「古いはオシャレ」の価値観、若者熱狂 空前の古着ブーム、進まない衣類のリサイクル 着ない服を捨てない選択肢【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-05-13 21:18

「もう着ない」から「また着たい」へ。いま注目されているのは、古着に新しい価値を与える「リメイク」や「リペア」。服との付き合い方が変わり始めています。

【写真で見る】30年以上前の「ワンピース」をリペアして着てみると…

“古着ブーム”が服の大量廃棄削減に?高校生対象にリメイクの体験授業も

東京・大井競馬場の駐車場で開催されているのが、毎週土日に行われているフリーマーケット「大井競馬場 TokyoCityFleaMarket」です。(雨天中止)

TOKYO RECYCLE 赤池正行さん
「平均的に5000人の来場数だったのが、2026年は1万2000人の方が平均的に来場しています。中古品に対する考え方というのは若い方が非常に(良い方向に)変わってきている」

実は、日本だけで排出される衣服のごみ量は、1年間で東京ドーム1個分以上。

若者たちの間で熱狂的な広がりを見せる「古着」。このブームが、服の大量廃棄を減らすことに繋がるかもしれません。

こちらは大阪にある、ファッション教育の専門学校「マロニエファッションデザイン専門学校」。毎週末、高校生を対象に体験授業を実施しています。

この日の体験授業は、古着の「リメイク」。

講師 久保貴信さん
「売れない場合は処分されてしまう。それは地球にとっても良くないし、せっかく作った服をそういうふうに廃棄するのはすごくもったいないこと」

リメイクは、環境へも配慮できるため、SDGsをきっかけに授業にも組み込まれるようになりました。

こちらの高校生が選んだのは、青いTシャツと青いチェックのシャツ。2つの服を掛け合わせ、1つの服にリメイク=作り直します。

まずは、選んだ服をハサミで切っていきます。どうやら、チェックのシャツの袖と裾を切り、Tシャツとくっつけるようです。組み合わせる部分を縫い合わせれば、完成です。

体験した高校生
「初めて服切ってつなげたり、自分にできないと思っていたけど、教えてもらいながらできて、めっちゃ楽しかったです」

すでにある服を組み合わせるだけで、初心者でも簡単におしゃれな服に作り直せるのが魅力です。

レトロブームで注目される「リペア」 祖父母の服が“最新モード”に

そんな古着で、もう一つ、今注目されているのが…

フィッター 阿知良満さん
「最近増えているものとしては、おじいちゃんが着ていたものとか、おばあちゃんが着ていたもの、そういうのを持ってきて自分が着たいという部分」

「リペア=修復」です。

ここは都内にある、服の修復専門店「フェニーチェクローゼット」(月火定休 完全予約制)。昔の服をプロの技術で蘇らせています。

若者を中心にレトロブームの昨今、一昔前の服を直す需要が増えているといいます。

フィッター 阿知良満さん
「僕のこの感じもそうですけど、おじいちゃんたちが着ていた服がいまのモードにドンピシャな部分があって直しているというのが多い」

そんな「リペア」を体験するのは、山形アナウンサー。お店に持ち込んだのは…

山形純菜キャスター
「兄の入園式とか母が着ていたワンピースになっていまして。私に『どうぞ』ってくれた洋服です」

母親から受け継いだ30年以上前の「ワンピース」。思い出がいっぱい詰まった服だといいます。実際に着てみると…

山形純菜キャスター
「この袖の部分が短いかなと思うんですけど。ボタンが1個欠けていましたね」

このワンピースの問題点は3つ。大きな肩パッド、短い袖と裾、欠けたボタン。

果たして、山形アナのワンピースは、どのように生まれ変わるのでしょうか。

母から娘へ…「思い出」も受け継ぐプロの技術

山形純菜キャスター:
母が約30年前に着ていたワンピースをリペアしてもらったものを実際に着てみました。

短かった袖は、織り込まれていた部分があったので、そこを伸ばして、さらに、大きめの肩パッドを外すことによって、肩にフィットする形で袖が伸びたということです。

このワンピースは、父から母にプレゼントしたものでしたが、この数年はタンスの肥やしになってたので、「お直しして着てもらうのは嬉しい」と母も喜んでおりました。

改めてどのように直ったのか見ていきます。

裾の部分も伸びているんです。生地を継ぎ足しているのですが、ポケットの余分な部分から生地を持ってきて継ぎ足してくれたということです。

職人さんも「無地のものは直しやすいが、柄ものだとしっかり合わせないと違和感があるので、そういったところが難しい」と話していました。

井上貴博キャスター:
ポケットから生地を持ってくるなどの発想はプロじゃないとわからないですね。 

「The HEADLINE」編集長 石田健さん:
シルエットなどを変える方もいらっしゃるのですか?

山形キャスター:
父親から娘さんに、母親から息子さん用になど、体型が違ってもお直ししてくれるということです。また、それぞれの服に対しての思い出をしっかり聞いて、思いを受け取ってお直ししてくれるということなんです。

東京ドーム1個分がごみに…衣類のリサイクルを阻む“素材の壁”

山形キャスター:
1年間に捨てられる洋服の量は東京ドーム1個分ほどにもなるということですが、なぜリサイクルは進まないのでしょうか。

そもそも、リサイクル繊維はペットボトルなどを再生したものが中心です。そのため、使用済みの繊維から新たな繊維にするというのはなかなか難しいということです。

ウール100%など、単一の素材でできているものからはリサイクル繊維が作りやすいのですが、日本の衣服の品質表示を見てみると、コットンやアクリル、ポリエステルなど複数の素材が混ざった繊維が多く、それを分離するのが難しいため、リサイクルが進まないということです。

だからこそリメイク、リペア、そして古着としてリユースするという考えが広がってきています。

身近なコンビニが“回収拠点”に 海外で注目される「Used in Japan」

山形キャスター:
衣料品のリユースに、コンビニも動き出しています。

【ファミリーマート】
▼衣料品・雑貨の回収ボックス「R-LOOP(アールループ)」
4月から実証実験で東京都内の約30店舗にボックスを設置

回収された衣類は…

▼リユースの専門スタッフが仕分け
▼海外のリユースショップで販売
→海外ではメイドインジャパンならぬ「Used in Japan」として状態の良さから信頼され、需要が高いそうです。

ゆくゆくは全国5000店舗への拡大を目指しているそうです。

井上キャスター:
リユースは「やってみよう」と思ってインターネットで調べても、自分で配送の手続きをするなど結構、面倒で踏みとどまってしまいがちですが、「ファミリーマートに行けばいいんだ」となると、ファミリーマートの現在の配送ルートも使えるし、そこから何か購入するかもしれないし、Win-Winな気がします。

石田健さん:
SDGsやリサイクル・リユースのような概念は、どうしても「個人の意識で少しずつやっていきましょう」となりがちですが、実際、今の気温や世界の状況を見ていると、もうそのレベルではないですよね。

大きいインパクトが必要というときに、様々なリソースを持っている大企業がやっていく。その中で、価値観自体も新規のものではなく、「こういうものを買ってください。それによって我々もちゃんと利益が上がります」という状態を作らないと。大きいインパクトをいかに作るかというのを全員が意識しないと、後戻りできない状態に来ているので、そういう意味でも重要な取り組みだと思います。

「すぐ着られなくなる」悩みを解決 保育園が繋ぐ“おさがり”の輪

山形キャスター:
あとは、子どもの成長に合わせてどんどん服を買い替えなければいけない子ども服ですが…

【子ども服・玩具のリユース「コドメル」】
全国の保育園など約350施設に「回収箱」を設置し、着れなくなった子ども服などを回収
→1着500円から販売(送料別)

これまで全国の保護者に約5000点の衣類が“おさがり”として譲られたそうです。

出水麻衣キャスター:
「少し傷んだりしているからどうだろう」と遠慮してしまう気持ちもありますが、こういうものは積極的に利用していった方がいいですね。

山形キャスター:
環境保全にも繋がっていきますし、私も今回リペアをしてもらって、「より服を大切にしていこう」という気持ちにもなりました。

石田健さん:
石油の話などをしている一方で、服を捨ててしまう人もいますが、そもそも石油を買わなくていい社会を作るにはどうしたらいいのかですよね。

企業にCO2の削減量を開示させて規制していますが、そこを例えば、既製品じゃないリユースのものを使ってどれだけ製造できたのかという指標を取るなど、国の働きかけや市民の声でもっと変えられるところがたくさんあると思うので、そういうところから変化を生み出していきたいですよね。

==========
<プロフィール>
石田健さん
ニュース解説メディア「The HEADLINE」編集長
鋭い視点で政治・経済・社会問題などを解説

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