「Koko」は手話を使って人間と会話できる特別なゴリラです。誕生日の贈り物に「猫」をリクエストし、やってきた子猫を愛し一緒に遊びました。その後も2匹の子猫をペットに迎えてかわいがったのです。
手話を覚え、意思疎通できるゴリラ
ゴリラのKokoは、1971年7月4日にサンフランシスコ動物園で生まれました。アメリカの独立記念日だったため、打ち上げられる花火にちなんで「花火子」という日本風の名前がついたのですが、みんなからは「Koko」の愛称で呼ばれました。
生まれた当時は体が弱かったため、Frances Patterson博士(愛称「Penny」)に預けられ、彼女から手話を学びました。1985年までにKokoの語彙は約500語にのぼり、毎日100語以上の単語を使いこなしていたといいます。
12歳の誕生日を前に、Pennyさんが「何が欲しい?」と聞いたところ、Kokoは手話で「猫」と答えたのです。彼女はKokoに長年絵本を読み聞かせていたので、猫の絵本がお気に入りだとわかっていました。そこで頑丈な猫のおもちゃを買ってあげたのです。
ところが、Kokoはまったく興味を示しません。このゴリラが望んでいたのは、本物の猫を自分のペットにすることだったのです。
念願の子猫をペットに迎えたものの…
その半年後、母のいない3匹の子猫が連れてこられました。このうちKokoは尻尾のないトラ猫をとても気に入ったようです。もしかしたら、ゴリラにも尻尾がないからかもしれません。数日後にもう一度3匹を見せたときもこのトラ猫を選んだため、子猫は引き取られることになりました。
子猫は毎晩Kokoと一緒に過ごしました。Kokoは猫に「All Ball」という名前をつけ、とてもかわいがりました。手話で「わたしはBallちゃんが好き」と話し、おんぶをしたり毛にブラシをかけてあげたりしたのです。子猫にゴリラの遊びを教えようともしたのですが、All Ballには理解できなかったようです。
ところが1984年12月の霧の朝、All Ballはゴリラの囲いから逃げ出し、車にひかれて亡くなってしまいました。たった数ヵ月の命でした。
「もう猫に会えない」と知らされると、Kokoは悲しみに暮れました。その様子を報道で知った人々からは、多くのお悔やみの手紙や写真などが寄せられたといいます。
子猫が自分の子供代わりだった?
その後Kokoが「マンクス種の猫がほしい」と話したため、子猫探しが始まりました。やがてそのことを伝え聞いたブリーダーが知り合いに連絡し、南カリフォルニアでマンクスの子猫を見つけました。そして1985年3月、猫がやってきたのです。この茶トラ猫を見たKokoは大喜び。さっそく「Lipstick」と名前をつけました。
後年、Kokoは「Smoky」という名の猫もペットに迎え、かわいがっていました。
まるで母親のように子猫たちをかわいがったKokoですが、自分自身に出産の経験はありません。飼育員がオスのゴリラを紹介しても、よい友達同士にはなるものの、つがいになって子育てをすることは決してありませんでした。
Kokoはカリフォルニア州サンタクルーズ近郊のゴリラ財団保護区で、2018年6月に46歳で亡くなりました。
出典:Koko the gorilla, and her pet kitten All Ball
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