どちらがいい?食品消費税0%は「レジ改修に1年」 スピードの「1%案」と“家計への恩恵”は年間8400円の差【Nスタ解説】
自民党が衆議院選挙の公約に掲げた「食料品の消費税ゼロ」ですが、ここに来て税率を「1%」とする案も浮上しています。
0%と1%の間にはレジの壁があるといいます。
食品消費税0% 課題は「レジ改修に1年」
井上貴博キャスター:
先の衆院選で自民党が公約に掲げた、『食料品の消費税2年間ゼロ』。しかし、課題となっているのがレジシステムの改修時間です。
国民会議のヒアリング結果によると、『消費税0%』にするとレジシステムの改修に約1年の時間がかかるということです。そこで、消費税減税の早期実現のために浮上してきたのが『消費税1%案』です。1%だとレジシステムの改修にかかる期間は、約5~6か月だといいます。
現在、一般に使用されているレジは大きく分けて3種類あります。
【ターミナルPOSレジ】
●売上データをリアルタイムに記録・集計・管理
●会社ごとに独自のカスタマイズ
【モバイルPOSレジ】
●タブレットやスマホなどをレジ端末として利用
●クラウドで一元管理
【ガチャレジ・メカレジ】
●昔ながらの機械式
●基本的に顧客対面での会計のみ
※経産省の資料より
ターミナルPOSレジと、ガチャレジ・メカレジのシステム改修には約1年もかかります。
その理由について、「スマレジ」開発本部長の岡田直緯さんによると「レジのシステムが消費税『0%』を想定していないことや、『0%』と『非課税』の区別ができないなどが原因とみられる」そうです。
経産省によると、ターミナルPOS(Point of Sale)レジは、売上データが▼在庫の管理、▼仕入れの管理、▼クレジットやポイントサービスなど様々なシステムと連携しているということです。
「スマレジ」開発本部長の岡田さんは、「連携している部分ごとにエンジニアが店舗訪問し、改修しなければならないのでは」と言います。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
消費税は1989年に導入し、当時は3%でした。 その後、徐々に引き上げられましたが、『消費税0%』に戻すことは誰も想定していません。0%にする設計にはできず、改修に時間がかかるということですね。
公約にする段階でおそらく気づいていたはずなのに、なぜこのようなことになったのか検証すべきです。
消費税0%は、財源的にも手続き上も難しい。「できない」というための材料にしていたのではないかと思います。
井上キャスター:
そもそも消費税減税で、円安が加速し、物価高を助長してしまうのではないでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
インフレにもなりますし、それから財源が不足し、国債を出せばまた長期金利が上がってインフレになるという悪循環になってしまいます。しかし、減税しなければ公約違反になります。
高市総理としてはどちらを選択してもマイナスなのですが、今のところ公約違反はしたくないという気持ちの方が強いでしょう。
消費税0%と1% どちらを選ぶ?
井上キャスター:
高市総理としては、やはり公約は破りたくない。しかし、公約通りの「消費税0%」は時間がかかる。早期実現のために、システム改修が早くできる「消費税1%」にするのか。世論も見極めたいところだと思います。
そこで、街の人34人に話を聞いた結果は…
【食料品の消費税率(Nスタ調べ)】
・0%:10人
・1%:22人
・8%:2人
出水麻衣キャスター:
消費税減税は、給付付き税額控除の制度設計が難しいので、それが整う前の繋ぎだということでした。このままいくと、数年でそれが整うと言われているので、もしかしたら消費税減税と給付付き税額控除の足並みが重なりそうです。
給付付き税額控除の方の議論はどのくらい前進しているのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
給付付き税額控除は、本格的か、簡易型でやるか議論が難航しています。本格的に収入を把握して、収入の少ない人にきちんと給付できるというシステムにすると、5年、10年はかかると思います。そのため、簡易型でやっていくのか、そこに踏み込めるかどうかというところです。
“家計への恩恵” 0%と1%で差は年間8400円程度
井上キャスター:
野村総研 エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏によると、消費税0%と1%で、年間の家計への負担減少額を試算すると、差額は8400円くらいになるということです。
【消費税引き下げ 家計への影響(4人家族で試算)】
<負担減(年間)>
消費税0%:6万7272円
消費税1%:5万8863円
→差額8409円
<財源(年間)>
消費税0%:約5兆円
消費税1%:約4兆4000億円
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年