アイスやケーキなどを持ち帰る時に使うドライアイス。
水に入れるとシュワシュワと煙を出す様子が楽しくて、子供の頃によく遊んだという方も多いのではないでしょうか。
ドライアイスの煙の正体というと「二酸化炭素」があげられることが多いかもしれませんが、実はドライアイスの煙の正体は二酸化炭素ではないようなのです。
そこでここでは、ドライアイスの煙の正体やドライアイスの基礎知識を解説します!
ドライアイスとは?
意外と知らないドライアイスの正体とは・・・。
主成分はよく知られた二酸化炭素
ドライアイスの主成分は、二酸化炭素です。
空気中に存在する二酸化炭素に特殊な装置で圧力をかけ、冷却して固体にしたものがドライアイスです。
ドライアイスの歴史
ドライアイスが誕生したのは、1835年のフランス。
アドリアン-ジャン-ピエール・ティロリエという発明家が実験の中で、自ら作成した装置で作った液化二酸化炭素が固体になる現象を確認したのが最初でした。
現在のようにものを冷やす目的での使用が提唱されるようになったのは、1895年のイギリス。
エルワシーとヘンダーソンという科学者がドライアイスの製法を特許取得したことがきっかけです。
その後、1924年にはアメリカのトーマス・スレートという人物がドライアイスの製造・販売を行うようになりました。
「ドライアイス」という名称が一般的になったのは、1925年にアメリカでドライアイスの販売を始めた「ドライアイス社」がきっかけ。
ドライアイス社はこの「ドライアイス」という名称を商標登録していました。
ドライアイスの白い煙の正体は?
ドライアイスの原料は二酸化炭素。そのため、ドライアイスから出てくる煙も二酸化炭素だと思わるかもしれませんが、実はそれは間違いなのだとか!?
二酸化炭素は白くはならない!
ドライアイスそのものを見ればわかるように、固体の二酸化炭素は白い色をしています。
ですが、気体になると二酸化炭素は無色透明になります。
私たち人間は呼吸の際に二酸化炭素を吐き出していますが、吐き出した空気は無色透明ですよね。
そのため、二酸化炭素は無色透明であることがわかるかと思います。
水に入れると白い煙が出る!
ドライアイスの白い煙は、気化した二酸化炭素によって空気中の水分が冷やされ、水蒸気になった霧や雲と同じようなものというのが白い煙の正体だと言われています。
しかし、ドライアイスは水に入れると白い煙が出ますが油などに入れると白い煙は発生しないのです!
水に入れると白い煙が発生するのは、水がドライアイスに冷やされて細かな氷になり、空気中に舞っているためだと考える意見もあるそうです。
空気中の水分か、直接ドライアイスを入れた水か、どちらにしても、白い煙は二酸化炭素ではなく、二酸化炭素に冷やされた水分のようです。
実はその正体はよくわかってはいない
ドライアイスの煙の正体が水というのは、現在ではあくまでも推定の域を出ないのだとか。
ドライアイスの煙の正体は、まだ科学的には証明されていないのだそうです。
意外と知らないドライアイスの製造方法
ドライアイスは現在、どうやって製造しているのでしょうか?
製造方法は結構複雑
ドライアイスの製造方法は意外と複雑。
製油所やビール工場などから発生した副産物としての二酸化炭素を用意して精製したものを、加圧圧縮した後に冷やして液体にします。
液体にした二酸化炭素に急速に圧力をかけると、気化熱が奪われることで粉末状の固体になります。
粉末になった二酸化炭素をプレス機で成形したら、やっと見慣れたドライアイスの姿になるんですよ!
取り扱いには注意が必要
子供たちがおもちゃにしたりもするほど親しみ深いドライアイスですが、実は取り扱いには注意が必要。
二酸化炭素中毒になる可能性
二酸化炭素は中毒性の高い成分です。
そのため、ドライアイスから発生する二酸化炭素を大量に吸い込んでしまうと、高濃度二酸化炭素で酸欠状態になってしまうんです。
二酸化炭素は低い位置に溜まる性質があります。
そのため、ドライアイスの煙が容器の底や床などに沈殿していた場合、そこにはあまり顔などを近づけないようにしましょう。
爆発の危険も!
ドライアイスは密閉されると爆発する危険性もあります。
ドライアイスの原料の二酸化炭素は非常に高濃度に圧縮されています。
気体に変化した場合の体積は固体時の750倍にもなるのだとか!
その為、密閉状態では中の気体が膨張し爆発を起こしてしまうのです。
ペットボトルなどにうっかり入れて密閉してしまうと爆発してしまう危険性があるので、絶対やめましょう!
【まとめ】意外と知らないドライアイスの煙の正体!
意外と知らなかったドライアイスの煙の正体。
なんと二酸化炭素じゃなかったとは、意外ですね!
でも、ドライアイスに高濃度の二酸化炭素が含まれているのは事実ですので、事故の原因にならないように取り扱いには注意しましょう!