熊本地震1か月 八代市で史上最高39.2℃観測 2.5万戸の断水解消も「猛暑の避難生活」に課題残る【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-08-27 11:55

震災からまもなく1か月を迎える熊本。最大震度6強を記録した八代市ではこの日、観測史上最高となる39.2℃を観測しました。市内全域およそ2万5000戸で起きていた断水は解消されましたが、真夏に起きた災害ならではの課題もあります。

【写真で見る】今回の“熊本地震の復興提言”(自民案) 2016年「九州ふっこう割」では課題も浮上

八代市で史上最高39.2℃観測 厳しい暑さの中の避難生活

震災からまもなく1か月を迎える熊本。最大震度6強を記録した八代市では26日、観測史上最高となる39.2℃を観測しました。

記者
「強い日差しが照りつけていて、立っているだけで汗が吹き出てくるような暑さを感じます」

市内全域で一時約2万5000戸が断水していましたが、復旧作業が進み、26日に全面的に解消されました。

一方、井戸水を使っている約4400世帯で「水が出ない」「濁っている」などの不具合が続いています。

下水道管の歪みがないかを調べていた作業員は...

下水道の管理業者
「私たちは熊本県の皆さんが、一刻も早く普通の生活に戻れるように頑張っていきたい」

夏まっただ中に起きた今回の地震。日々続く暑さは避難生活を困難なものにしました。

車中泊で亡くなる人も... 避難生活で命を落とす「災害関連死」の存在

地震発生翌日(7月29日)の八代市内の避難所では、屋外に出て過ごす人たちの姿が見られました。建物に入れない訳ではなく、施設の水と電気が止まり、暑さをしのぐために外にいるのです。

避難所の女性
「冷房が入らないので。外なら風がときどき来る」
「体調は気が張っているので」

文部科学省によりますと、2026年5月1日時点で指定避難所となっている八代市の公立小中学校の体育館などへのエアコンの設置率は4割未満です。震度7を観測した宇城市と氷川町では、一校も設置されていませんでした。

その中で車中泊を選んだ人もいます。宇城市の男性は、他の避難者に気を遣う必要がなく、エアコンを使えることから被災した自宅の前で車中泊をしました。

宇城市の男性
「こんな感じで(運転席の)シートを倒して」
「時期がもうちょっと涼しい時ならよかった。この暑さは...クーラーがあるから車で寝られるけど」

一方、車内で亡くなった人もいます。氷川町では7月30日、車中泊をしていた70代の女性が熱中症の疑いで死亡しているのが見つかりました。車はガソリンが切れていて、エアコンは効いていませんでした。

10年前の地震で浮き彫りとなったのは、揺れによる直接的な被害ではなく避難生活で命を落とす「災害関連死」の存在です。

今回の震災からまもなく1か月。猛暑の中、被害を最小限に抑える対策が求められています。

政府が作成「熊本地震の復興提言」 九州への“旅行割”も

藤森祥平キャスター:
厳しい日々を重ねながら、28日で熊本地震発生から1か月になります。そのタイミングに合わせて、政府が被災した方への支援パッケージを決定することにしました。

上村彩子キャスター:
それに先駆け自民党は26日、猛暑下での健康管理や仮設住宅の整備などの支援を盛り込んだ、復興のための提言を高市総理に手渡しました。

その中で、特徴的なものは以下のようになっています。

【“熊本地震の復興提言”】自民案
▼多重被災者への“ローンの猶予”
▼井戸復旧など
▼“九州全県”への観光支援

10年前の地震や豪雨などの▼多重被災者への“ローンの支払いの猶予”、▼井戸・農業用水・ため池の復旧に向けた支援策、そして▼観光支援策です。

今回の地震は夏休みということもあり、旅行や宿泊のキャンセルが相次いだことから、九州全県を対象とした支援策の早期実施が提案されました。高市総理は支援パッケージに反映させる考えを示しています。

必要な人たちに必要なものを 物資だけでなく心のケアも

トラウデン直美さん:
地域の特性に合った支援策を提言している印象を受けますが、本当に必要な人たちに支援が行き届くのでしょうか?

上村キャスター:
野村総研エグゼクティブエコノミストの木内登英氏によると、2016年の地震の際にも、九州全県を対象に宿泊代などを補助する「九州ふっこう割」が実施されました。ただ、観光客が増えたのは熊本ではなく、周辺県だったということです。

また、旅行代金の補助は、割引の恩恵が比較的高額となる高級ホテルや旅館に予約が集中する傾向があります。行き届いてほしい個人や中小の宿・旅行事業者への支援にはならない可能性があると指摘されています。

藤森キャスター:
必要な人に必要な支援が届くのかは大事なポイントだと思います。

2016年に最大震度7の地震が2回発生した益城町で農家の人たちを取材したとき、見えない部分の配管や地下の施設がどれだけ傷んでるかは農作物を実際作ってみないとわからないと話していました。一時的な支援では終わらないので、長い期間でのきめ細やかなフォローがどうしても必要になります。

トラウデン直美さん:
土作り一つとっても、一度壊されてしまったら元に戻すのに何年かかるのかわかりません。2016年の地震から復興して耐震などにも取り組んだとはいえ、復旧しきれていないまま今回の地震を迎えてしまったと思います。

過去の地震や豪雨被害で何度も被害を受けた方がいることからも、もちろん物資も大切ですが、より心のケアが重要になってくるのではないかなと思います。

また、熊本だけではありませんが、一人暮らしをされている高齢の方やサポートが必要な方は、普段から地域との繋がりを作って「こういうときにどうしよう」ということをしっかり話し合っておかなければと改めて感じました。

==========
<プロフィール>

トラウデン直美さん
SDGsなどの社会課題に関心
特技は乗馬 初級馬術指導者の資格も

記事全文を読む
  1. トランプ政権「移民ビザ」の審査手続きを一時停止 各国のアメリカ大使館でビザ申請者の面接も延期に 再開時期は不明
  2. 中部電力 浜岡廃炉作業が実態より進んだと虚偽報告か 一部関係者「計画通りの実績としたかった」 報告書の写しを書き換え
  3. 立憲民主党 中道・公明との今月末合流は見送りで調整 地方議員などから慎重な意見相次ぐ あすの3党党首会談で方針伝達へ
  4. 京都・龍谷大学の硬式野球部で暴力行為や盗難 上級生が下級生の腹を蹴る…寮で現金や下着などが盗まれる被害も 1か月間の活動停止処分
  5. 兵庫で山火事 燃え広がりきょうもヘリや消防車で消火活動続く 約2万㎡焼失 人的被害なし 宍粟市
  6. 「瓦が飛んで電気が走ったみたいに火が出た」 長野・落雷で住宅火災 屋根や電気設備などが焼ける 当時2人いるもけが人なし
  7. 「ICCは決して負けない」トランプ政権から制裁のICC赤根所長が会見 「法の支配の危機」日本政府への期待と“決意”【news23】
  8. ネパール・中国国境の大規模土石流 現地大使館「ツアー参加の日本人5人と連絡取れず、当局に捜索や救助を要請」 少なくとも162人が死亡・地元警察
  9. 沖縄県知事選挙告示 玉城氏と古謝氏の一騎打ちに 辺野古移転など争点 過去最多の6人が立候補 来月13日が投票日
  10. 村上宗隆 2戦連続無安打も2四球で貢献、ピーターズが村上に並ぶ5戦連続HRの球団タイ記録 Wソックス2戦連続2桁得点で快勝
  1. 【速報】石川県と富山県の5市町18万人に「緊急安全確保」総務省消防庁 午前8時45分現在
  2. 【速報】石川県と富山県の5市町18万人に「緊急安全確保」総務省消防庁 午前9時半現在
  3. 【速報】石川・富山県の5市町の計18万人に「緊急安全確保」が発表 総務省消防庁 午前10時15分現在
  4. 草間彌生さん(97)逝去 今月14日に多臓器不全のため都内の病院で 先月まで病室で絵画制作に励む 芸術家として数々の賞を受賞
  5. 【 速報 】草間彌生さん死去 97歳 多臓器不全のため 事務所関係者「先月まで病室にて絵画制作に励んでいた」公式発表(全文掲載)
  6. 「前髪は命」「割れてるの論外」Z世代が重要視…注目の“前髪コスメ”はどれ?【THE TIME,】
  7. 奄美に台風18号 “屋根なく空丸見え” 九州は酷暑日 福岡は40℃超から一転、ゲリラ豪雨に…列島で荒れる天気【news23】
  8. 【速報】石川・加賀市に「線状降水帯発生」発表 「少しでも危険を感じた場合には安全な場所へ避難を」 気象庁
  9. ネパール大規模土石流で日本人5人と連絡とれず 茂木外務大臣がERT=海外緊急展開チームの派遣を指示
  10. 話しかけてきた猫を無視した結果→事態を察した『大型犬』が近づいて…まさかの光景が43万再生「言いたいことがわかるんだ」「いつでも味方」
  11. 【速報】JR吾妻線 一部区間で運転見合わせ 万座鹿沢口駅の雨量計が規制値に達したため 長野原草津口駅から大前駅までの上下線で 運転再開見込み立たず
  12. 犬と暮らせば【第556話】「エマの笑顔」