ネパール土石流 助かった男性「長い時間 水の渦に巻かれた」妻は流されて行方不明に 5000人超が行方不明【news23】
ネパールと中国で、犠牲者が1000人を超えた大規模な土石流の発生から、2日で1週間。自宅をのみ込む濁流に襲われながらも、命を取りとめた男性がJNNの取材に応じ、当時の緊迫した状況を証言しました。
国境付近で大規模土石流 日本人含む5000人以上が行方不明に
記者
「行方不明者の写真とともに、多くの遺体の写真も貼られています」
ここはネパールの首都カトマンズの病院です。
壁一面に貼られた写真。家族の情報を得ようと、ひっきりなしに人々が訪れ、写真一枚一枚を確認しています。
土石流の発生から9月2日で1週間。家族の帰りを待つ人たちの体力は、限界に近づいています。
8月25日、世界各国から集まったトレッキング客や巡礼者たち。目の前には、ネパールと中国の国境検問所が見えます。
この翌日、大規模な土石流が発生しました。
行方不明者は日本人5人を含め5399人。(日本時間2日 午後2時時点)被害の全容がいまだ見えないなか、懸命な捜索活動が続いています。
懐中電灯の明かりを頼りに進む隊員たち。
救助隊員
「誰かいないか!誰か!」
土石流で11の水力発電所が被害を受けたとされていて、639人もの作業員が取り残されています。(ロイター9月2日)
救助隊員
「ここから先は無理だ。向こうは水があって行けない」
土砂で入り口が分からないところもあり、捜索活動は難航しています。
「ロケットのような」濁流 目の前で妻を流された男性
JNNは自宅で濁流に襲われながらも奇跡的に命をとりとめた男性に話を聞くことができました。
バッタさん(48)
「地面が揺れて(濁流が)ロケットのように押し寄せた。長い時間、水の渦に巻かれた。思い出したくないほど怖かった」
頭を負傷しながらも、流木や電線にしがみつき、助かったというバッタさん。
しかし…
バッタさん
「妻は行方が分からなくなりました」
一緒にいた妻が目の前で流されてしまったのです。
バッタさん
「(妻の)手をつかんで逃げていたが、とてつもない流れで引き離されてしまった。妻がいなくて寂しいです」
難航する捜索活動 DNA検査で身元確認も
犠牲者はネパール側だけで1118人、中国側は21人に上ります。(日本時間2日午後2時時点)遺体の損傷が激しいことなどから身元の確認は難航しています。
雨が降りしきる中、次々と埋葬される遺体。身元特定ができるまでの間、一時的に埋葬しているのです。
記者
「カトマンズの警察病院では、行方不明者の家族らがDNAサンプルを提供しに続々と訪れています」
夫が行方不明になっている女性
「夫が行方不明です。息子の血液でDNA検査をしに来ました。(夫は)働いてご飯を食べさせてくれた。でももういません」
約160万人が災害の影響を受けたとされています。