あす、メジャーリーグ開幕戦のため大谷選手らが到着する韓国。歓迎ムードの一方で現地では、実は若者の野球離れが進んでいます。そこで人気復活の立役者として登場したのが「ロボット審判」です。
記者
「こちらソウルの中心部なんですが、あちらのビルにはMLBの開幕戦の大きな広告が掲げられています」
来週、ソウルで行われるメジャーリーグ開幕戦に向けて、いよいよあす、「ドジャース」の大谷選手が到着する韓国。
「(見たいのは)大谷選手です。話題も多いし、結婚したって聞いて気になりますよ」
一方、韓国のプロ野球も今月下旬に開幕しますが、オープン戦の試合ではある変化が。
記者
「3塁側のベンチの横には秒数が表示されています」
KBO=韓国野球委員会は、試合時間の短縮を目指し、ピッチャーの投球間隔や攻守交代の時間を制限する「ピッチクロック」を今年から1軍の試合で試験的に運用。メジャーリーグが去年から導入し、日本のプロ野球も検討している仕組みです。
さらに、主審の耳を見てみると、ヘッドセットのようなものが。なんと主審は、判定を告げる前に球場のカメラの映像を基にしたAIの判断を聞いているというのです。
これは、ABS=自動ボール判定システムあるいは「ロボット審判」と呼ばれるもので、2軍での運用などを経て今年から1軍でも始まりました。
新たな取り組みにファンたちの反応は…
「審判によってストライクゾーンが違うので、(AIで)ばらつきがなくなるから良いと思います」
「投手と打者の神経戦を観るのも野球の醍醐味だと思っていたので(ピッチクロックは)残念です」
改革を進める背景は何なのか。町で若者に話を聞いてみると…
「野球にあまり関心がないので観ないです。ルールがわかっていないと難しそうなので」
「スポーツよりK-POPなどに最近の流行が偏っていて、(周りは)野球はあまり観に行っていない気がします」
去年までの10年間の世論調査では、かつては20代と30代の半数近くが野球に関心を持っていましたが、最近は2、3割にまで低下。平均で3時間を超える試合時間や、ばらつきがあるとの批判もある判定を改善することで、野球への関心を持ってもらおうとしています。
来週行われる「ドジャース」と「パドレス」の試合。韓国の野球人気に再び火がつくきっかけになるのでしょうか。