日本で愛されている食材のひとつともなる「タラバガニ」。
長~い脚にかぶりつくのは、食べごたえもあって満足感抜群です。
カニの王様といわれることもあるタラバガニですが、実はヤドカリの仲間であって、正確にはカニではないんだとか。
どこからどう見てもカニに見えますが、実はヤドカリと同じ特徴を持っているんですよ。
そこでここでは、タラバガニがヤドカリの仲間であることが分かる特徴や、カニとの違いについて解説いたします。
タラバガニとは?
大きな体と長い脚が特徴的なタラバガニは、約25㎝の甲羅から生える長い脚を伸ばすと、体長1m以上にもなります。
生息域
タラバガニの生息域は、北海道周辺の日本海、オホーツク海。
海外に目を向ければ、ロシアのカムチャッカ半島周辺のベーリング海、アラスカ沿岸の北極海近辺などです。
北海道周辺では水深350mほどの砂泥底に生息しています。
ちなみに、日本ではメスのタラバガニは捕獲禁止になっているため、市場に出回っているメスは輸入品だったりします。
生態
棘状の突起で覆われた甲羅に、大きなハサミが1対と長い脚が4対生えている、タラバガニ属の十脚甲殻類です。
タラバガニ属とその下位分類には、タラバガニの他にもハナサキガニ 、アブラガニなどが分類されています。
肉食のタラバガニは多毛類、貝類、棘皮動物、小魚を捕食して生きており、その寿命は15年ほどです。
カニとの違い
名前に「カニ」と付いているタラバガニですが、実はヤドカリの仲間だったりします。
顔立ちを見比べてみてください。ズワイガニよりもヤドカリに似ていると思いませんか?
その他にも、ヤドカリと同じ特徴を備えている部分があるんですよ。
ヤドカリ類
タラバガニは、エビ目・ヤドカリ下目・タラバガニ属に分類される甲殻類の一種で、ヤドカリの仲間に含まれます。
縦に歩ける
カニは、その多くが横方向に歩くカニ歩きで移動します。
しかし、タラバガニはヤドカリと同じく縦方向にも歩くことができるのです。
カニミソが美味しくない
タラバガニにはカニ味噌がほとんど入っていません。
入っていたとしても味が悪いため、一般的に食べられることはありません。
脚が少ない
通常カニには1対の鋏脚と4対の歩脚、合わせて「5対10本」の脚があります。
しかし、タラバガニは大きな鋏脚が1対と歩脚が3対で合計4対の脚しかないように見えます。
実は、タラバガニの5対目の脚はとても小さく、甲羅の中に隠されているのです。
甲羅の中に隠された脚は、お腹の中に溜まるゴミを排出しエラの掃除をする役割を持っています。
これはヤドカリの特徴と同じで、4対8本に見えるヤドカリの脚ですが、貝殻の中に残り1対の脚が隠されているんですよ。
ちなみに、鋏脚の大きさは左右で違うのですが、これは生息する海域に関係しています。
右の鋏脚が大きいのは寒海性、左の鋏脚が大きいのは暖海性の特徴です。
北の海に生息しているタラバガニは、右の鋏脚が大きいんですね。
腹が左右対称じゃない
貝殻に入って生活しているヤドカリは、貝殻の中に入りやすいよう腹部が柔らかく右方向にねじれています。
そして、卵を抱える役割の腹肢は、左側にしかありません。
タラバガニのメスも腹部が右側にねじれ腹肢が左側にしかないという、ヤドカリと同じ特徴を持っています。
タラバガニの名前の由来
ヤドカリの仲間であるタラバガニ、その名前はどのように付けられたのでしょうか。
漢字表記は「鱈場」
タラバガニの生息域である北海道周辺の日本海やオホーツク海は、タラの漁場でもあります。
そこから「鱈場(たらば)」と名前が付けられ、「タラバガニ」と呼ばれるようになりました。
タラバガニの名前が広く普及していったため、カニの仲間ではないと判明してからも改名することなくその名前はそのまま使われていると。
また、当て字で「多羅波蟹」と表記されることもあります。
まとめ
カニの王様ともいわれるタラバガニですが、実ははヤドカリの仲間です。
顔がヤドカリとタラバガニはソックリであったり、前に歩けるといった特徴など共通してる体の構造もいくつかあります。