毎年12月にある「冬至」。
この日は、『1年で最も日照時間が短い日』です。
しかし、この日は『1年で一番寒い日』ではありません。
では、なぜ一番寒い人なるわけではないのか、ここではその理由について解説します。
冬至とは?
まずは、冬至がどんな日のことなのかを見ていきましょう。
1年で一番昼が短い日
冬至とは、1年のうち最も昼の時間が短くなる日です。
この日は1年で最も太陽が低い位置を通ります。
その為、冬至を過ぎるとまた徐々に日が長くなっていきます。
冬至の昼の時間を1年で一番長い夏至の日と比べると、東京で約4時間40分もの差があるんです。
冬至は世界で同時に訪れますが、昼間の時間の長さは場所によって異なります。
北半球であれば、1年で最も昼間の時間が短くなりますが、南半球では逆に昼間が最も長い日となります。
北半球が冬至の日は、南半球では夏至に相当するという事になります。
二十四節気の一つ
冬至は「二十四節気(にじゅうしせっき)」のひとつです。
季節が陰から陽へと移り変わる日だとして、お祝いをする風習があります。
「二十四節気」とは?
二十四節気とは、1年を24分割し季節の目印とした名称です。
1年を24分割すると約15日ごとに分けられるのですが、それぞれその時期の特徴をとらえた名前が付けられています。
冬至は、「冬に行きつく(至る)」という特徴から付けられました。
毎年12月22日前後
冬至となるのは、毎年12月22日前後です。
日付が固定されていないのは、暦ではなく太陽と地球の位置関係を基準としているからです。
太陽の通り道である黄道には二十四節気の印が付けられており、太陽が印を通り過ぎる日が二十四節気それぞれの日に当たるという考え方をされています。
この印を通る日は、毎年決まった日とは限らずに数日のずれが起こることがあります。
とはいえ、その頻度は多いものではありません。
2030年までの間で12月22日以外が冬至となるのは、21日が冬至となる2024年と2028年、2029年です。
冬至と言えば
冬至にはいくつかの風習があります。
ゆず湯
冬至の夜には柚子湯に入るという風習があります。
これは、江戸時代の銭湯文化の中で生まれた風習とされています。
銭湯では、当時から催し湯と呼ばれる変わり風呂を用意している特別な日がありました。
柚子湯もこの催し湯のひとつとしてはじまったものと考えられています。
冬至は「一陽来復」ともいわれるのですが、この言葉は運気上昇をあらわしているとされています。
そのため、邪気を祓うとされる強い香りのする柚子を入れたお風呂につかり身を清めるともいわれています。
他にも、柚子湯に入ることで血行を促進し、風邪予防にするためともされています。
かぼちゃを食べる
また、冬至にはかぼちゃを食すという風習もあります。
夏野菜のカボチャですが、適切な保管をしていると冬まで持つ高い貯蔵性があります。
そのため、古くから冬に食べることのできる貴重な野菜とされてきました。
なぜかぼちゃ?冬至の七種
冬至の日にかぼちゃを食べるのは、冬に食べる野菜という意味だけではありません。
冬至の日に「ん」が2回付く食べ物を食べると「運がつく」といわれています。
「冬至の七種」と呼ばれる「ん」の付く7つの食べ物はこちらです。
・南瓜(なんきん)=かぼちゃ
・蓮根(れんこん)
・人参(ニンジン)
・銀杏(ぎんなん)
・金柑(きんかん)
・寒天(かんてん)
・饂飩(うんどん)うどん
かぼちゃという名前だと「ん」は付きません。
しかしそれは今の話、古くは「なんきん」と呼ばれていたのです。
うどんもかつては「うんどん」と呼ばれていたそうですよ。
なので、どちらも「ん」が2つ付く食べ物ということになります。
冬至粥
冬至粥とは、小豆を入れたお粥のことです。
お粥に浮かぶ赤い小豆を太陽に見立てることで、厄払いとされてきました。
疑問「なぜ冬至が一番寒くないのか?」
昼の時間が最も短い冬至ですが、なぜ1年で一番寒い日ではないのでしょうか?
最も寒いのは「大寒」の時期
一年で最も寒くなる時期は、冬至から約1ヶ月後の「大寒」、その周辺の日とされています。
二十四節気のうち冬の最後の節気でもあります。
暑さ寒さにラグがあるから
地球は70パーセントが水(海)です。
そして、温度が伝わるには時間が掛かります。
巨大な水槽に入っている水の温度を上げ下げすると考えてみてください。
突然一気に温度が上下することはなく、徐々に変化していくのです。
その為、海、大地、大気それぞれが温まったり冷やされたりするまでには約1~2ヵ月ほどのラグが生じます。
例えば冬、太陽の力が一番弱まった冬至から地球の水も空気も地面までも、すっかり冷え切るのには1ヶ月ほど掛かります。
反対に暖まるのにも時間が掛かり、1年で最も暑い時期は夏至を過ぎて1~2ヶ月ほど後になるのです。
同じ理由で、一年で最も寒いのは冬至の1~2ヶ月後である大寒となるのです。
まとめ
1年で一番日照時間が短い「冬至」に対して、一番寒い日はその翌月1月か2月にある「大寒」となります。
これは、待機や海などが冷えるまで1〜2ヶ月ほどラグが生じるためです。
この冬至には、柚子湯に入ることや「ん」が2つ付く食べ物を食べるという風習もあります。