これから12月後半は、クリスマスや年越しなど季節イベントが多く控えていますね。皆さんは、様々なイベントを家族や仲間と楽しめていますか?そんな中、株式会社Hakuhodo DY Matrixのシンクタンク「100年生活者研究所」は、20~80代の男女728名を対象に人生100年時代における幸福と子ども心に関する意識調査を実施。子ども心が人生100年時代における幸福度にどう影響するのか調査しました。その結果、実年齢より精神年齢が若いと感じている人は、そうでない人より幸福度(10点満点)が高い傾向に!さらに調査結果を分析すると、精神年齢が若く、子ども心を持っている大人は共通する3つの特徴「心にもっと素直になる」「創造性やアイデアを大切にする」「失敗すらも楽しむ」がありました。また、研究所設立時の調査で100歳まで生きたいと考えている人が3割だった結果を踏まえ、「100歳まで生きたい」という気持ちへの影響を調べたところ、子ども心を持っている人は、そうでない人とくらべて、1.5倍以上も高いということがわかりました。
Q1.子どもの頃と比べて、季節イベントを楽しめると思いますか?
―「子どもの頃も、現在も楽しめる」人は、50代まで減少傾向にある
世代ごとに季節イベントを楽しめるか聞いたところ、「子どもの頃も現在も楽しめていると回答した人は20代で56.3%と最多でした。以降、年代が高くなるにつれて割合は低くなり、50代の23.1%が最低となった一方、60代からは再び増加傾向を示しました。
Q2-1.「実年齢」と「精神年齢」のどちらが若いと感じますか?
世代ごとに実年齢と精神年齢のどちらが若いか聞いたところ、「精神年齢」の方が若いと答えた人は最低でも40代の61.2%で、50代以降は年代が高くなるにつれて割合も高い傾向にありました。最も高かったのは70代以上の82.2%でした。
Q2-2.あなたの「実年齢」と、あなたが考えるご自身の「精神年齢」をそれぞれお書きください。
―全世帯で「精神年齢の方が若いと感じる」と回答した割合が高く、その年齢差は70代以上だと11歳
さらに、実年齢と精神年齢の差を調べると、同様の傾向が見られ、最低の20代は精神年齢の方が2.2歳、最大の70代以上は11.6歳の差がありました。
Q3あなたは全体として、どの程度幸せですか?
―幸福度は精神年齢が若い人の方が平均スコアが高い
Q2-1の回答者に現在の幸福度を10点満点で質問したところ、「精神年齢」の方が若い人は7、8点と回答した割合が多いことがわかりました。また、「精神年齢」の方が若い人の幸福度の平均スコアは6.40点で、「変わらない」人(5.97点)、「実年齢」の方が若い人(5.65点)と比べて、0.43~0.75点高い結果となりました。
Q4.精神面の特徴について、「あたな自身」はどの程度あてはまりますか?
―精神年齢が若い人は、「好奇心豊か」「性格が純粋」「遊び心がある」などが特徴
―精神年齢が若い人の子ども心は「心にもっと素直になる」「創造性やアイデアを大切にする」「失敗すらも楽しむ」が共通
Q2-1の回答者に精神面での特徴(とてもあてはまる、あてはまるの合算)を聞きました。その結果、「精神年齢」の方が若い人の割合が高かった項目として、「好奇心が豊か」(65.4%)、「性格が純粋で裏表がない」(62.5%)、「遊び心がある」(58.6%)が挙がり、子ども心を持っている人が多いことがわかりました。また、「精神年齢」が若い人に子ども心を感じた経験を自由回答で聞いて分析したところ、「心にもっと素直になる」「創造性やアイデアを大切にする」「失敗すらも楽しむ」の3つが共通していることがわかりました。
<自由回答>(一部抜粋)
心にもっと素直になる
この歳でまだ異性を好きになる瞬間(50代、男性)
自然事象の不思議発見に興味がある(80代、女性)
創造性やアイデアを大切にする
仕事でユーモアのある提案ができる(20代、男性)
常識や既成概念にとらわれない(70代、女性)
失敗すらも楽しむ
年齢を考えず好きなことを追求する(40代、女性)
未知の経験に積極的(50代、男性)
Q5. 人生100年時代において、あなたは100歳まで生きたいと思いますか
―「精神年齢」の方が若く、かつ子ども心を持っている人の方が1.5倍以上(17.3ポイント)高い
Q2-1で精神年齢の方が若いと回答した方に、100歳まで生きたい意向について聞いたところ、子ども心を感じた体験がある人の47.2%が「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答しました。一方、子ども心を感じた体験がない人は29.9%にとどまり、1.5倍(17.3ポイント)以上の差がありました。
【100年生活者調査~子ども心編~】概要
■調査目的:人生100年時代における幸福と子ども心の関係性把握
■調査手法:インターネットモニター調査
■調査期間:2023年10月
■調査対象者:20~80代の男女728名
調査結果に関して研究員大谷 拓さんのコメント
これまでの人生80年時代と比べると、人生100年時代は「大人として生きる時間が長くなること」と言い換えられます。その際に大人らしく、「きちんと人生設計をしないといけない」「色々と考えて生きないといけない」など、先が見通せないからこそ正しい100年の生き方を探そうとしてしまいがちかもしれません。また、精神年齢が若いことは「幼い・未熟」という捉えられ方もされてきたと思います。
Q4で精神年齢が若い人の回答割合が高かった項目を手掛かりに、“子ども心のある大人”になるヒントを導き出しました。
① 頭で考えすぎず、自分の心に素直になること(楽観的・考えるよりも先に行動する)
② 真面目さや計画性より、創造性とアイデアを大切にすること(好奇心が豊か・遊び心がある)
③ 正しく生きるより、失敗すらも楽しむこと(失敗を恐れずチャレンジする)
クリスマス、年越し、お正月。子どもの頃に経験したことをもう一度やってみたり、サンタクロースにお願いをしてみたり。さまざまな季節イベントを控えている12月、自分の「子ども心」に素直になるピュアマインドを大切にした過ごし方を試してはいかがでしょうか。
「少年の心を忘れない」とか「子ども心がわかる大人」って言いますよね。皆さんはどんな人をイメージしますか?筆者は真っ先に自分の父を思い出しました。父は、イベントや遊びになると「子どもと一緒に」ではなく、「子ども以上に」夢中になって楽しむ人でした。まさに「少年の心を忘れない」大人で、それは高齢になっても変わりませんでした。いくつになっても子ども以上に楽しんでしまう少年のような父を見て、母は呆れていましたが、筆者が今になって思うのは、「少年の心」や「子ども心」を忘れないというのは、「子どもと同じ目線でいろんなことを見られる」ということなのかなということ。同じ目線だから、わかること、考えられること、楽しめることもあるのではないかと思います。子どもと話をする時のように、ちょっと目線を下げてみると、イベントも人生も、もっと違った新しい楽しい見方ができるのかもしれません。皆さんは今年のクリスマス、どう過ごしますか?
〈Hakuhodo DY Matrix〉
https://well-being-matrix.com/100years_lab/posts/100report231207/