「舌を巻く」とはどんな意味の言葉?その対象となるのはどんな人?

2023-04-13 01:30

あまりにも優れていて驚くことを「舌を巻く」と言います。
これらはあまりの凄さに圧倒される様子を表現した言葉です。
しかし、なぜそれが「舌を巻く」なのでしょうか。

今回はそれら「舌を巻く」という言葉について解説します。
特にここではその意味はもちろん由来や語源、対象となる人などについて説明します。

「舌を巻く」とは

まずは「舌を巻く」の意味について見ていきましょう。

「舌を巻く」の意味

「舌を巻く」とはあまりにも優れていて驚くことを言います。
あまりの凄さに圧倒されるようなことを意味する言葉です。
逆に威圧されて沈黙してしまうようなことも意味します。

平たく言えば、とても驚くような状況で使用する表現です。
中でも予想していた以上のことが起きて驚く感嘆表現の1つとされています。

「舌を巻く」ことになる対象となるのは・・・

では「舌を巻く」は誰が対象となるのでしょうか?
相手が「舌を巻く」のでしょうか?
それとも自分が「舌を巻く」のでしょうか?

その対象は自分となります。
つまりは自分が驚いて舌を巻いている状況を表すのです。
これは自分が驚いている様子に対して使用するのが基本です。

ただし、相手の言動に対して使用することもあります。
その際は自分と同じ立場の人や目下の人に対して使用します。
逆に目上の人に対しては失礼な表現となるので、その点は注意が必要と言えるでしょう。

「舌を巻く」の由来

これら「舌を巻く」はどこから来た言葉なのでしょうか?
ここからは「舌を巻く」の由来や語源についてまとめます。

由来は古代中国の歴史書『漢書』の一文から

「舌を巻く」は古代中国の歴史書「漢書-揚雄伝」にある一文から来ていると考えられています。

そこには「礼官博士巻其舌而不談」という記述があります。
これは舌を丸めて口の奥に入れている様子を意味するのだとか。

転じて、あまりの状況に驚いている様子を「舌を巻く」と表現するようになったとされています。

実際に喉の奥に丸まった舌が入った状態では言葉が出ません。
その様子から驚いて何も言えなくなるような状況を意味するようになったと考えられます。

その一方、似たような言葉に「息を巻く」や「巻き舌」という表現もあります。
ただし、これら「息を巻く」「巻き舌」は別の意味を持つ言葉なので注意しましょう。

「舌を巻く」の類義語

最後に「舌を巻く」の類義語について見ていきましょう。
「舌を巻く」の類義語には「言葉を吞む」「瞠目」「脱帽」など感嘆に関する言葉が並びます。

言葉を呑む

「言葉を呑む」は言葉を途中でやめてしまうことを言います。
これらは驚きのあまり何も言えなくなってしまうような状況を指す表現です。

中でも感動などで言葉に詰まる様子を意味します。
それらの点が「舌を巻く」と似ているのではないでしょうか。

ただし「言葉を呑む」は相手の気持ちを察して急に言うのをやめることも指す言葉となります。
そのため、少しニュアンスや意味合いは異なるかもしれません。

瞠目

「瞠目」とは目を見張ることを言います。
実際に自分の目で見て驚き、感心することを意味します。
それら驚いている様子を表すのが「舌を巻く」と同じです。
どちらも感嘆の言葉であるところも共通しています。

脱帽

「脱帽」とは帽子を脱ぐことを言います。
これらは相手に敬意を示すことを意味するのだとか。
特に他人の言動などに対して感服することなどを指します。
それらの点が「舌を巻く」と似ていると言って良いでしょう。

まとめ

「舌を巻く」とは実際に舌を巻いている様子を指した言葉です。
これはもともと古代中国にあった言葉とされています。
それが現代では感嘆の表現として使用されているわけです。

特に現代ではあまりにも優れていて驚くことを言います。
中でも相手に感激しているような様子が含まれるため、褒め言葉として使用しましょう。

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