イベントの際に欠かせないものの1つ、それが「くすだま」です。
現代の「くすだま」は祝い事の際に使用されることが多いです。
しかし、そもそもこれら「くすだま」はどこから来たものなのでしょうか?
今回はそれら「くすだま」について紹介します。
特に由来や語源とされるものについて解説します。
現在の「くすだま」
まずは現代の「くすだま」がどのようなものか見ていきましょう。
「くすだま」の形状
そもそも「くすだま」がどのようなものなのかというと、薬草や香草や香料を錦の袋に詰めて袋状にしたものを言います。
その袋状の玉に造花などで飾り付けをするのが定番です。
それらを天井から五色の糸で垂らして飾るのが「くすだま」です。
近年では折り紙などを張り合わせて作るものも多くなっています。
今では特に深い意味はないものの、昔は延命長寿や無病息災の願いが込められていたのだとか。
現在イベントなどで用いられる「くすだま」は、ほとんどが割り玉と呼ばれるものとなっています。
「くすだま」が使用される場面
現在ではイベント用の装飾、特に割り玉として使われます。
本来の「くすだま」は必ずしも割るものではありません。
しかし、近年は「くすだま=割り玉」という印象が強いです。
特に現代の「くすだま」は紙吹雪やテープ、鳩などを入れて使用する派手なものが多いとされます。
くすだまの由来
では「くすだま」はどこから来たものなのでしょうか?
原型は中国から伝わった「薬玉」
「くすだま」の原形は中国から伝わった「薬玉」とされています。
かつて中国では魔除けに使用する道具として「薬玉」を飾っていたそうです。
特にそれら「薬玉」を端午の節句などに使用していたのだとか。
それが平安時代に日本にも伝来したと考えられています。
事実、日本でも端午の節句で魔除けとして使用していた歴史があるそうです。
宮中文化として定着した「薬玉」
昔、宮中では5月5日に「薬玉」を下賜する風習がありました。
特に平安時代の宮中では諸人肘に「薬玉」をかけて長命のおまじないとしたのだとか。
さらに、9月9日重陽の節供(菊の節供)の際には菊花を絹に包んだものと取り替える風習もあったそうです。
これらは現代の「くすだま」とは若干異なるが、その原形になったとされとされています。
事実、当時貴族の間で贈答も行われていたことが「枕草子」「源氏物語」などに記載されています。
つまり、「くすだま」は平安時代からあったものなのです。
現在のくす玉が普及したのは年末のあの番組?!
現在の「くすだま」が定着したのはある番組が関係しています。
最後にそれら「くすだま」が普及した背景をまとめます。
「紅白歌合戦」の演出で使われたのが定着した?
「くすだま」はNHKの「紅白歌合戦」の演出として用いられたのが、定着したとされています。
事実、1955年の第6回「紅白歌合戦」で使用されています。
当時は優勝したチームがそれら「くすだま」を割り、華やかなフィナーレの演出として活用されていたようです。
ちなみに、紙吹雪・風船・紙テープを使用した演出も「紅白歌合戦」からだと言われています。
縁起物なので「久寿玉」とも表記される
「くすだま」は縁起物という意味で「久寿玉」とも表記されます。
近年でもそういった表記がされていることもあります。
また、この表記は岐阜の日本酒の名前にも使用されているそうです。
これは百薬の長という意味の「薬玉」にちなんでいるのだとか。
このように「くすだま」は日本にとって重要な役割を持つ縁起物の1つとされているのです。
まとめ
「くすだま」はイベントなどで使用される割り玉を指します。
しかし、もともとは中国の「薬玉」と呼ばれるものが原型で、それが平安時代に日本に伝わってきたとされています。
それがNHKの「紅白歌合戦」で一般にも広まったのだとか。