「ぼらの卵」から作られる珍味、それが「からすみ」です。
実際に「からすみ」は日本三大珍味の1つとされます。
しかし、具体的にどのような食品なのかは意外と知らない方もいるかもしれません。
今回はそんな「からすみ」についてわかりやすく解説します。
ここではどのようにして「からすみ」が作られるのかなど、知っておきたいことも含めて説明します。
「からすみ」の原料はなに?
まずは「からすみ」がどのように作れるのか見てみましょう。
「ぼらの卵」から作られるからすみ
「からすみ」は「ぼらの卵」が原料とされています。
主にボラの卵巣を塩漬けにしたものから作られます。
日本ではボラを使用した長崎県産のものが有名です。
一方でサワラやサバを使用した香川県産のものも人気とか。
ちなみに「からすみ」は日本以外の国でも食されています。
例えば、アジアでは台湾などでよく食されているそうです。
また、ヨーロッパではイタリアやギリシャやスペイン、アフリカではエジプトなどの国々で食されています。
その塩辛くねっとりとした味わいが酒肴として重宝されているわけです。
手間と時間もかかるため高級!!
「からすみ」は高級食材として認識されています。
原料の「ぼらの卵」も高級食材として出回っています。
その価値を高める要素が「手間」と「時間」です。
実際に「からすみ」は塩漬けにした「ぼらの卵」を水中でもみほぐし、約20日にわたって加圧と天日干しを繰返さなくてはならない食品です。
そうした手間と時間がかかることから高級食材とされます。
「からすみ」はどのようにして生まれた?
ここからは「からすみ」がどのようにして生まれたのかについてまとめます。
戦国時代に伝来したとされる「からすみ」
「からすみ」は戦国時代に中国から伝来したそうです。
安土桃山時代に中国から長崎に伝来したとも言われています。
どちらにせよ「からすみ」は日本に古くから伝わってきた食材と言えるのではないでしょうか。
名前も当時の中国「唐」の墨に似ていたことにちなむとか。
からすみの原型?地中海料理の「ボッタルガ」
「ボッタルガ」は「からすみ」の原型となったとされる食品です。
主に地中海料理で食べられる食品のことを意味します。
実際に「ボッタルガ」はボラの卵巣を塩漬けにした料理とされています。
現地では「魚のピクルス」として愛されているのだとか。
一説によるとこの「ボッタルガ」が「からすみ」の原型となったと言われています。
ただし「ボッタルガ」はタラやマグロの卵巣で作られることもあります。
その場合、使用する原料によって呼称が変わるのだとか。
そういった意味では「からすみ」と似て非なるものとも言えるかもしれません。
からすみは「日本三大珍味」のひとつ
「からすみ」は「日本三大珍味」の一角を担っています。
中でも江戸時代から「肥前国のからすみ」「三河国のこのわた」「越前国のウニ」として日本の三大珍味とされています。
このわた
「このわた」とは「ナマコの内臓」を使用した塩辛です。
名前は「こ(ナマコ)+の+わた(内臓)」から来ています。
古くから能登半島・伊勢湾・三河湾が産地とされてきたとか。特に尾張徳川家が師崎の「このわた」を徳川将軍家に献上したことで知られています。
昨今では瀬戸内海など各地で製造されています。
ウニ
「ウニ」とは「ウニの生殖巣」を使用した塩辛です。
世界三大珍味として「ウニ」は「生ウニ」ではなく「塩ウニ」のことを言うので注意しておきたいです。
これは古くから福井県が産地として知られています。
濃厚な海の味わいを楽しめることから今でも高い支持を得ている珍味と言えるでしょう。
まとめ
「からすみ」は日本三大珍味の一角を担う食品です。
この「からすみ」は「ぼらの卵」から作られるのが特徴です。
それでいて作るのに手間と時間がかかるのが特徴となります。
そういった要素からも「からすみ」は高級品とされています。