殺傷能力ある武器の輸出解禁 課題は?安保政策の“大転換”【Nスタ】
防衛装備品の輸出をめぐり、政府は制限を大幅に緩和し、殺傷能力のある武器の輸出を原則、認めることを決めました。「際限のない輸出」につながるとの指摘に対し、“歯止め策”を担保できるのかが問われます。
安保政策の大転換 “殺傷能力ある武器”の輸出解禁
木原稔 官房長官
「自国と地域の平和を守るには、防衛装備移転をさらに推進し、同盟国・同志国の抑止力・対処力を強化することが重要です」
日本の防衛装備品はこれまで、戦闘を目的としない一部の装備品に限って輸出が認められてきましたが、政府は21日、この規制を大幅に緩和しました。
これまで認められてこなかった殺傷能力のある武器の輸出が原則として認められることになり、今後は、▼輸出先を日本と協定を結んだ国に限定したうえで、▼紛争中の国への輸出も「特段の事情」がある場合には例外的に認めるとしています。
事実上の“武器輸出解禁”。
21日朝、総理官邸前では、政府の武器輸出解禁の決定に反対する人々によるデモも行われました。
今回の政府方針について政治部・防衛省キャップの渡部記者は。
政治部・防衛省担当 渡部将伍 記者
「そもそも今回の運用指針の見直しそのものが、政府の判断だけで可能なものです。今後も国会での手続きを必要としません。これまで『日本の武器が輸出先で人の命を奪うことになってしまわないか』。また、『武器流通の拠点として日本が攻撃されることはないのか』など、指摘が相次いでいます。際限のない武器輸出にならないために、どのように“歯止め”を利かせることができるかは現時点では見通せない状況です」
政府は“歯止め策”として、▼輸出を決めるための審査項目を増やし、国会への報告をするとしたうえで、▼輸出後も第三国やテロ組織などへの流出を防ぐため、モニタリングを継続する体制を強化するとしています。
安全保障政策の“大転換”とされる今回の議論。国民からの幅広い理解を得られるかが問われることになります。
“平和国家”と“武器輸出”を両立するためには?
井上貴博キャスター:
これは単なるビジネスではなく、安全保障戦略の一環であるということ。あとは、何もないときから同志国と関係性を深めるということはとても重要です。
むしろ「この方針転換が遅すぎた」という声があるのも事実ですが、その一方で、平和国家であり、武器輸出も両立するために、やはりチェック体制をどうするのか。ここの重みを同時に感じます。
出水麻衣キャスター:
輸出する前もそうですが、輸出した先でのモニタリングも大事になります。
あとは、殺傷能力や破壊能力がある物も対象になっていくので、諸外国からどう見られていくのか。情報はきちんと出しながら、ここも冷静に考えていきたいです。