重たいものを持つ時や椅子に座る時など、ふとした瞬間に口をつく「どっこいしょ」。
自然とこの掛け声が湧き上がってくる人も少なくないかと思いますが、「どっこいしょ」とはどのようにして生まれた言葉なのでしょうか?
その由来としては、仏教用語やさらにヘブライ語説まであるのです!!
ここでは、この「どっこいしょ」という言葉について解説します!
「どっこいしょ」とは
重たい荷物を床に置く時、ちょっと気をつけないとなあ・・・どっこいしょ!
ソファでくつろぐ時、はぁ疲れた、どっこいしょ!
ついつい口をついて飛び出す「どっこいしょ」。
童話の『おおきなかぶ』でも、「うんとこしょ、どっこいしょ!」と掛け声をかけるシーンが印象的ですよね。
不意に口にしてしまう「どっこいしょ」ですが、なぜ私たちは力を入れる時や力を抜きたい時などに「どっこいしょ」と言ってしまうのでしょうか?
「どっこいしょ」には脳を活性化する効果がある!
実は、「どっこいしょ」という掛け声を発すると、脳を活性化させる効果があると科学的に証明されているんです。
掛け声をかけることで、脳に刺激が加わり、タイミングを取りやすくなったり力を出しやすくなったりするのだとか。
ぎっくり腰やケガなどの防止にもつながるので、「どっこいしょ」は理にかなった掛け声なんですね!
「どっこいしょ」の語源
科学的にも理にかなっている「どっこいしょ」ですが、その語源にはさまざまなものがあります。
諸説ある「どっこいしょ」の由来について見ていきましょう。
仏教用語「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」説
仏教用語で、霊山を登る時に唱える「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」という言葉が語源となっているという説があります。
六根とは、「眼・耳・鼻・舌・身・意」を指す仏教上の言葉。
神聖な霊山を登りながらこれを唱えることで、迷いを断ち切って身も心も浄化するといった意味があります。
この「六根清浄」が登山者の間で変化していき、「どっこいしょ」になったのだとか!
ユダヤ人由来のヘブライ語説
「どっこいしょ」は、ヘブライ語の祈りの言葉「ドケイシュ」が語源とする説もあります。
ユダヤ人由来のヘブライ語では、『救う者』イエス・キリストを「イシュア」と言います。
これに「押しのける」という意味の「ドケ」をつけることで、「神の救いによって押し上げる」といった祈りの言葉になるのだとか。
これが「どっこいしょ」の語源になったという説があります。
「どこへ?」が語源説
他にも、「どこへ?」という言葉が語源となったという説もあります。
この説を唱えたのは、有名な民俗学者・柳田国男先生。
この説によると、「どこへ」が「どっこい」に変化し、「どっこいしょ」になったのだそうです。
この場合の「どこへ」は相手の発言や行動を遮る時に使う感動詞なのだとか。
相撲の「どすこい」は「どっこいしょ」が語源!
力士が突っ張りをするときなどに言うイメージがある「どすこい」。
この言葉は、逆に「どっこいしょ」を由来とする説があります。
力を入れる時に上げる掛け声としての「どっこいしょ」が転じて、相撲の世界で使われるようになり、それが「どすこい」に変化したのだとか。
「よっこいしょ」もどっこいしょが変化したと言われる
「どっこいしょ」と同様に、力を入れたり抜いたりする時に使う言葉「よっこいしょ」。
この言葉も、「どっこいしょ」が変化したものと考えられています。
【まとめ】どっこいしょの語源には諸説あり!
「どっこいしょ」の語源には、仏教用語の「六根清浄」やヘブライ語、そして「どこへ?」など、いろいろなものがあります。
中でも有力なのは「六根清浄」から来たとする説です。
逆に、「どっこいしょ」から派生した言葉もあるみたいです。
例えば、相撲で使われているイメージのある「どすこい」がそうです。