SNS上で、有名人を騙った投資詐欺が急増していると言います。“フェイク音声”を使うなど、その巧妙な手口を解説します。
【写真を見る】“フェイク音声”も 有名人を騙る“SNS投資詐欺”とは【Nスタ解説】
“ニセの森永卓郎”さんが投資を指南? “有名人”名乗る詐欺が急増
良原安美キャスター:
SNSを使った投資ですが、森永卓郎さんの名前を使ったLINEグループでは、本人を名乗るLINEメッセージや音声メッセージもありました。
息子の経済アナリスト・森永康平さんは「声質は僕が聞いても父親だって思うくらい完璧」と話していました。
詳しい手口を見ていくと、FX取引などの専用アプリに誘導されて、そこで入金を求められるそうです。
そして、このアプリ上では“値上がり”が表示されるのですが、いざ出金しようとすると、出金ができずお金が戻ってこない。こうした手口です。
経済アナリスト・森永康平さんは「“おいしい投資話”を持ちかけられ、指定の口座にお金を振り込むと連絡が取れなくなるというケースが一番多いです」と指摘します。
実際に森永康平さんもニセ広告に使われて、被害を受けたという人から毎日連絡が来るということで、大変悪質です。
ホラン千秋キャスター:
詐欺に繋がるかどうかは別として、テレビなどに出ている著名人の名前や写真が勝手に使われてしまうことは多いと思うんですけれども、音声や映像など信頼してしまうような要素がたくさんあるので、見破ることが難しくなっていますよね。
著名人の名前がきっかけで数千万円の被害も
良原キャスター:
投資詐欺の詳しい手口をさらに見ていきたいと思います。
実際に被害に遭った福岡県在住の男性(70代)のお話です。
2023年11月から12月、ウソの投資話で数千万円をだまし取られました。きっかけはFacebookに流れてきた広告で、「6000万円稼ぎましょう」と書かれていたようです。
なぜこの広告をクリックしてしまったのか聞いてみると「有名な村上さんというファンドの名前が出ていて参加してみようかと思った。(投資に関する)画面がちゃんと出来ていて信用してしまった」と話していました。
経済界に精通する方の名前があったのがきっかけになったようです。
他にもこんな例があります。
合わせて約3000万円をだまし取られてしまった仙台市の女性(50代)は、「2ちゃんねる」の開設者・西村博之さんが投資を教えるというSNSの内容を信じて指定口座に約2400万円送金しました。
また、堀江貴文さんが投資を指導するというSNSの内容を信じ、指定口座に約810万円を送金してしまいました。
いずれも著名な方の名前が使われている広告でした。
グループLINEで投資の成功体験 メンバーは“サクラ”の可能性も
こうした投資詐欺は「グループLINE」に誘導されるということですが、このグループLINEは著名人だけではなく参加者も投稿しています。
参加者の投稿には…
「先生は本当にすごいです。購入した後、直接22%上昇しました」
「夢だった家の購入と民宿の開設も実現しました」
などと投資の成功体験を投稿するということです。
ただ、この手口について自治体などが注意を呼びかけています。
「儲け話をするメンバーはサクラの可能性があります」ということで実際に逮捕者も出ています。
2023年3月~4月、架空のFX投資を持ちかけて、2人の男性に合計1億円以上を口座に振り込ませ、だまし取った疑いで2人が逮捕されています。
このグループLINEを詳しく見ていくと、さらに怪しい点がありました。
例えば、森永さんを名乗るアカウントがこのグループLINEに5つあるんです。
さらに、トークの中で送られてくる広告の画像をよく見ると、深刻化の「化」、与えるの「与」という字が、日本語の変換だと出てこない漢字変換になっている点も見受けられました。
日比麻音子キャスター:
投資となるとリスクも伴うものですから、こういった明らかな儲け話だけを信じてしまうことは気をつけたいですね。