【獣医師が解説】口の中の黒いシミ、実はイボかも?犬の「口腔内ウイルスイボ」に要注意
犬の口の中に黒いシミのようなものを見つけたことはありませんか。最近の報告では、単なる色素沈着(いわゆるシミ)だけでなく、ウイルスによるイボが報告されています。この記事では、犬の口の中にみられる黒いシミの正体と、ウイルス性イボ(ウイルス性プラーク)、さらに気をつけるべき腫瘍・がんの特徴について解説します。
犬の口の中にできる「黒いシミ」の正体とは

犬の口の中に見える黒っぽい斑点は、一見するとシミのように思えるかもしれません。実際、犬には唇や歯茎にメラニンという色素が沈着しやすい体質があり、健康上問題がないことも多いです。
しかし、中には「パピローマウイルス」というウイルスが原因でできる“ウイルス性のイボ”が隠れている場合があります。
最近の報告では、フレンチブルドッグの口の中から、犬パピローマウイルス16型(CPV16)が検出された症例が確認されました。このイボは「ウイルス性プラーク」と呼ばれ、皮膚にできることは知られていましたが、口の中に見つかったのは筆者らが調べる限り初めてのケースでした。
見た目は直径数ミリ程度の黒っぽい盛り上がりで、歯茎や口の粘膜に小さく現れました。一見無害そうですが、黒色腫(メラノーマ)などの悪性腫瘍・がんと見た目だけでは区別がつきにくいため注意が必要です。
ウイルス性イボができる原因とリスク

犬のウイルス性イボは、犬パピローマウイルスに感染することで発生します。多くは免疫力が低下している時に発症しやすいとされ、若齢犬やシニア犬、あるいは免疫を抑える薬を使用している犬では特に注意が必要です。実際に今回報告された症例でも、アレルギー治療薬を服用していた犬に発症していました。
犬種によって発症しやすい傾向もあり、皮膚のウイルス性イボはパグやビズラなどで多く報告されていますが、フレンチブルドッグなどでも起こり得ます。
さらに、ウイルス性プラークの一部はごくまれに「扁平上皮癌」という悪性腫瘍に変化することがあります。特にCPV16というウイルス型と関連している場合、腫瘍・がん化するリスクが比較的高いことが知られています。そのため、「ただのシミ」と思って放置するのは危険と言えるでしょう。
飼い主ができるチェックと動物病院での対応

飼い主がまずできることは、愛犬の口の中を定期的に観察することです。歯磨きや歯のチェックの際に、歯茎や頬の内側に黒い点や、特に盛り上がりがないかを確認してください。
もし黒い斑点や小さなイボのようなものを見つけた場合、特に盛り上がりがある場合や次第に大きくなる場合は、自己判断せず動物病院で診てもらいましょう。見た目だけでは「無害な色素沈着」か「悪性腫瘍」か、あるいは「ウイルス性イボ」かを判断することは困難な場合が多いです。
動物病院では、必要に応じて細胞検査や切除しての組織検査を行います。先に紹介した症例でも、外科的に切除し検査した結果、ウイルス性イボであると診断されました。幸い、その後の経過観察で再発は見られませんでした。
早期に診断と治療を行えば、ほとんどのケースでは大きな問題にならずに済むことがわかっています。逆に放置すると、稀ではあるものの腫瘍化・がん化や炎症、口内の違和感につながる可能性もあります。
まとめ

犬の口の黒いシミは単なる色素沈着のこともありますが、ウイルス性イボや腫瘍・がんの可能性もあります。早めに動物病院で検査を受けることが愛犬の健康を守る第一歩です。
(参考文献:Vet Dermatol. 2025 Oct;36(5):703-706.)
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