海に行くと、近くを飛んでいる白い鳥に目を奪われることもありますよね。
それがウミネコなのか、それともカモメなのか、みなさんは判断できますか?
一見するとウミネコもカモメもかなり似ていますが、明確な違いがあります。
今回はそれぞれの違いについて解説していきます。
ウミネコとカモメの違い
ウミネコとカモメの2種はたしかにそっくりですが、観察を深めれば分かる違いがあるようです。
見かける時期の違い
まず、ウミネコとカモメでは見かける時期が違います。
通年で日本にいるのが「ウミネコ」で、いつ海に行っても出会うことができます。
それに対して、夏の渡り鳥ということもあって、夏にしか日本で見かけないのが「カモメ」です。
意外なことにカモメは冬になると見られなくなってしまうんですね。
生息地の違い
ウミネコとカモメは、生息地に関しても違ってきます。
ウミネコは、沿岸部から河口部そして内陸にも生息します。
カモメは、沿岸部や河口部、干潟に生息しています。
内陸地で見かけたら、基本的にウミネコということですね。
クチバシの違い
ウミネコとカモメではクチバシに大きな違いがあります。
見た目で判断するのなら、クチバシに注目しましょう!
ウミネコはクチバシの先に赤や黒の模様があります。
それに対して、カモメはクチバシに模様がありません。
時折赤みがかった模様がクチバシの一部にある程度です。
この見分け方なら、至近距離にいるウミネコかカモメかの判別ができます。
羽の違い
ウミネコとカモメは、翼や尾の色の違いでも判断できます。
ウミネコの尾には黒い帯がありますが、カモメにはありません。
逆にカモメの翼には白い斑点がありますが、ウミネコにはそれがありません。
成鳥の姿形を見てみるとわかりやすいですね。
ただし、幼鳥の場合は模様が違うこともあるため、見分けるのは難しいかもしれません。
ウミネコとカモメの共通点
ウミネコとカモメがよく間違われるのは、共通点が多くあるからとも言えます。
この項目ではそれぞれが持つ共通点について見ていきましょう。
分類学上は非常に近しい分類
ウミネコもカモメも、チドリ目カモメ科カモメ属に分類される鳥類の一種です。
つまり分類学的には、ウミネコもカモメの一種ということになります。
ウミネコとカモメは非常に近しい仲間という事なんですね!
大きさもほとんど同じ
遠くから見て、ウミネコなのかカモメなのか分かりづらいのは、その大きさがほとんど同じだからとも言えます。
どちらも40cm台の大きさの個体がほとんどで、遠くから見たらほぼ同じに見えてしまいます。
種類豊富なカモメ属の仲間
そもそもカモメ属だけでも様々な種類がおり、似ているものも多いです。
ここからはそんなカモメ属の中でも、特にメジャーな種をご紹介します!
最大種のオオカモメ
オオカモメは、カモメの仲間の中で最大種といわれている種類です。
その大きさは、60cm~70cmほどになります。
日本で見られるカモメが40cm前後なので、1.5倍ほど大きいです。
都鳥のユリカモメ
カモメの仲間で日本人にも多く名前が知られているのが、ユリカモメです。
日本の古典・伊勢物語に登場する都鳥はミヤコドリのことではなく、ユリカモメのことであるという説が有力です。
それは都鳥の姿について体が白く、くちばしと脚が赤い、と描写されているからです。
ミヤコドリの姿は頭部から尾にかけての背面が黒で、腹部が白となっているので、伊勢物語で書かれた姿とは異なります。
この描写にはさらにつづきがあり、大きさはシギほどで、水上で魚を食べるとあります。
ユリカモメはいずれの条件にも合うことから、都鳥はユリカモメのことだったのだろうと考えられています。
ボナパルトカモメ
ボナパルトカモメは、白い胴体に黒い頭が特徴のカモメです。
クチバシが黒いという点も他のカモメと違います。また、大きさも30cm前後と他のカモメに比べて小さいのが特徴となっています。
まとめ
海で見かける鳥として代表的なウミネコやカモメ。
これらの鳥は、カモメ属の動物なので似ている点も多くがあります。
しかし、くちばしや羽根に違いがあるようですよ!