とても困っている時や悩んでいる時に発するため息のことを「青息吐息(あおいろといき)」と言います。
それら元気のない様子を指す言葉としても使用されます。
しかし、なぜそれが「青息吐息」と表現されるのでしょうか?
今回はそれら「青息吐息」という四字熟語について解説します。
ここではその意味はもちろん、成り立ちや類義語についても説明します。
「青息吐息」とは
まずは「青息吐息」がどのような言葉なのかを見てみましょう。
「青息吐息」の意味
「青息吐息」とはとても困った時や苦しい時に発する元気のないため息のことを言います。
これらは大きな疲労やストレスが蓄積され、心身ともに疲れ果ててしまっている様子のことも指します。
事実、そういった状況の時は誰もでも辛そうな息づかいをしてしまうものです。
それら元気のない息遣いのことを「青息吐息」と表します。
嫌なため息が出そうな状況を指すこともある
「青息吐息」は単純に嫌なため息が出そうな状況を言うこともあります。
例えば、仕事などでは不本意なことを任されることもあります。
その際、嫌なため息が出そうな状況を表して「青息吐息」と表現することがあるわけです。
そこは本来の意味とは少し違うので、使用する際は注意が必要となります。
「青息吐息」の由来
では「青息吐息」とはそもそもどこから来たのでしょうか?
ここからは「青息吐息」の成り立ちについてまとめます。
「青息」とは
「青息」は辛い時に漏れてしまう息のことを意味します。
これらの漢字が使用されている背景には諸説あるとか。
1つ目の説が青ざめて息を吐くからというもの。
もう1つの説が大息から転じたというもの。
とにかく元気のない時に漏れる言葉を「青息」と言います。
「吐息」とは
「吐息」は単にため息のことを意味します。
これは「青息」という熟語に重ねた表現です。
実際に似た熟語を重ねることで語調が整います。
「青息吐息」はそれら似た熟語を重ねた四字熟語なのです。
もちろん、それによって意味が強まる効果があるのも事実です。
「青色吐息」ではないので注意!
「青息吐息」はよく「青色吐息」と間違われるようです。
しかし、あくまでも「青息吐息」は幻滅した時や困窮した時などに出るため息のことを言います。
もしくはそういった状況に陥っていること全般を意味する四字熟語となっています。
そのため「青色吐息」という漢字表記とは別物となるでしょう。
古くから気分が悪い時などは「顔が青い」などと表現されます。
そこから「青色」と勘違いしてしまう人がいると考えられます。
なお、高橋真梨子さんの楽曲である「桃色吐息」という言葉に引きずられたという見方もありますが、これは確かではありません。
「青息吐息」の類義語
最後に「青息吐息」の類義語についても見ておきましょう。
「青息吐息」の類義語には「虫の息」や「四苦八苦」があります。
虫の息
「虫の息」とは今にも呼吸が絶えてしまいそうなほど弱々しい状態のことを言った言葉となっています。
それらの弱り果ててしまっている際に漏れる呼吸のことを言うこともあるとか。
これらは肉体的に追い詰められているような状況も含まれます。
そういった意味では精神的に追い詰められていることの表現として多く使用される「青息吐息」とは若干ながらニュアンスも違ってくるかもしれません。
ただ、どちらも参ってしまっている状態を意味する点は共通しています。
四苦八苦
「四苦八苦」は非常に困ったり苦しんだりする状態のことです。
耐え難いような辛さに苛まれることを言う四字熟語とされます。
これらはもともと仏教用語の1つだったとか。
事実、仏教の世界ではあらゆる苦痛を意味する言葉とされます。
「四苦」は生・老・病・死という4つの苦痛を意味するそうです。
「八苦」はそこに愛別離苦・怨憎会苦・・求不得苦・五蘊盛苦を加えたものとされています。
要はとにもかくにも数え切れないほど苦痛がある状態を言う言葉と言えるでしょう。
それらの点が「青息吐息」にも重なります。
まとめ
「青息吐息」は元気のない時に出るため息のことを言います。
これらは特に困っている時や悩んでいる時に出るため息のことを表現した四字熟語となっています。
その一方、「青息吐息」にはそれら元気のない状態そのものを指すこともあるようです。
その点は使用の際に注意が必要かもしれません。