最新技術が被害防止の救世主? 2022年の消費者トラブル総額6.5兆円 VR技術を使った「自分事」体験で被害防止へ

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-02-28 17:46

およそ6兆5000億円。おととし1年間の「消費者トラブル」で発生した総額です。相次ぐトラブルを未然に防ごうと、消費者庁はある最新技術を使った「消費者教育」に力を入れています。その取り組みを取材しました。

【動画】最新技術が被害防止の救世主? 2022年の消費者トラブル総額6.5兆円 VR技術を使った「自分事」体験で被害防止へ

きょう、東京都立蒲田高校で行われた授業。2年生の生徒がつけているのは、VRゴーグルです。生徒が見ている映像は…

消費者庁 VRの動画
「幸せになるコツを知ろうというサークルなの!悩みとか不安とかあるなら、サークル見に来ない?」

大学のキャンパスライフを彩るサークルの勧誘です。

VRを体験した生徒
「先輩可愛いですね」

しかし、女性に勧められるがままにサークルに参加すると…

消費者庁 VRの動画
「次のステージ行きたいもん!買わないの?」
VRを体験した生徒
「先輩が買うなら自分も買おうかなと思います」

サークルの正体は「カルト教団」。これは、50万円の「教材」を買わされてしまうという、実際に起きた「消費者トラブル」=霊感商法で、それに近い状況を体験できます。

消費者庁は今、こうしたVRなど最新技術を使った「消費者教育」に力を入れています。

VRを体験した生徒
「(Q.実際に話しかけられている感じはした?)はい、感じました。きょうの体験で学んだので断れると思う」

おととし1年間の「消費者トラブル」はおよそ1619万件。総額は6兆5000億円に上りました。

街で聞いてみると…

美容室に勤務 20代
「(サブスクに)いつのまにか入っていて解約したけど、次の月になったら請求が来ていて、結局、解約ができていなかった」
大学院生 20代
「自分自身もアプリの継続課金でトラブルに遭ったことがある。退会したいと思った時に退会のボタンがなかった」

消費者庁の担当者は、VR動画を使った教育の重要性をこう強調します。

消費者庁 消費者教育推進課 山地あつ子 課長
「なかなか自分事と捉えて学べるような体験型の教材というのが無かった。自分が学べる体験をした方が、自分事として考えて被害防止に繋がるんじゃないか」

最新技術が悪質な「消費者トラブル」撲滅の救世主になるかもしれません。

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