感染力が強い「はしか」コロナ禍以降最多の感染者数 「手洗い・マスク」効果はあるが不十分 どう防ぐ?【Nスタ解説】
コロナ禍以降、感染者数が増え続けている感染症の「はしか」。海外から持ち込まれるリスクが高まっている中、どう対応していけばいいのでしょうか?
「はしか」の感染者数 昨年比で約3.4倍 コロナ禍以降過去最多
高柳光希キャスター:
2026年の「はしか」の感染者数は、3月29日時点で累計197人です。2025年の同時期は58人で、2025年と比べ約3.4倍となっています。
TBS報道局社会部 長谷川美波 記者:
新型コロナウイルスが流行した2020年以降で最も多い感染者数です。
3月、東京都の飲食店で9人の集団感染が起こりました。同じ飲食店で働く従業員が感染し、全員が20代でした。詳しい感染経路はわかっていませんが、全員海外渡航歴はなかったということです。
東京では2026年、97人の感染が発表されていて、過去10年間で最多を更新するペースとなっています。
感染力がつよい「はしか」 治療は対症療法のみ
高柳キャスター:
「はしか」とはどんな病気なのでしょうか。
TBS報道局社会部 長谷川美波 記者:
「麻しんウイルス」によって引き起こされる感染症です。
感染力が強いのが特徴で、免疫がない集団に1人の感染者がいた場合、インフルエンザは1~2人に感染するのに対して、はしかは12~18人に感染します。
感染経路は主に空気感染で、感染すると10日~12日ほどで発熱や咳など風邪のような症状が出て、その後、発疹などが出ます。治療は症状に合わせた対症療法しかありません。
高柳キャスター:
どのようにして免疫を獲得するのでしょうか?
TBS報道局・社会部 長谷川記者:
グローバルヘルスケアクリニックの水野泰孝院長によると、「(はしかの)感染力は非常に強いが、免疫があれば感染することはない」といいます。また、国内で重症化するケースはあまりないということです。
手洗いやマスクでの予防に効果はありますが、これだけでは不十分です。ワクチンを2回接種することが推奨されています。
世代で異なるワクチン接種回数 1回接種の人も「追加接種」は可能?
高柳キャスター:
「はしか」には定期接種があり、2000年4月2日以降に生まれた人は、1歳と小学校入学前で計2回ワクチンを接種していますが、2000年4月1日以前に生まれた人は、1回または0回接種となっています。
南波雅俊キャスター:
1回接種した人が、今からもう一度接種しても大丈夫でしょうか。
TBS報道局・社会部 長谷川記者:
ワクチンの効き目には個人差があり、1回打っただけでも抗体が十分になる方もいるそうです。ただ、2回打った方が効果が確実であったり、感染しても軽症で済んだり、人にうつしにくくなるそうです。
万全を期すなら、抗体の確認をして、足りていないようであれば打つ選択肢もあります。
日比麻音子キャスター:
母子手帳を確認するなどして、自分のワクチンの接種回数を確認する作業が必要になりそうですね。
国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
念のために医療機関で抗体検査を受けて、自分が抗体をちゃんと持っているのか検査するのがいいと思います。細かい検査では、抗体価で抗体の強さがわかる場合もあります。
私は子どもの頃に感染したので、いわゆる「生涯免疫」を持っていると自分で思っていますが。
高柳キャスター:
1回感染すると生涯免疫を獲得するので、感染しないと考えて良いですか。
TBS報道局・社会部 長谷川記者:
一度感染した人は生涯免疫を獲得することができると言われています。
ただ、妊娠している場合はワクチンを打つことができません。不安な方やワクチンを打ったかわからないという方は、抗体検査という方法があります。血液検査で4~5日ほどでワクチンが必要かどうかがわかります。
ただ費用面や手間を考えると、ワクチンを打った方が早い可能性もあるので、感染症に詳しい医師に相談すると良いといいます。
高柳キャスター:
症状が出てから咳と熱と発疹があるということでしたが、どのような順番で出てくるのでしょうか?
TBS報道局・社会部 長谷川記者:
まずは風邪のような症状が出てきて、その後に発疹が出てくることが多いということです。
心配な場合は、まずは病院へ連絡 移動は公共交通機関を避けて
日比キャスター:
日本のみならず、海外でもかなり流行ってるようですね。
国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
日本は「排除状態」といって、国内からほぼなくなった状態だったのですが、海外では、特にコロナ期間にワクチン接種が滞ったことで流行している国もあります。
海外から来る人、あるいは海外旅行に行ったときにかかってしまうリスクがあるので、やはりそれには気をつけた方がいいなと思います。
日比キャスター:
合併症の危険性もあります。はしかだけではなく、様々な症状や感染症は子どもだけの問題ではないということを、改めて意識していきたいです。
国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
大人になってかかるとやはり重症化する感染症もあるので、気をつけた方がいいと思います。
南波キャスター:
感染例で言うと、同じ部屋にいるだけでもうつるリスクがあるということなので、ワクチンを打つ・打たないは個人の判断になると思いますが、接種について考えることは大事だなと思います。
高柳キャスター:
症状があるときには、まず病院に連絡をして、そこから公共交通機関などはなるべく避けて病院に行くということも必要となってきます。
日比キャスター:
感染の潜伏期間に関してですが、熱が下がったり、症状が落ち着いた後も感染力があるんですよね。
TBS報道局社会部 長谷川美波 記者:
感染力は人にもよるので、熱が下がった後にどう行動するかなどは医師と相談するのがいいと思います。
==========
<プロフィール>
長谷川美波
TBS社会部 厚生労働省担当
医療や介護の分野などを取材
堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BSーTBS「報道1930」ニュース解説