フランス語で松の実を意味する食材、それが「ピニョン」です。
ただ、これは日本で知られているものとはまた違うものだとか。
今回はそんな「ピニョン」がどのようなものなのか解説します。
併せて「ピニョン」が持つ他の意味についても説明します。
「ピニョン」とは
まずは「ピニョン」について見ていきましょう。
ピニョンは「松の実」のこと!
「ピニョン」はフランス語で松の実を意味する言葉です。
英語では「パインナッツ」と呼ばれているのが特徴となります。
「ピニョン」はマツ科の植物の種子、その胚乳の部分を指します。
ちなみに、マツ科の植物の種子は100種類以上があるものの比較的大きさがないと食用にはできないそうです。
そのため、食用とされるのは約20種類くらいとか。
「ピニョン」はその中でも古くから食用にされてきた食材です。
日本でもクッキーやタルトなどの焼き菓子によく使用されます。
その他、韓国料理やイタリア料理などで見られることもあるとか。
日本のマツボックリからも取れるの?
日本で食用とされる松の実は一般的なクロマツやアカマツからは取れません。
主に韓国やイタリアの松から取られたものが流通しています。
その海外の松の木にできる種子が「ピニョン」とされています。
つまり、日本の松の実とはまた別物と言えるでしょう。
食用になるならないは松の増え方に違いがある
「ピニョン」はマツボックリにできる種子に包まれた胚乳の部分を言います。
そのマツボックリの種子から取り出されたものが食用となります。
本来、マツ科の植物の中には種子に翼がなく遠くに飛んでいかないのが特徴です。
そのため、リスやネズミやカラスのような貯食行動をする動物に種子を運んでもらい、遠くで発芽するようにできています。
それに耐えられるよう比較的大きな種子を形成するのだとか。
このような大型種子を形成するマツ科の種子が食用とされます。
なお、松の実は人工的に受粉させて栽培することができません。
そのため、増やし方にも限界があります。
それゆえに「ピニョン」は比較的高価な食材とされています。
名詞の「ピニョン」には他の意味もある!?
「ピニョン」には他にもいくつかの意味があるとされています。
最後に他の意味はどのようなものがあるのかを見てみましょう。
歯車
名詞としての「ピニョン」には歯車という意味もあります。
歯車としては「ラック&ピニョン」と呼ばれることが多いです。
これは回転力を直線の動きに変換する歯車を言います。
円形の「ピニョン」と棒状の「ラック」により動くのが特徴です。
特に「ピニョン」に回転力を加えると「ラック」が水平方向に動くようにできています。
そのため、多種多様な場面で使用されているのだとか。
なお、日本では「ラック・ピニョン」と略されることもあります。
切妻造
名詞としての「ピニョン」には切妻造という意味もあります。
切妻造とは屋根の形状を意味する言葉の1つとなります。
中でも本を伏せたような山形の形状をした屋根を言うのだとか。
これは日本でも古くから使用されている建築様式の1つとされます。
そのため、探してみると意外なところで発見できるかもしれません。
まとめ
「ピニョン」はフランス語で松の実を意味する言葉です。
日本でも食用の「ピニョン」が出回っていることがあります。
ただし、日本に自生する松からは「ピニョン」が採れません。
そこは日本の松の実とは別物なので注意が必要となります。