犬に必要な散歩をする際に、まず考えるのが「平均どれくらいの時間散歩をしたらいいのだろう?」という疑問だと思います。このような疑問の答えとしてよく見聞きするのが、小型犬なら15〜20分、中型犬なら20〜30分、大型犬なら30〜60分、超大型犬なら60分以上を1日2回は行ないましょう、というものではないでしょうか。これは大体の平均時間の目安なのはもちろんですが、そもそも犬の散歩をするにあたっては平均時間よりも「質」を考えてほしいのです。どんなに長い時間散歩していても質が悪ければそれは意味がありませんし、逆にどんなに短くても良質な散歩ができていれば犬の気持ちも満たされやすくなります。
犬の散歩の平均時間を考える必要はない
飼い主さんが「犬の散歩ってどれくらいしたらいいんだろう?小型犬だと15分?長くても30分とか?大型犬だと1時間だと少ない?」と考えるのは、愛犬を想っているからこそですよね。ただその想いを使うところは、散歩にかける時間ではなく、もっと散歩の中身の方にシフトしてほしいと思うのです。
例えば、小型犬で15〜20分、長くても30分程度散歩をしてあげましょうという情報を見聞きしたとします。
このような情報は探せばたくさん出てきますが、単純に「これくらい歩いたら運動になると思うよ」という平均的な目安の時間に過ぎません。実際お散歩がとても好きな犬であれば、小型犬であっても1時間は軽く散歩を楽しむ場合もありますし、そのような犬は少なくありません。
一方で、散歩はあまり好きではなくてすぐに帰りたがる犬もいます。そのような場合であれば、たとえ大型犬であっても5分もたたずに家に帰るでしょう。だからといって「せめてこれくらいは歩きなさい!」と強制してしまうのは、犬の気持ちを無視したただの拷問になってしまうので、決してやるべきことではありません。
大事なのは犬が楽しむことですから、なおさら時間の長さではなく、質を重要視するべきです。
犬の散歩で大事なのは時間よりも1回の質
犬の散歩で大事なのは、先述したように時間ではなく中身、つまり散歩の質です。
散歩の質とは、犬がリラックスして地面や草木・空気の匂いを楽しみながら歩いたり、お気に入りの場所でくつろいだりできる、というようなものです。
たとえ30分歩いたとしても、匂い嗅ぎをさせてもらえない、行きたい場所に行けない、止まりたいときに止まれずただ指定された場所を歩かされるというのは決して楽しい時間とは言い難いでしょう。
しかし、リーシュを緩やかに持ち、周囲や犬自身の安全を確保したうえで好きなように散歩を楽しんでもらう形であれば、たとえ10分や15分であってもその犬にとって満足感の高い散歩であると考えられます。
そのうえで、犬がまだ散歩したい様子で飼い主さんの時間が許せばもっと楽しむのもいいですし、もうそろそろ帰ろうということであれば犬に声をかけながら帰路へ向かいましょう。
犬の心を満たすための良質な散歩の仕方
良質な散歩は、犬の心を満たすことが何よりも大切です。ただ外を歩かせればそれでいいのではなく、さまざまな刺激を感じて楽しむことが散歩の目的ですのでそれを忘れてはなりません。
では、犬の心を満たすための良質な散歩の仕方とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
まず、装着する首輪やハーネスが犬にとって心地の良いものを選んであげてください。装着したときに固まって動かなくなったり、体や首を振って心地悪そうにしていたらより軽く可動域を阻害しないものを検討しましょう。
そのうえで装着すること自体にストレスを感じているようであれば、装着を受けれいてくれる練習をするのも大事です。
そして、ハーネスや首輪を問題なく装着できるようであれば、次はリーシュの握り方を意識してみてください。
リーシュは犬を引っ張ったり引きずったりするためのものではなく、犬をサポートするためのものですからピンと張る必要はありません。垂れ下げて『し』の字になるようにして持ち、犬を引っ張ってしまわないようにします。
リーシュを張るということは、それだけで犬の体に緊張状態を与えることになりますので、愛犬にリラックスして散歩してほしいのであればリーシュを張ってはいけません。
犬を止めなければ行けない場合は張ることになるのですが、それでも引っ張って止めるのではなく、膝をクッション機能のようにして衝撃を吸収しながら止まる…というようにします。
このように「弛むと止まる」というリードワークに近づけると、良質な散歩のサポートがしやすくなるので、ぜひリードワークを実施しているドッグトレーナーにレッスンを受けてみてください。
まとめ
犬に満足してほしいがゆえに、散歩に使う時間はどれくらいが適当なのかを考えてしまいがちですが、大事なのは時間ではなく、犬がどれだけ楽しむことができたかという散歩の質です。
どんなに長い散歩時間でも犬にとって楽しい散歩でなければ意味がありませんし、逆に短い時間でも犬の行きたい場所や匂い嗅ぎを楽しませて尊重できていれば良質な散歩になります。
どんなときも犬の気持ちを最優先に考えて、犬がどうしたら楽しめるかを工夫しながら、ひとつひとつ飼い主としてのスキルを高めていってください。
関連記事
・犬が空腹(お腹がすいている)のときによく見せる5つのサイン
・犬が飼い主にお尻をぶつけてくる理由とは?5つの心理を解説
・犬のトレーニングで絶対やっていけないNG行為5選
・家族のマッサージを『いじめ』と勘違いした犬…まさかの『お父さんを成敗する姿』が196万再生「可愛すぎるw」「素敵な家族」と大絶賛の声
・犬が『信用していない人』にする行動4選