“過失”ではなく「危険運転致死で起訴を」飲酒運転・信号無視の車に追突され息子亡くした母親が訴え…4万7000人の署名をさいたま地検に提出【news23】
飲酒運転で信号無視をした車にひき逃げされ亡くなった男性がいます。遺族は、署名を提出しました。検察が危険運転致死ではなく、刑罰が比較的軽い過失運転致死で起訴したからです。「あれが過失だなんて」母親の訴えです。
【写真で見る】息子は“ほぼ即死” 忘年会の帰り道、猛スピードで走ってきた車にはねられる「あれが危険じゃないなら何が危険運転なのか」
「何回も『母ちゃんだよ』って言ったけど…」事故で息子を亡くした母の訴え
2025年12月22日。仲間との忘年会を終え、自宅への帰り道。
森口和樹さん(25)は家族が待つ大好きな家に帰ることはできませんでした。
母・美智代さん(54)。警察から和樹さんが交通事故にあったと聞き、病院に電話をかけます。
母・美智代さん
「『今しがたまで蘇生を試みました』って。だけど、どうしても戻らないので『今しがた中断しました』って言われました。やっぱり信じられないので、というか信じたくないので黙ってました」
家族みんなで病院に向かい、ベッドに横たわる和樹さんと対面しました。
母・美智代さん
「私はもう何回も和樹の目をあかんべーするみたいに、何回も目を開けて、和樹の瞳に…私の顔を見てほしい。何回も『母ちゃんだよ』って言ったけど本当に反応しなかった」
「ほぼ即死だっただろう」医師にそう言われたそうです。
その夜、何があったのでしょうか。
息子は“ほぼ即死” 忘年会の帰り道、猛スピードで走ってきた車にはねられる
路地を抜けて国道に出た和樹さん。信号の押しボタンを押します。車用の信号が黄色、赤と変わり、手前の車線に停止した車もありました。
そして、歩行者用の信号が青に。和樹さんが渡り始めた、その時。
中央寄りの車線を猛スピードで走ってきた車に、はねられました。警察や目撃者によるとブレーキ痕はなく、制限速度を60キロオーバーする約120キロで衝突。和樹さんは、30~40メートル前方に飛ばされ、車はそのまま走り去りました。
それから2時間半後、4キロ離れた同じ国道沿いで、前方が破損した車が見つかりました。
運転していた男からはアルコールが。阪元昊(さかもとそら)被告(20)。酒気帯び運転やひき逃げ、そして、最長20年の拘禁刑に問われる危険運転致死の疑いで警察に逮捕されました。
阪元被告は「事故を起こして逃げたことは間違いないが信号については覚えていない」と供述しました。
「あれが危険じゃないなら何が危険運転なのか」母親が訴え
ところがその後、母・美智代さんの元に「検察が危険運転ではなく、刑罰が比較的軽い過失運転致死で起訴した」という知らせが入りました。
母・美智代さん
「あれが危険じゃない、危険運転って言われないなら、何が危険運転なんですかと本当に聞きたい」
危険運転に問える条件として、「車を制御するのが困難なスピード」などが設けられていますが、今回は、いずれにもあたらないと検察が判断したとみられます。
あいまいともとれる危険運転の条件については見直しが進んでいて、今後、法改正が行われる見込みです。一般道で制限速度を50キロオーバー、呼気に0.5%のアルコールなど、ある数値を超えると危険運転が適用される見通しです。
今の法律のままでも、危険運転致死で起訴を―。
遺族は、4万7000筆余りの署名を集め、25日、さいたま地検川越支部に提出しました。
母・美智代さん
「きちんと向き合ってくれることを願っています。ちゃんと対応してくれると信じています」
美智代さんが好きな写真があります。2人で初日の出を見に、散歩に出たときの写真です。
母・美智代さん
「付き合ってくれる息子なんてそうそういないじゃないですか。今まで通り自分の歩き方で自分の身の丈でコツコツと地道に一歩一歩行ったと思う。それで本人が幸せだったら十分なわけなので邪魔してほしくなかったなと思いますね。私たちにできることを最後まで精いっぱいしてあげたい」