英国に、高齢者施設に住み、入居者からもスタッフからも愛されている猫がいます。毎日施設内を見回って人々の様子を確認するこの猫は、きっと自分を「施設長」だと思っているに違いありません。
ケアホームに常駐する猫
英国のWorcestershire郡Malvernにある「Friends of the Elderly Malvern」は、高齢者住宅と介護・認知症ケアホームを兼ね備えた、お年寄りのための施設です。
この施設にはTwinkleという名の猫が常駐しています。長毛種のトラ猫で、ここに4年以上も住んでいます。
「このケアホームでは、猫は家族の一員です」というのは、施設長のJo Bennettさんです。
「Twinkleは、ここの住民たちと交流するのが大好きです。おやつがもらえる場合はとくに熱心ですね。面白いことに、いつもお食事タイムの直前にみんなの前に現れます。食堂からのおいしい香りに敏感なのでしょうね」
Twinkleはケアホームの居住者全員と仲良しです。あちこち見回りをして、みんなが元気かどうか確認するのがこの猫の日課になっています。
認知症の人々に「笑い」を
「とくに、最近レスパイト・ケアでやってきた人のことが好きなようです。その男性のそばではしゃぎ、一緒に仲良く過ごしています。男性が猫好きなことが、なぜわかったのでしょうか。今では大の親友同士になっています」というのは、活動コーディネーターのLaura Smithさんです。
「認知症の人々がこの猫と遊ぶと、表情が明るくなって笑うようになるのです。Twinkleはみんなに喜びと幸せをもたらしているのですね」と彼女はいいます。
Twinkleは、おだやかで落ち着いた性格の猫です。自分がこの施設を経営していると考えているに違いありません。
「ケアホームのボスは自分だと思っているのです。時間どおりに餌がもらえなかったり、好きな餌が十分にお皿に入っていなかったりすると、声高々に抗議してきます。とくに餌やり担当のスタッフに対しては『今すぐくれニャいと、怒るぞ!』ときびしく文句をいいますね」と笑うLauraさんです。
コミュニケーション上手な猫
就寝時間になると、Twinkleは事務室の椅子やラウンジのピアノのそばで丸くなって休みます。
この猫は施設長としての自分の仕事を真剣にとらえており、雨降りでなければ、ケアホームとその敷地を毎日パトロールしています。
一般に猫はコミュニケーションが上手で、好きな相手にはさまざまな方法で気持ちを伝えてきますが、Twinkleも同様です。
「この猫は、出会う人みんなに愛情や信頼の気持ちを示し、友情を表現します。軽く頭突きをして気をひいたり、尻尾をぴくぴくと動かしたり、人の足元に丸まってゴロゴロ喉を鳴らします。ラウンジの床に大の字になってお腹を見せ、抱っこを要求したりもしますね。もちろん、必ずだれかが抱っこしてあげるのです」とJoさん。
Lauraさんも「この猫がいることを、とても幸運だと思っています。立派なスタッフの一員として、同僚たちだけでなく入居者みんなから愛されていますよ」と付け加えてくれました。
出典:Twinkle the cat is a little star at Friends of the Elderly Malvern
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