フランス生まれのお菓子、それが「フロランタン」です。
これはキャラメルとアーモンドの相性が抜群なお菓子として知られています。
ただ、その詳細については謎も多い洋菓子です。
そこで今回は「フロランタン」について解説します。
ここでは発祥の地や名前の成り立ちについても説明します。
「フロランタン」はこんなお菓子
まずは「フロランタン」がどのようなお菓子なのかについて見ていきましょう。
「フロランタン」とは
「フロランタン」とはフランス生まれのお菓子のことです。
クッキー生地にキャラメルでコーティングしたアーモンドなどを乗せて焼き上げたお菓子のことを言います。
これは発祥こそフランスとされるもののドイツやオーストリアで好まれているお菓子の一種となります。
日本でも贈り物の定番となっているお菓子です。
「フロランタン」の名前の由来
では「フロランタン」という名前はどこから来たのでしょう。
ここからは「フロランタン」の名前の成り立ちをまとめます。
その名前はイタリアの都市「フィレンツェ」から
「フロランタン」には「フィレンツェの」という意味があります。
フィレンツェとはイタリアを代表とする都市のことです。
つまり「フロランタン」は地名を表す言葉ということです。
では、なぜ「フロランタン=フィレンツェ」なのでしょうか?
名門メディチ家からフランスに王妃として嫁いだ女性が伝えたお菓子
「フロランタン」はカトリーヌ・ド・メディシスがアンリ2世に王妃として嫁ぐ際、イタリアから伝えたと言われています。
カトリーヌ・ド・メディシスは名門メディチ家の生まれの女性で、幼い頃から母も父もいなかったそうです。
そのため、孤児として育てられたのだとか。
そんな彼女は伝えたのが「フロランタン」でした。
実際に彼女はイタリアの先進文化をフランスにもたらしたと言われています。
フィレンツェ料理を宮廷に持ち込み、中世ヨーロッパ共通の食文化からフランス独自の料理を生み出した人物でもあります。
その1つだったのが「フロランタン」だったというわけです。
ちなみに、マカロンやシューも彼女がフランスにもたらしたとされています。
フィレンツェは関係ないという説も・・・
「フロランタン」はイタリアから伝えられたと考えられています。
しかし、フィレンツェは関係ないという説もあるのだとか。
むしろ、パリの菓子職人だったフロランが考案したという説もあるなど詳細は謎が多いです。
このように「フロランタン」の語源には諸説あるので注意が必要となるかもしれません。
「プラリネ」との違い
「フロランタン」と似たお菓子に「プラリネ」があります。
ここからは「プラリネ」との違いについてまとめます。
「プラリネ」はこんなお菓子
「プラリネ」は焙煎したナッツ類に砂糖を加えてキャラメリゼしたお菓子です。
アーモンドやキャラメルを使用するところが「フロランタン」と似ているかもしれません。
しかし、両者は別物と考えておいた方が良いです。
「プラリネ」の発祥
「プラリネ」はフランスで料理人をしていた人物が考案したものとされます。
中でもフランスの貴族プラズランの料理人クレマン・ラサーニュが17世紀に開発したとされています。
当初は彼の名前にちなんで「Prasline(プラズラン)」と名付けられたのだとか。
それが転じて「Praline(プラリネ)」 になったとされています。
日本では、一口サイズのチョコを指すこともある
日本で「プラリネ」といえば「一口サイズのチョコレート」を意味することもあります。
洋菓子店でも「プラリネ」という名で販売されている小さなチョコレートがあります。
ただし、現地の「プラリネ」はキャラメリゼしたナッツ類を意味するのでまた別物です。
そのため、日本の認識とはずれてくるという点に気をつけておきましょう。
まとめ
「フロランタン」はフランスで生まれたお菓子です。
その奇妙な名前にはイタリアのフィレンツェという意味があります。
そもそも「フロランタン」はある貴族の女性がイタリアからフランスに伝えたお菓子だったとされています。
その他にも彼女が伝えたお菓子がいくつかあるとか。
日本では一口サイズのチョコレートを意味することもありますが、現地とは認識が違うので注意しましょう。