“妊娠理由に不戦敗”トップ女流棋士が会見「出産に挑める環境を」規定の変更求める 将棋界に変化は生まれる?【news23】
トップ女流棋士の福間香奈さんが日本将棋連盟に規定の変更を求め、会見にのぞみました。将棋の世界に変化は生まれるのでしょうか。
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「妊娠」か「キャリア」か 将棋界の規定変更を求め女流棋士が会見
「2人目の妊娠」か、それとも「自分のキャリア」か。このままではどちらかを選び、どちらかを諦めなくてはならない。
将棋のトップ女流棋士・福間香奈さんが12月10日、日本将棋連盟に規定の変更を求めました。
女流棋士 福間香奈さん(33)
「妊娠を社会通念上相当の事由と認めていただき、不戦敗としないでいただきたいです。妊娠したとしても地位が保証され、安心して妊娠出産に挑める環境を作っていただきたいです」
妊娠とキャリアの両立が難しいのは、タイトル戦が産前産後の一定期間と重なった場合、対局に参加できなくなるなどの規定があるからです(2025年4月施行「女流棋士公式戦 番勝負対局規定」)。この一定期間は、出産予定日から数えて産前6週〜産後8週までとされています。
しかも福間さんのように、女流タイトル8つ中6つを持っている場合、1年を通して対局があるため、妊娠の時期によっては複数のタイトル戦に出られなくなってしまうのです。
女流棋士 福間香奈さん(33)
「現状の規定では、未来ある少女や女流棋士が上を目指して複数のタイトルを獲得したとしても、タイトルか出産かを選択しなければならず、将棋界の未来に強い不安があります」
福間さんは日本将棋連盟に対し、産前産後に予定されているタイトル戦の日程変更や、医師の判断次第で出場を可能にすることなどを求めました。
この会見を受け、日本将棋連盟は「現在、改定案を調整中であり、より柔軟に当事者の意思に沿った対応が行える仕組みを検討しているところです。この機会を、女流棋士の権利保護を一層強化する契機ととらえ、丁寧に取り組んでまいります」としています。
「時代と生き方を加味することが“歴史ある伝統”を繋ぐ」
藤森祥平キャスター:
様々な立場や事情を抱える女流棋士の方がたくさんいらっしゃる中で、福間さんが声を上げました。
トラウデン直美さん:
素敵だと思いますし、福間さんのようなトップ棋士の方がこうやって声を出すことで、言いやすくもなると思います。また、それに対しての連盟側のお答えもとても前向きで、一緒に考えていこうという姿勢がとても素敵だなと思います。
どのお仕事や業界でも同じですが、伝統や慣習は「そういうもの」として流されてしまいがちですけれども、少しずつ、より生きやすいように、時代と生き方を加味することが、歴史ある伝統を繋いでいく、守っていくことにもなると思うので、前向きな良い動きが、今回の会見で見えたなと思いました。
藤森キャスター:
声を上げ続けて、いろいろと話し合いを続けることも、何か意義を感じます。
小川彩佳キャスター:
いろいろな声があるでしょうけれども、これは女流棋士の皆さんだけではなく、「将棋界をどう持続可能なものにしていくのか」という議論でもありますよね。
トラウデン直美さん:
本当にそうだと思います。そのため、どこにどう落ち着いていくのかは、それぞれの業界で違うと思いますけれども、こういった形でいろいろなところで前向きに話し合いが進められていくことがとても大事だなと思います。
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〈プロフィール〉
トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行