「対馬丸」調査にかける遺族の執念 太平洋戦争中に沈没…“なかったこと”にされた悲劇【つなぐ、つながる】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-03-30 12:27

戦争について考えるプロジェクト「つなぐ、つながる」です。戦時中、大勢の子どもたちを乗せたまま撃沈された疎開船「対馬丸」の再調査が行われました。実現させたのは執念とも言える遺族の思いでした。

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去年11月、無人探査機が海の中へ。目指すのは水深870メートル。写し出されたのは「対馬丸」の文字です。

戦時中に米軍の魚雷攻撃を受けて沈没し、学童ら1484人が犠牲となった疎開船「対馬丸」の再調査が28年ぶりに行われました。

その映像を見つめるのは、数少ない生存者の一人、高良政勝さん(85)。当時4歳だった高良さんはこの事件で家族9人を失いました。

高良政勝さん
「(船の)文字を見ると、お亡くなりになった人の顔を見るような感じで非常に辛くなりましたね」

今回の調査では沈没に至る痕跡も見つかりました。

最新の3Dモデルで見ると、船体の左舷側に2か所の巨大な穴が。船首側は外板が激しくめくれあがり、マストが倒れています。船に空いた穴から水が入り、夜の海でわずか10分ほどで沈没したとみられています。

実は、この対馬丸の悲劇。戦時下では、「なかったこと」にされました。

事件が明るみに出れば、疎開事業が進まなくなる。それを恐れた日本軍が「箝口令」を敷いたのです。

高良政勝さん
「怒りを通り越していますよね」

高良さんは今回、生きた証としての遺骨と遺品の収集を求めていました。

高良政勝さん
「単なる財布じゃないか、鞄じゃないかというわけにはいかない。この遺品の中には、お父さんの魂がある」

調査ではロボットアームを使い、収集が行われました。靴や鞄などを探しますが、潮に流されたのか見当たりません。

高良政勝さん
「頑張れ、頑張れ…」

その後、ロボットアームが海底の砂と木片などを何とかすくい上げ、持ち帰りました。

そして先週、高良さんの元に届いたのは遺骨や遺品ではありませんでした。しかし、高良さんは「やるだけのことはやった」と満足感を語りました。

一度は存在を消された家族を国が「迎えに行った」という事実が、高良さんの心を少し軽くしたのかもしれません。

高良政勝さん
「本当に感慨深い。長い間ごめんなさいという感じですね」

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