【米中間選挙】トランプ共和党が劣勢?支持率32%で“38年の牙城”も危機…最大の争点は「生活費の高騰」日本への影響は【Nスタ解説】
アメリカ・トランプ政権への有権者の評価となる中間選挙の投票がいよいよ日本時間の11月3日の夜、始まります。
【写真を見る】米中間選挙 最新の情勢は?(11月2日午後4時ごろ時点)
共和党の劣勢が伝えられるなか、今後の政権運営はどんな影響を受けるのでしょうか?
まもなく米中間選挙が開幕 最大の争点は「物価高」
高柳光希キャスター:
いよいよ日本時間の3日夜からアメリカでは中間選挙が始まります。
トランプ政権は有権者からどのような評価を下されているのでしょうか?
ワシントン市内で行った最後の演説でトランプ大統領は、「民主党は米国史上最も過激で危険な候補者を選んでいる。失敗を続けてきた連中にこの国を破壊させるわけにはいかない」と話し、野党・民主党を激しく批判しました。
トランプ大統領の最新の支持率は、「支持」が32%と厳しい状況となっています。
【トランプ大統領の支持率】(※ロイター世論調査 11月2日時点)
支持:32%
不支持:64%
その主な原因とされているのが、2025年4月の「相互関税」と、2026年2月の「イラン攻撃」です。これらによって、アメリカでは「生活費の高騰」が起きています。
トランプ大統領は9月、「両院で勝利したら、国民1人(成人)あたり5000ドル(約79万円)支給する」と述べましたが、「生活費の高騰」は選挙戦にどのように影響するのでしょうか。
JNNワシントン支局 大橋純 記者:
選挙戦最終盤となりますが、やはり有権者の最大の関心事は「物価高」だと思います。
2024年の大統領選挙時も、物価高は大きな問題となっており、当時トランプ氏は「自分なら物価高問題をすぐに解決できる」とアピールし、それが勝利につながったとも言われています。
しかし、実際には物価高はむしろ酷くなっています。その原因は、トランプ関税による輸入品の値上がりや、イランとの戦争による燃料価格の高騰です。
そのため、有権者としては「騙された」「こんなはずじゃなかった」という思いが広がっているようです。
上下両院で共和党劣勢の予測も…最新の情勢は?
高柳キャスター:
トランプ大統領率いる「共和党」の情勢はどうなのでしょうか。(※クック・ポリティカルレポート 11月2日時点)
435全議席が改選される「下院」の現状は「共和党」が過半数ですが、最新予測では、野党「民主党」が過半数で、「共和党」は大きく議席を減らす予想です。
【下院(435議席)】
▼現状
共和党:218
民主党:214
無所属:1
欠員:2
▼予測
共和党:195
民主党:222
接戦:18
3分の1が改選される「上院」の現状は「共和党」が過半数ですが、最新予測では野党「民主党」があと3議席で過半数に届く計算となり、 やや優勢になっています。
【上院(100議席)】
▼現状
共和党:53
民主党:47
▼予測
共和党:46
民主党:48
接戦:6
「下院」「上院」ともに、共和党に厳しい予測です。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
選挙を前にすると、多くの人はつい「結果次第で事態が劇的に変わるのではないか」と考えがちですが、私はそれほど大きな変化はないのではないかと見ています。
これまでの歴史を振り返れば、大統領と上下両院の多数派が異なる政党であったとしても、双方が対話と交渉を重ねてきており、これこそが本来の民主主義の姿だと思います。
しかし、現在のアメリカではそうした対話や議論が極めて成立しにくくなっているため、結果として政治が動かない状態に陥るのではないでしょうか。
仮に民主党が上下両院、あるいはいずれかを制したとしても、トランプ大統領に拒否権があるため、政策を押し返されることになります。そうした点からも、今後の2年間で現状が大きく変わるとは考えにくいと感じています。
井上貴博キャスター:
そもそも中間選挙は、歴史を振り返ると大統領の与党側が敗北することが大半です。つまり「負けることが前提」であり、焦点は「どの程度議席を減らすのか」というところにあると思います。
また、近年の日本と同様に、メディアの世論調査と実際の選挙結果が大きく乖離する時代に入っていると感じます。特にトランプ大統領の場合、熱狂的な支持層がどう動くかは事前に読み切れません。
メディアは終盤まで「共和党は厳しい」と報じがちですが、これまでを振り返れば、その予測を覆してきた歴史もあるため、冷静に結果を見守る必要があると考えます。
上院接戦は6州へ…“牙城”テキサスではトランプ離れも?
高柳キャスター:
上院の接戦州について、2日までは7つの州で接戦となっていました。
しかし、現在はミシガン州がやや民主党に優勢となったことで、現在はアラスカ州・アイオワ州・オハイオ州・カンザス州・テキサス州・メーン州の6つの州で接戦となっています。
その中でもテキサス州は、38年間共和党が勝利を続けてきましたが、今回はやや民主党が優勢となっているようです。何が起きているのでしょうか。
JNNワシントン支局 大橋純 記者:
原因の1つが「中南米出身者=ヒスパニックの人々のトランプ離れ」です。
2024年の大統領選挙では、トランプ大統領の物価高対策に期待したかなりの数のヒスパニックの人々がトランプ大統領に投票したと言われています。
しかし、政権発足後は移民対策として不法滞在者の取り締まりを強化しました。この中で、合法的にアメリカに暮らしている中南米出身者も当局から声をかけられたり、犯罪者扱いされたりといったケースが相次ぎました。
これにより恐怖を感じたり、プライドを傷つけられたりといったことから、今回はトランプ大統領の側には投票したくないという人が増えています。この動きが選挙全体に大きな影響を与えるとみられています。
敗北すれば“派手な外交”へシフト?日本への影響は…
高柳キャスター:
世論調査の結果を見ても共和党が劣勢に見えますが、もし負けた場合、日本への影響はどうなるのでしょうか。
JNNワシントン支局 大橋純 記者:
投票が終わってみないと分かりませんが、世論調査を見る限り、共和党が選挙に負けて議会の主導権を失う可能性は十分に出てきています。
そうなると、トランプ大統領が大胆な国内政策を打ち出すのはかなり難しくなるため、「外交」で派手な成果を出そうとするのではないかと多くの人が予想しています。
もし日本の頭越しに、中国やロシア、北朝鮮を相手に安全保障に関わるような取り決めを行う事態になると深刻な状況になりかねません。
井上キャスター:
外交は「フリーハンド」になるので、そうした局面で、同盟国のなかでも信頼関係の厚い日本の高市総理が、言うべきことをしっかりと伝えられるのか。
もしそれができれば、国際社会における日本のプレゼンスは一段と高まるのではないかと感じます。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
正直なところ、トランプ大統領の視野には、日本はそれほど入っていないと見ています。
むしろ関心はキューバへの対応や、イランをめぐる情勢をどう収拾するかといった方に向けられているのではないでしょうか。2028年の大統領選を見据え、そうした方向に舵を切るのではないかと感じます。
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<プロフィール>
大橋 純
JNNワシントン支局
アメリカ「節約生活」3年目
ポッドキャスト番組「週刊ワシントン」配信中
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者
タカラトミーで社長務めV字回復
オランダ出身 日本在住30年超