外面の美しさと内面の飾り気のなさの両方が調和している人のことを「文質彬彬(ぶんしつひんぴん)」と表現します。
これらは単に外側だけでなく内側も優れている人のことを賞賛する四字熟語となります。
しかし、そもそも「文質」や「彬彬」は何を表しているのでしょうか?
今回はそれら「文質彬彬」という言葉について解説します。
ここではその意味はもちろん由来や語源についても説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
「文質彬彬」とは
まずは「文質彬彬」の意味について見ていきましょう。
「文質彬彬」の意味
「文質彬彬」とは外面の美しさと内面の飾り気のなさが調和していることの例えです。
磨かれた教養や態度と飾らない本性が調和していることの例えとして使用されます。
これらは外身と中身のバランスが取れていることの例えとして使用されます。
現代風に言えば、容姿が良くて性格も良い人を言った言葉となるでしょう。
ただし、これらの言葉には本人の態度や行儀、素行や品行、言動や振る舞いなども含まれています。
そのため、単に見た目だけが良いだけではなく、それを支える土台も調和できているかが重要となるわけです。
それらの点で両方を兼ね備えている人を「文質彬彬」と表現するのだとか。
これらは主に褒め言葉として使用されます。
そこは人に言う場合も言われる場合も前向きに受け取って良い言葉と言えるでしょう。
「文質彬彬」の成り立ち
では「文質彬彬」はどこから来た言葉なのでしょうか?
ここからは「文質彬彬」の成り立ちについてまとめます。
特に「文質」「彬彬」に分けて由来や語源をまとめていくので、それぞれ見てみましょう。
「文質」とは
「文質」は「文」と「質」のそれぞれから成り立っている言葉となります。
「文」とは文様のことで、人の容貌の美しさを意味します。
「質」とは本質や実質のことで、人の飾らない人柄を意味するそうです。
つまりは内外両方の調和が取れている人を意味するのです。
ちなみに、これらは「文質」のどちらかだけが勝っていても調和しません。
例えば「文」だけに特化すれば軽薄に見えてしまいます。
逆に「質」だけに特化していても野暮に見えてしまうでしょう。
つまり、その両方があってこそ人は優秀であるということを言ったのが「文質彬彬」となります。
「彬彬」とは
「彬彬」は違うものが程よく釣り合っていることを言います。
これらは「彬」の1文字だけで両者が備わっていることを表します。
そのため、実際には「文質彬」でも通じるわけです。
しかし、ここでは同じ意味の言葉を重ねることでその意味を強調している形となっています。
つまりは普通よりもさらに調和していて良いことを表現しているのが「文質彬彬」となるわけです。
由来は『論語』の一節から
「文質彬彬」は「論語-雍也」から来た言葉だとされています。
論語とは孔子と弟子たちとの問答を収録した書物のことです。
そこに「文質彬彬」という言葉の他、それに準じたやり取りが出てきます。
そこから来たのが「文質彬彬」となります。
まとめ
「文質彬彬」は外も中もうまく調和していることを言います。
特に外見が良くて内面も良い人などへの賞賛の言葉として使用されます。
実際にどちらか片方優れていたとしても、その人全体が優秀だと言えるかどうかは判断が難しいところです。
しかし、両方が調和していれば優れた印象を受けます。
それらを表現したのが「文質彬彬」となります。
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