![38歳、パラテコンドーのパイオニア伊藤力、パリパラリンピック出場権獲得ならず 決勝で中国人選手に大差の完敗](/assets/out/images/jnn/1059120.jpg)
■パリパラリンピック パラテコンドーアジア大陸予選(17日、中国・泰安)
パラテコンドーのパリパラリンピック出場権をかけたアジア大陸予選が中国の泰安で行われ、男子80kg超級に出場した伊藤力(38、セールスフォース・ジャパン)が決勝で中国人選手に11‐26の大差で敗れ2位に終わった。優勝者に与えられるパリパラリンピック出場権を獲得することは出来ず、21年東京大会に続きパラリンピック出場を逃した。
5分1本勝負の決勝。上背のある中国人選手に蹴りを次々と決められ、2-7と伊藤は序盤から劣勢に立たされる。何とか蹴りを繰り出すが、相手にヒットせず苦しい時間が続く。
それでも2分過ぎ、伊藤の蹴りが決まり4-7と3点差に迫る。しかし、突っ込んだ所に回し蹴りを決められるなど、7-12とリードを広げられてしまう。その後も攻撃を仕掛けると逆に蹴りを食らう悪循環が続いた。そして11-26の大差で敗れ、パリパラリンピック出場権獲得はならなかった。
伊藤は15年4月に職場の事故で右腕を切断した。事故から約1年後にパラテコンドーを始めた。18年から全日本選手権を連覇したものの、21年東京パラ代表選考会では優勝できず、代表の座を逃した。
パラテコンドーを始めた頃は体重が60㎏以下だったという伊藤は、東京大会に出られなかった悔しさを胸に日々の練習に没頭した。さらに20㎏以上も増量し階級を上げ80kg超級で挑んだが、パリパラリンピック代表の座を射止めることは出来なかった。