合は、新聞紙に包んでおくといいでしょう。
まとめ
新じゃがは、九州や北海道などで収穫される時期が異なります。
九州では、冬の間に作付けして、3~6月に収穫されます。
北海道の場合は、7月ごろに収穫するものが新じゃがとなります。
この新じゃがは、普通のじゃがいもに比べて水分が多いです。
そのため、長期保存には向きません。
なので、新じゃがはもらったり購入したらすぐに食べてしまうのがよい、という事です。