おやつは猫の楽しみですが、与え方を誤ると健康を損なうリスクがあります。では間違ったおやつの与え方とは、どのような場合をいうのでしょうか?またそれによるトラブルや影響は、どのようなものがあるのでしょうか?
猫の『間違ったおやつの与え方』3つの悪い例
1.おやつを与えすぎる:肥満のリスク
猫に「たくさんおやつを与える」のは、間違ったおやつの与え方といえます。
というのもおやつは猫にとって楽しみの一つですが、与え方を間違えると肥満の原因になるからです。
肥満は猫の体に多くの負担がかかり、糖尿病や関節の問題など、さまざまな健康トラブルを招きます。もちろん、結果として猫の寿命を縮めることに…。
したがっておやつを与えるときは適量を守って、猫の栄養バランスを崩さないようにしなければいけません。
2.人間のおやつを与える:中毒などの危険性
人間の食べ物を与えるのも、間違った与え方です。とくにチョコレートや玉ねぎ、ブドウなどは、猫に有害であるので要注意。
ものによっては少量でも中毒症状があらわれる場合があるので、危険な食材が使われるおやつは絶対にさけてください。
中毒症状は摂取したものにもよりますが、嘔吐・下痢・けいれんのほか、最悪の場合は死に至ることもあるので、猫用の食べ物以外を口にしてしまった時は、すぐに動物病院に相談するか、症状が出ている場合はただちに受診してください。
また塩分が多い食べ物や、脂肪分が高いものも猫の体に負担をかけ、消化管だけでなく、腎臓や心臓のトラブルを引き起こす原因となります。
人間の食べ物は短期的には猫が喜ぶかもしれませんが、長期的にみれば、先述したような健康問題が生じる可能性が高くなるでしょう。
そのため、おやつは必ず猫用のものを選ぶことが鉄則です。
3.おやつに依存しすぎる:栄養の偏り、問題行動など
猫におやつを与える際は、「おやつに依存しすぎない」ことも大切です。
依存するというのは、たとえば猫のおやつ要求に応えすぎる・日常的に猫の行動をおやつでコントロールする・罪悪感や不安を紛らわせるためにおやつを使うといった与え方です。
このように頻繁におやつを与えすぎると、猫がフードを食べなくなり、栄養不足になるリスクがあります。
とくにおやつの美味しさに慣れてしまうと、猫は主食を拒否し、おやつばかりを欲しがるように…。これにより栄養バランスが崩れ、健康を損ってしまうかもしれません。
また猫自身もおやつ欲しさに、攻撃的になったり無駄鳴きが目立つようになったりする場合もあります。
このように、おやつに依存する行動は一時的には猫との関係を良好に保つように思えますが、長い目で見るとさまざまな問題を引き起こす原因です。
そのため、おやつはあくまでも「嗜好品」として、正しい与え方で与えなければいけません。
猫への正しいおやつの与え方は?
猫への正しいおやつの与え方については、以下のポイントを押さえましょう。
量を控えめに
おやつは与えすぎず、1日の総カロリー摂取量の20%以下に抑えましょう。
肥満気味の猫は20%でも多いので、体型や持病を踏まえておやつ量を調整しましょう。
頻度を適切に
おやつの頻度は、最大でも1日2~3回程度に制限します。
普段の生活やコミュニケーション上おやつが不要なのであれば、3日に1度程度で十分です。
タイミングに注意
食事の直前は避け、食事の合間でおやつのタイミングをとりましょう。
また、イタズラしたタイミングでおやつで気を紛らわせようとすると、イタズラしたらおやつがもらえる、と勘違いする可能性があるので、猫のイタズラや催促とは関係のないタイミングで与えるようにしましょう。
猫用のおやつを選ぶ
人間の食べ物は避け、猫専用のおやつを与えましょう。
栄養バランスを考慮
できるだけ、動物性タンパク質を主成分とするおやつを選びましょう。
年齢や健康状態に合わせる
猫の個体差を考慮し、適切なおやつを選びましょう。与える量も、猫のライフステージに合わせるのがベスト。
尿石症や糖尿病など食事管理が必要な持病がある場合は、与える前に必ず主治医に確認し、おやつを与えていいのか、与える場合に食べていい物を確認しておきましょう。
新しいおやつは少量から
アレルギーや食物不耐症など食べ物との相性の良し悪しに注意しながら、最初はごく少量のみ与え、猫の反応を見て徐々に増やしていきましょう。
おやつ以外のコミュニケーションも大切に
おやつの時間だけでなく、遊びや触れ合いなど、多様な方法で猫に愛情を表現しましょう。
まとめ
おやつは確かに猫との絆を深める方法の一つですが、間違った与え方をすると健康や行動に悪影響を及ぼす可能性があるので、その与え方には十分な注意が必要です。
肥満、問題行動、栄養バランスの乱れなど、今回紹介したように「悪いおやつの与え方」による体へのリスクがいくつもあります。
そのため飼い主は、猫への正しいおやつの与え方を心がけ、愛猫の健康と幸せを守るよう努めなければいけません。
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