「肝が据わる」は、落ち着いた人や度胸のある人を指す言葉です。
では、この「肝」とはどこを指す言葉なのでしょう?
また、「据わる」という漢字もあまり使いませんよね。「座る」とはいったいどう違うのでしょうか?
そこでここでは、「肝が据わる」という言葉の意味や成り立ちなどについて解説します。
「肝が据わる」とは
まずは、「肝が据わる」の意味や類似の言葉との違いを見ていきましょう。
「肝が据わる」の意味
「肝が据わる」とは、度胸があるさまをあらわす言葉です。
落ち着いていて、めったなことには驚かないこと人物に対して使う事もあります。
「我関せず」とは意味が異なる
「めったなことでは驚かない」という意味でいうと、「我関せず」も同様の言葉と思うかもしれません。
しかし、両者は別々の意味合いの言葉となります。
「肝が据わる」は、褒め言葉として使える言葉です。
冷静でメンタルの強い人、度胸のある人を指す言葉です。
対して、「我関せず」は、物事に執着を感じない、超然とした様子をあらわす言葉です。
自分には関係ないね!といった雰囲気で、周囲で起きていることに興味を抱かない人物に対して用います。
肝は肝臓のことだけではない!
では、「肝が据わる」の「肝」とは、何を指すのでしょう?
肝があらわすもの
「肝」という漢字は、肝臓をあらわしているように見えますが、実はそれだけではありません。
内臓全体を指す場合もありますし、転じて物事の重要な箇所や急所などの意味でも使われます。
「肝が据わる」の場合は、気力や精神力を指す言葉となっています。
「肝」の別表記
「肝が据わる」の「肝」は、同じ内臓を指す言葉から「胆」と表記されることもあります。
「胆」は胆囊や肝臓、または内臓全体のことをあらわす他、いわゆる肝っ玉という意味でも用いられます。
「据わる」とは?「座る」との違いは?
次に、「据わる」の意味を見ていきましょう。
「据わる」の意味
「据わる」は、確かな存在としてその位置を占める様子や、どっしりと落ちついてめったなことに動じなくなることをあらわす言葉です。
物事から一点から動かない様子を指すこともあるのですが、この意味で用いられるのが「目が据わる」です。
静かに怒っていたり、酔っぱらっている際に用いられますが、その際はどこか1点をじっと見つめたままになりますよね。
「座る」や「坐る」との違い
同じ「すわる」と読む「座る」と「坐る」は、いずれも腰を下ろすという意味があります。
椅子や床、座布団などに対しての動作になりますね。
ちなみに、「坐る」は「座る」の常用外の漢字で意味は全く同じです。
この「座る」や「坐る」が動作を指すのに対し、「据わる」は落ち着いた状態や様子をあらわしています。
まとめ
慣用句のひとつ「肝が据わる」は、度胸のある様子や落ち着き払っていて物事にやたらと驚かない人をあらわす言葉です。
肝は肝臓をはじめとした内臓の事ではなく、気力や精神力をあらわしています。
据わるは、目が据わるなどのように一点から物事が動かない様を意味するほか、落ち着き払った様子や物事に動じないことをあらわしています。
似たような言葉に「我関せず」がありますが、「我関せず」な人は周囲に興味を抱いていない超然とした様子をあらわしていますので、ニュアンスの異なる似て非なる言葉ですよ。