猫らしいかわいい仕草のひとつに「顔を洗う」というものがあります。前足を舐めてそれで顔を拭うのです。ごはんを食べた後で、よくこの行動が見られますね。猫が食後に顔を洗うのには、猫ならではの理由がありました。
1.においを残したくない
猫がごはんを食べた後に必ずといっていいほど顔を洗うのは、口の周りなどに食べもののにおいが残っているからです。
野生の猫は小動物などの獲物を捕らえて食べていました。そうすると、どうしても獲物の血などで顔が汚れてしまいます。
汚れが残っていると、においで外敵に見つかりやすく、また獲物にも気づかれて逃げられてしまいます。虫が寄ってくることもあるでしょう。そのため、猫は食事のにおいを取り除こうと顔を洗うのです。
室内でキャットフードを食べている猫にはあまり関係ないように思えますが、狩りをして生きていた野生時代の名残で習慣になっているのでしょうね。
水分を含んだウェットフードの方が汚れやすいため、ドライフードよりもウェットフードを食べた後の方が顔を洗うことが多いようですよ。特にきれい好きな猫は、顔だけでなく全身の毛づくろいもするようです。
2.皮膚トラブルの予防
ごはんを食べた後の口周りの汚れは、そのままにしておくと、においが残るだけでなく、皮膚のトラブルを起こしかねません。そのため、食後には、きれいに顔を洗って皮膚の健康を保っているのです。
猫の毛づくろいには、体を清潔に保つだけでなく体温調節などの意味もあります。こまめに全身を舐めてグルーミングをするので、その一環で食後に顔を洗うことも考えられます。
3.ヒゲを整えている
ごはんを食べていると、ヒゲが汚れてしまうことがあります。猫にとってヒゲは、センサーの役割を担ったり、バランス感覚を保つために必要な、とても大切な器官です。
ヒゲが汚れてしまっては、生活に支障が出るかも知れません。そのため、食後は顔を洗うことで大切なヒゲをお手入れしているのです。敏感な器官であるからこそ、ちょっとの汚れも気になるのかも知れませんね。
こんな時は要注意
猫が顔を洗うのは、きれい好きな猫らしい習慣からでした。でも、もしあまりにも頻繁に顔を洗っていたら、目にかゆみや痛みなどトラブルを抱えているかも知れません。顔を洗うというより、目の辺りをこすっていたら、まぶたが腫れていないかチェックしてみましょう。
また、猫はストレスを抱えている時も過剰にグルーミングをすることがあります。心当たりがある場合は、ストレスの原因となるものを取り除いてあげましょう。
様子がおかしいと感じたら、動物病院で診てもらって下さいね。
まとめ
猫が顔を洗う様子は、本当にかわいくて癒されますね。ごはんの後で満足そうに顔を洗っている姿を見ると「おいしかったのかな」と嬉しくなります。
食後に顔を洗う行為は、猫にとっては大切な習慣です。ついつい構いたくなることもあると思いますが、猫が念入りに顔を洗っている時は、そっとしておいてあげましょう。
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