“長すぎる読書”が正答率低下に?「逆U字現象」とは 読書と学力テストとの相関関係は?【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-08-03 21:09

この春、文部科学省が実施した「全国学力テスト」。
結果が公表され、小中学生ともに「国語」の正答率は女子が男子より高い結果となりました。一方、「得意」や「好き」という質問に男女によって大きな差が出た教科も。

【写真で見る】「全国学力テスト」結果 男子が算数・数学で女子を上回る 背景に“無意識の偏見”?

そして大人も気になる勉強と読書の関係“逆U字現象”とは?

全国学力テストが実施 “学力”と“読書”には深い関係が?

山形純菜キャスター:
小学6年生と中学3年生の約200万人を対象に、「全国学力テスト」が実施されました。

全国学力テストとあわせて行われたのが「質問調査」です。学校生活に関する質問だけではなく、「朝食を毎日食べていますか」「将来の夢や目標を持っていますか」「読書は好きですか」と多岐にわたる質問があります。

この全国学力テストの結果と読書について、深い関係が見えてきました。

「読書は好きですか」という質問に対して「好きです」と回答した児童や生徒は、各教科の正答率・スコアが高い傾向にあることが分かりました。

2026年度全国学力・学習状況調査によると、中学3年生は「1日どれくらい読書するか」という質問に対して、下記のような回答結果となりました。

▼中3 一日どれくらい読書する?
(学校の授業時間以外/電子書籍含む/教科書・参考書・漫画・雑誌は除く)
2時間以上:3.0%
1時間以上~2時間未満:4.9%
30分以上~1時間未満:10.2%
10分以上~30分未満:15.7%
10分未満:12.9%
全くしない:40.5%
(無回答12.8%)

読書が好きな人が成績がいいということは、読書を多くすれば成績が上がると思いますが、実はそうではないんです。

長すぎ読書で起きる“逆U字現象” ベストは「週に1回程度」?

山形キャスター:
中学3年生を対象にした「学力テストの正答率と読書時間」の関係を見ると、読書を全くしない人に比べると、読書をする人の方が学力テストの正答率は上がります。

ですが数学では、1日10分以上30分未満をピークに下がっていきます。国語でも同様に1日30分以上1時間未満をピークに少し下がっていきます。これを「逆U字現象」と言います。

子どもの読書に関する研究を行っている北里大学一般教育部の猪原敬介准教授によると、この逆U字現象は2026年が偶然ではなく、毎年起こることだといいます。

長時間の読書が学力を下げてしまう要因の一つとして、中学生は小学校の時に比べると部活動や受験勉強など自由時間が短くなり、長すぎる読書が他の活動の時間を奪ってしまうためではないかということです。

組織開発コンサルタント・著作家 勅使川原真衣さん:
私の子どもも携帯を見ている時間の方が長いです。本でしか得られない効用はどこにあるのかは、大人も考えなくてはいけないことだと思います。読書経験をいかに開くかということが大切になってくると思います。

長時間の読書 “読書好き”の特性に注意...

山形キャスター:
読書好きだからこそ「お気に入りの作家やシリーズに没頭する」ということをやりがちかもしれません。

しかし、北里大学の猪原淳教授によると、他の作家の書き方・テーマに触れる機会が少なくなり、読解力や語彙力UPにつながらない可能性もあるそうです。

国際的な学力テストで、“大人も”本の読みすぎによる“逆U字現象”が起きているといいます。毎日読む人より週に1回程度読む人の方がテストの成績が高いという結果が出ています。

国語に関する世論調査(2023年度)によると、「1か月に何冊の本を読む?」(16歳以上/電子書籍含む/漫画・雑誌は除く)という質問に対して、「読まない」と答えた人は62.6%でした。

井上貴博キャスター:
あくまでも学力テストとの相関関係なので、人生を豊かにする曲線とは全く別だと思います。何でも熱中しすぎると、相関関係で時間が取れなくなるのは当然だと感じます。

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<プロフィール>
勅使川原真衣さん
組織開発コンサルタント・著作家 2児の母
著書に『「対話」がやってきた』など

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