中国「独身の日」に横行する“悪質返品” 短期間着用の「羊毛党」に企業は「巨大タグ」「南京錠」で対抗【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-11-11 20:09

11月11日は、中国では「独身の日」とされ、ネット通販の大規模セールが恒例イベントとなっています。
ただ、大量に商品が売れる一方で、ある問題が浮き彫りとなっています。

【写真で見る】あなたは着られる? 「巨大タグ」つきの衣料品

タグを外さず着用→返品 “タダ得”狙いの消費者も

高柳光希キャスター:
「独身の日」のセールは中国全体で行われるのでかなり規模が大きく、2024年の販売額は約30兆円だといいます。

大手サイトによるとジャンルは40以上、カテゴリーも1000以上と、かなり多岐にわたっています。

たとえば約6万円のワンピースは約3万円に、約35万円のペットは約30万円に値下げ。さらに航空券(国内移動)は、約4万円から約5000円にまで値下げされることもあるようです。

ただ、大量購入される一方で問題になっているのが商品の返品です。

返品率は2019年が約20%、2021年が約47%と、年々上がっています。2024年のある情報によると、約60%が「独身の日」などの大型セール時に返品をしたことがあるそうです。

このように商品の返品が相次ぐなか、さらに問題があります。

クーリングオフのようなシステムが中国にもあるようで、タグ付きのまま短期間着用し、そのあとに返品してしまう消費者もいるということです。

こうしたタダ得狙いの消費者を、中国ではネットスラングで「羊毛党(ようもうとう)」と呼ぶそうですが、どのような問題になっているのでしょうか?

上海支局長 高田裕介 記者:
たとえば、パーティーが翌日にあるとします。それに向けて新しいドレスを購入し、パーティーに着て行って、翌日パーティーが終わったら返品。

こうすると7日以内なのでお金がかからず返品できるため、制度を悪用する方も中にはいます。

企業も返品対策 “巨大タグ”に南京錠まで

高柳キャスター:
企業側も、悪質な返品を防止するため、物理的にタグを大きくする対策を行いました。

たとえば、女性の背中が隠れるくらいにタグを大きくし、中国語で「外したら返品も交換もしません」という文言が6つほど書かれています。

しかし一部情報機関によると、この巨大タグではなかなか効果がなかったそうです。

そこで次に考えたのが、ファスナー部分にダイヤル式の南京錠をつけ、物理的に使いづらくする対策。ECサイト上で取引完了ボタンを押さないと、番号は教えてもらえず、南京錠が取れないことになっています。

出水麻衣キャスター:
お店側からすると、結構コストがかかりますよね。

井上貴博キャスター:
ここにコストを投入するなら、返品のルールをもう少し厳しくすれば済む話な気もしますが…。

2025年の傾向は? 政府からは買い替え促進の補助金

高柳キャスター:
2025年の「独身の日」はどのような傾向にあるのでしょうか?

上海支局長 高田 記者:
2025年は本当に財布が“冬眠状態”で、紐が固くなっているなという印象です。

政府としても買い控えはやはり避けたいところで、買い替え促進の補助金を出すなど、できるだけ多くの買い物を促す政策をとっています。

その補助金は2025年の1年で3000億元、日本円では6兆円という巨大な金額です。

井上キャスター:
日本では「財源がない、財源がない」と言っているなかで、6兆円は驚きです。

買い替えの補助金とは、買い替えを証明すれば政府から補助金が出るということなのでしょうか?

上海支局長 高田 記者:
すべての製品が対象ではないのですが、たとえば車なら最大30万円分だったり、冷蔵庫なら4万円分だったり、基本的には大きな買い物に補助金がつきます。

出水キャスター:
裏を返せば、中国の今の経済が冷え込んでいるとも言えるのでしょうか?

上海支局長 高田 記者:
「独身の日」のセールが始まった当初は11月11日の1日だけでしたが、年々延びてきていて、2025年は10月15日から1か月ぐらいセールをしています。

できるだけ長いセール期間で、たくさん買ってもらおうと、ネットの通販会社なども行っているようです。

井上キャスター:
中国経済は冷え込みつつあるといわれますが、それでもやはり桁が違うなという感じがします。

令和ロマン 松井ケムリさん:
こうやって勝手に返品してしまっていたら企業も大ダメージで、結局それは消費者に回ってくることだと思います。

日本にも何か影響がありそうですし、そう考えると、長い目で見てモラルを持って買い物してほしいですよね。

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<プロフィール>
高田裕介
2025年8月から上海支局長
中国・深センで若者貧困問題を取材

令和ロマン 松井ケムリさん
お笑い芸人
1993年生まれ 慶應義塾大学法学部卒業
M-1グランプリ2023・2024 史上初の連覇達成

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