浮かび上がる“キックバック復活”経緯 安倍氏の肖像画のもと政倫審出席した4人の弁明は?自民85人の「追徴税額」は1億3500万円との試算も【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-03-02 14:57

1日に、2日目の政倫審が行われ、安倍派幹部4人が出席しましたが、“キックバック復活”や経緯実態解明は進んだのでしょうか。

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安倍氏の「肖像画」のもと政倫審 安倍派4幹部が出席

自民党麻生派 武藤容治 衆院議員
「この第5委員室は安倍晋三先生の肖像画もあるということで、何か因縁を感じますけれども」

西村氏の視線の先にあるのは安倍元総理の肖像画。議員在職25年を記念したもので、4年前、たまたまこの部屋に掲げられたものです。

肖像画が見下ろす中行われた2日目の政治倫理審査会。裏金問題をめぐって、安倍派の幹部4人が追及を受けました。

日本維新の会 青柳仁士 衆院議員
「この裏金作りは違法行為であるという認識をお持ちだということでよろしいですね」

松野博一 前官房長官(安倍派・1051万円不記載)
「それが収支報告書に計上されていないということは、政治資金規正法上の違法行為であると考えている」

日本維新の会 青柳仁士 衆院議員
「当時の事務総長として監督責任は感じますか」

松野博一 前官房長官
「それに関して事務総長の立場として知り得ないものであったと考えております」

高木毅 前国対委員長(安倍派1019万円不記載)
「どのような経緯で行われるようになったのかという点については私自身承知しておらず、かなり前から慣行的に行われていたとしか答えることができません」

安倍氏が“廃止”も…誰が決定? “キックバック復活”の経緯

知らぬ存ぜぬの一方で、少しずつ見えてきたことも。それは、キックバックがいったん廃止されたのに復活した経緯です。

西村康稔 前経産大臣(安倍派・100万円不記載)
「安倍会長が2022年4月に現金での還付(キックバック)を行っている、これをやめることを言われまして、私もこれをやめようと、私自身も若手議員に電話をして『やめる』という方針を伝えた」

西村氏によると、2022年4月。
安倍元総理ら6人で集まり、現金でのキックバック廃止の方針が決まったといいます。
安倍元総理はなぜキックバックをやめようとしたのでしょうか。

西村康稔 前経産大臣
「安倍会長から『現金で還付(キックバック)が行われている』と。これは『非常に不透明で疑義を生じかねない、疑念を生じかねない。還付(キックバック)そのものをやめる』と」

共産党 塩川鉄也 衆院議員
「政治資金規正法の虚偽記載にあたると、違法行為という認識はなかったか」

西村康稔 前経産大臣
「その時、収支報告書の話はしていないし、還付(キックバック)が適法か違法かといった議論も行っていない」

立憲民主党 寺田学 衆院議員
「(安倍氏は)なぜ現金で還付(キックバック)することに懸念を示されたんですか」

塩谷立 座長(安倍派・234万円不記載)
「透明性を高めるために、現金はやめたほうがいいというような考えだったと思います」

立憲民主党 寺田学 衆院議員
「塩谷さんには代弁していただかなければいけない。安倍さんは不記載であることわかってたんじゃないですか。不記載が違法状態だから改善しなければならないと思って、改善しようとしてたんじゃないですか」

塩谷立 座長
「もし仮に不記載のことであれば、明確に話が出たんではないかなと思っている」

立憲民主党 寺田学 衆院議員
「本当に安倍会長は不記載を知らなかったのか。その場で不記載のことは話題に上らなかったのか。安倍会長自身、そのときのこと言えないんですよ。だからこそ、ご出席された方に本当のことを述べてほしい」

塩谷立 座長
「私も真実を申し上げていますが、その話は出ませんでした」

西村前経産大臣「現金での還付が続けられることになったのか、経緯は承知していない」

キックバック廃止が決まった3か月後に安倍元総理が死去。西村氏らによると8月には所属議員からキックバックしてほしいという声があがったといいます。

西村康稔 前経産大臣
「還付(キックバック)は行わないという方針を維持する中で、しかし“返してほしい”という人をどう対応するか、結局、結論は出ず、私は(2022年)8月10日に経済産業大臣になりましたので事務総長を離れることになる。その後、どういった経緯で現金での還付(キックバック)が続けられることになったのか、その経緯は承知をしていない」

日本維新の会 青柳仁士 衆院議員
「だから『自分は知らない』と。説明責任、果たせていると思いますか」

西村康稔 前経産大臣
「その後の経緯については全く承知していない。これはすべて正直に申し上げていること」

2022年8月上旬、西村氏が事務総長を退任する前にもたれた幹部会合。
西村氏はここではキックバックについての結論は出なかったと言いますが、塩谷氏は…。

公明党 中川康洋 衆院議員
「塩谷氏はじめ4人ともに会計責任者・松本淳一郎氏が同席したこと、これは事実かどうか」

塩谷立 座長
「(2022年)8月会合は私の事務所で行いました。『今年に限っては(キックバックを)継続するのはしょうがないかな』というような話し合いがされた。具体的な話はあまり詰めた話はなかったわけで、そういう中で継続して還付(キックバック)がされたと理解している」

安倍元総理死去の余波の中、8月上旬の会合で、深く議論することなくキックバック復活の流れができたといいます。

西村氏の後任の事務総長である高木氏は…。

高木毅 前国対委員長
「私は令和4年(2022年)8月25日から清和研(安倍派)の事務総長を務めています。それまでの間、清和研(安倍派)内でどのような検討がなされたかについて私自身は全く認識しておりませんし、一切関与していない」

“還付”「表現自体おかしな話」 税理士が見た政倫審

浦野広明 税理士
「『還付』は税金を払いすぎたものを戻すのに『還付』という言葉が使われる。表現自体おかしな話」

政治資金に詳しい税理士の浦野氏。
不記載のあった議員全員が追徴された場合の税額を、自民党の資料を基に独自に試算したうちの一人です。

今回政倫審に出席した中で最も多いのは松野氏の約245万円。そのほか、二階氏は1000万円以上、萩生田氏は750万円以上で、不記載のあった85人の総額は1億3500万円あまりにのぼるといいます。

浦野広明 税理士
「一般企業で考えたらとんでもない、全員逮捕されなきゃいけないような事件。『今後気を付けます』で許される問題ではない

“納税”促し…「笑いごとじゃない!」 政倫審に安倍派4幹部

納税についても追及されました。

立憲民主党 寺田学 衆院議員
「納税が必要な場合にはしっかりと納税をするよう(所属議員に)強く促すこと。約束してください」

塩谷立 座長
「私ども清和政策研究会(安倍派)は2月1日に解散することを決めたので、いま政治活動等は行っておりません。必要があればまた検討してまいりたい」

立憲民主党 寺田学 衆院議員
「そんなときだけ派閥が解散したことを理由にしないでください。一時的に復活しても納税を促してください。笑いごとじゃないですよ。誰がイニシアチブ(主導権)取ってやるんですか」

安倍派の座長として所属議員に納税を促すよう改めて問われると…。

塩谷立 座長
「しっかり検討させていただきます」

公明党 河西宏一 衆院議員
「最終的に使途を明らかにできなかった場合、申告し納税する考えがあるか」

高木毅 前国対委員長
「精査をしているところでございますので、その状況を見ながら考えたい」

安倍派 キックバック“継続”の経緯は? 食い違う幹部の説明

23ジャーナリスト 宮本晴代記者
幹部の証言は微妙に食い違っていて、一体何が真実なんだろうというふうに思いますよね。

今回、特に注目したいのは安倍派でキックバックが続いた経緯です。
2022年の4月に安倍さんも出席して幹部の会合が行われ、現金での還付(キックバック)をやめようという話になりました。

ところが、安倍さんが亡くなった後の8月に幹部の会合が再び持たれました。安倍さん亡くなった後どうしようか?ということになったんですが、当時の事務総長の西村さんによると、ここでは結論は出なかった。ところがここに出席した塩谷さん曰く『話し合いの中で継続することのになった』。何となく流れの中で、ということです。

その後、西村さんの後に事務総長になった高木さん曰く、『11月になって初めて、事務方から還付(キックバック)を続けると聞いた』。それが初めて聞いたのが11月だったということで、大事なことなのに決まった経緯がよくわからないのです。

喜入友浩キャスター
一方でTBSスペシャルコメンテーター星浩さんが注目した2つのポイントがあります。

1つ目は4人とも「違法性は認識していなかった」と発言が揃ったこと、そして還付を止めようとした経緯について、「安倍さんから現金は不透明なのでやめようといった趣旨の発言があった」という2点です。

宮本記者
いわば死人に口なしなんですよね。本当に安倍さんが「現金は不透明だからやめよう」と言ったのかどうか、これはまずわかりません。

実はもしかすると現金だからまずいと安倍さんは言ったのではなくて、現金をキックバックしてそれを不記載にすると「裏金」になってしまう。このシステム自体がまずいと言っていたのかもしれない。そうすると、違法性の認識に関わってくる可能性が残っているわけです。

異例の“深夜国会”与野党の攻防「持ち越し」 過去最長 2時間54分

山本恵里伽キャスター
深夜まで与野党の攻防が続いていた国会から青木孝仁記者の報告です。

青木記者
国会では与野党双方が一歩も主張を譲らない、まさに“ガチンコ対決”を繰り広げていましたが、急転直下、いったん仕切り直すことになりました。

立憲民主党 安住淳 国対委員長
「本気でやっぱり戦うときは、こうやって戦うということを私はやっぱり貫徹したい」

事の発端は、来年度予算案の審議をめぐって自民党の小野寺委員長が委員会での採決を職権で決めたことでした。「審議が尽くされていない」と猛反発した立憲民主党は、採決を阻止するため、小野寺委員長に対する解任決議案を提出しました。

立憲民主党 山井和則 衆院議員
「裏金問題を幕引きするから、小野寺委員長は解任に値するんじゃないですか」

その後、解任決議案を採決するために行われた衆院本会議では、山井議員が大量の資料を持ち込み、自民党の裏金問題を批判。衆議院では憲政史上、最長となる2時間54分の趣旨弁明を行いました。その後、夜になって今度は鈴木財務大臣に対する不信任決議案を立憲民主党が提出し、抵抗しましたが、与党などの反対多数で否決されました。

深夜国会となりましたが、与野党が『一時休戦』することで合意し、極めて異例ですが土曜日を使って仕切り直すことで、徹夜国会は避けられることになりました。

裏金の実態解明 今後のポイント 萩生田氏、下村氏、森氏は?

山本キャスター
今後のポイントは?

宮本記者
政治とカネの問題、特に発端となった安倍派の裏金がどう始まったのかがポイントになってくると思います。

ここで4人の方に特に注目したいと思います。この先、安倍派幹部で参院議員の世耕弘成さんは「説明責任を果たしたい」と言っているので、参議院の政治倫理審査会に出てくるかどうかも注目です。

そして、安倍派の元事務総長・下村博文さんも安倍さんはじめ幹部会合など一連の会合に同席していました。何か語ることがあるのではないでしょうか。

そして安倍派幹部・萩生田光一さんはキックバックの金額が多かった方です。そして安倍派の元会長だった森喜朗さん。やはり、なぜこのシステムが始まったのか、当時の責任者は誰だったのか。会長というのはある意味最高責任者ですので、森さんが語ることはないのかということは引き続き注目したいと思います。

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