「ピカイチ」とは、群を抜いている存在のことをあらわす言葉です。
ある集団の中で、突出して優れている存在に対して用います。
しかし、なぜ優秀な人や物を「ピカイチ」と表現するのでしょうか?
そこでここでは、「ピカイチ」という言葉についてその意味や由来、類義語について解説します。
「ピカイチ」とは
まずは、「ピカイチ」の意味や用い方について見ていきましょう。
「ピカイチ」の意味
「ピカイチ」とは、多くの中で一番優れている存在です。
あるまとまりの中で、突出している人や物を指す言葉となります。
単に優秀なことではなく、ある集団の中で秀でている人や物を褒める際などに用います。
「ピカイチ」の用い方
「ピカイチ」は、その人や存在が抜きん出て優れている存在であることを強調する表現です。
そのため、誰(何)がどの集団やグループ内で特に優れているのかを明言する必要があります。
「彼は、ベテランの多いうちの工場の中でもピカイチの腕前だ」「彼女は新入社員の中でピカイチの成績だ」のようにして使います。
抜きん出て優れている存在であるというため、基本的には褒める際に使用されます。
しかし、皮肉を込めて「あの人のずる賢さはピカイチだ」といった風に表現することもできるので、必ずしも褒め言葉となるわけではありません。
「ピカイチ」の由来
では「ピカイチ」という言葉はどのようにして生まれたのでしょうか?
ここからは「ピカイチ」の成り立ちについて見ていきましょう。
花札の役から生まれた言葉
「ピカイチ」という言葉は、花札用語の役の1つから来ているとされています。
その役とは初めに配られた手札7枚のうち20点札の「光り物」が1枚で、残り6枚がカス札であるものです。
古くは、この20点札のことを「光り物(ピカ)」と呼んでいました。
それが変化して「光一(ピカイチ)」と呼ばれるようになったとされています。
この「光一」が転じたことで、何かの中で抜きん出ることを「ピカイチ」と表現するようになったのです。
「ピカイチ」の類義語
ここからは「ピカイチ」の類義語をまとめます。
その類義語としては、「右に出るものはない」や「類稀」などがあります。
それぞれの意味や由来、語源についても見ていきましょう。
右に出るものはない
「右に出るものはない」とは、実力や能力において勝る者がいないことの例えです。
古くから日本では偉い立場の者から見て右側(本人から見て左側)に立つ者の方が、より優れた者とされていました。
たとえば、貴族文化があった時代においては天皇から見て右側にいる左大臣は右大臣より立場が上でした。
このようなしきたりから「右に出るものはない」という表現が生まれたとされています。
類稀
「類稀(たぐいまれ)」とは、同じようなものがなかなかないことです。
極めて稀であることをあらわした表現とされています。
これは、「比類ない」と表現することもできます。
まとめ
「ピカイチ」は、集団やグループといった特定のまとまりの中で抜きんでているそん時のことを指します。
特に集団の中で秀でている人や物をあらわす表現です。
このピカイチという表現は、花札の役から来た言葉だとされています。