【イラン情勢】影響は“物価の優等生”にも?原因となるホルムズ海峡では米軍がイラン船を拿捕 イランはドローン攻撃か…駆け引きが激化する中で再協議はどうなる?【news23】
アメリカとイランの2回目の協議は本当に行われるのでしょうか…。停戦期限が21日に迫る中、双方の駆け引きが激しくなっています。日本では国際線の燃油サーチャージの引き上げが発表されるなど、中東情勢悪化の影響が広がっています。
【写真を見る】トランプ氏「船内の調査」海兵隊がロープを使い、コンテナに降下する様子
イラン情勢の影響広がる…バナナの“専用ガス”にも
値動きが少なく「物価の優等生」と言われるバナナ。朝食の定番の果物ですが、イラン情勢の影響がじわりと忍び寄っています。
千葉県・館山市で90年以上続くバナナ専門の問屋で仕入れているのは、熟れる前の青いバナナ。適切な温度・湿度で1週間ほどかけて熟成させると食べごろになるといいます。
この作業の補助で使われているのが、バナナ専用のガス「バナチレン」です。
熟成を促すエチレンガスは、バナナからも自然に出ていますが、追加することでより綺麗な色味になるといいます。
原料は原油から作られる「ナフサ」ですが、イラン情勢の悪化により価格が高騰しています。この店では約3か月分のバナチレンがあり、現時点で影響はないといいますが…
佐藤商店 佐藤隆史社長
「こういう状況の中ですから、万が一というのも頭の片隅にはあります。その時にどういった形で対応していかないといけないかというのも少しは考えている」
一方、医療現場ではすでに影響が出ています。
「治療ができない」医療現場もピンチ 「ナフサ」不足の影響広がる
使っては捨て、また新品を使う、診察や治療に欠かせない医療用グローブです。
取材した歯科医院では感染予防などのため、1日100枚以上消費します。原料となっているのはナフサ。現在、入荷しづらい状態が続いているといいます。
門前仲町歯科・矯正歯科 吉田有智院長
「本当これと同じ量が裏にあるだけで、メーカーにグローブ頼めますかって聞いたが、『今ちょっと用意がないです』って言われてる状態」
こうした事態を受け、高市総理は国が備蓄している医療用手袋5000万枚を放出すると表明。ただ、手袋だけではなく、消毒した器具を入れて無菌状態を保つ滅菌パックも、原料は「ナフサ」で不足気味だといいます。
門前仲町歯科・矯正歯科 吉田有智院長
「極端な事をいうと、本当にグローブが入りません。滅菌ができませんってなると、治療ができないです」
原油の不足は、航空機の燃料高騰も招いています。
全日空と日本航空は20日、国際線の航空券の「燃油サーチャージ」を5月購入分から最大で2倍ほど引き上げると発表。日本発のヨーロッパやアメリカなどを結ぶ路線では、全日空が2万4100円高い5万6000円に、日本航空が2万7000円高い5万6000円になります。
原油価格を左右するのがホルムズ海峡の状況です。
停戦期限が迫る中…米軍がイラン貨物船を拿捕
停戦期限が21日に迫る中、アメリカとイランの駆け引きが激しくなっています。アメリカ軍のミサイル駆逐艦から見えるのは、イランの大型貨物船です。
駆逐艦から警告しました。
アメリカ軍
「機関室から退避しなさい。我々はあなたたちを無力化する攻撃の準備ができている」
アメリカ中央軍が公開した映像では、19日、貨物船が6時間にわたる警告を無視したため機関室を複数回攻撃し、拿捕したとしています。
船舶の追跡情報でも、その状況が確認できます。アラビア湾を進んでいた船が途中で航行を停止していました。
さらに、アメリカ中央軍は別の映像を公開しました。
強襲揚陸艦「トリポリ」からヘリコプターが出発。暗闇の中、貨物船に接近します。その後、海兵隊がロープを使い、コンテナに降下する様子などが映し出されていました。
トランプ大統領はSNSで...
トランプ大統領(19日SNS)
「過去の違法行為によりアメリカ政府の制裁対象となっており、船内の調査を行っている」
一方、イランの国営放送は、「イランのコンテナ船がアメリカの攻撃を受けた」としたうえで、こう報じました。
イラン国営放送
「イランはアメリカ軍の艦隊に対し、ドローン攻撃を行った」
別のイランメディアは、革命防衛隊が対応したことで「アメリカ軍は撤退を余儀なくされた」と伝えています。
アメリカとイランの2回目の協議は、果たして開催されるのか。協議に前のめりとされるトランプ氏は…
アメリカとイランの2回目の協議は開催される?イラン国営メディア「参加拒否」と報道
トランプ大統領(20日SNS)
「私の代表団が、交渉のため明日の夕方、イスラマバードに到着する予定だ」
アメリカの代表団が、20日にパキスタンのイスラマバードに到着するとSNSで明らかにしました。
ホワイトハウス関係者はJNNに対し、前回と同じくバンス副大統領とウィットコフ中東担当特使、トランプ氏の娘婿のクシュナー氏が協議に参加するとしています。
トランプ大統領(19日SNS)
「我々は公正で合理的な取り引きを提示している」
「もし(イラン側が)受け入れない場合は、イラン国内の全ての発電所と橋を破壊するつもりだ」
「もう“いい人”でいるのは終わりだ!」
トランプ大統領はFOXニュースの電話インタビューに、協議は21日以降に行われるとし、「イランにとっては最後のチャンスだ」と話したということです。
一方、イランの国営メディアは、協議への参加を拒否したと報道。アメリカの過剰な要求や非現実的な期待に加え、度重なる立場の変更があったことなどが理由だとしています。
ただCNNテレビは、情報筋の話として「イラン側の代表団は21日にパキスタンに到着する」と報道しています。
アメリカとイランの協議をめぐり、ロイター通信は日本時間の20日夜、仲介国・パキスタンのムニール陸軍元帥がトランプ氏と電話会談したと報じました。
この中でムニール氏は、「ホルムズ海峡の封鎖が協議の障害となっている」と指摘し、トランプ大統領は「ムニール氏の助言を検討する」と話したということです。